重慶の退職工員、『西遊記』の書写で賭博癖から脱け出す

【大紀元日本8月31日】中国重慶市江津区の退職工員は、自らの賭博を改めるため、毛筆で『西遊記』の書写を始め、2年の歳月をかけて、このほど完成した。書写に要した毛筆は100本近く、硯を3つすり減らしてできあがった『西遊記』は、83万字で、半紙340メートルの長さになるという。

「重慶商報」によると、重慶飲料工場の退職工員・袁必忠さん(56)は、在職中には麻雀を打つのが好きで、はじめは賭ける額も小さく、負けることもそう多くはなかったのが、しだいに賭博にのめりこみ、給料もつぎ込むようになった。負けがこみだすと友人に金を借りるようになり、一旦賭博の虫が騒ぎ出すと、家に帰らなくなるのが普通になった。そして、そのうち家の生活費にまで手をつけて賭博につぎ込むようになり、奥さんとよく喧嘩するようになったという。

袁さんは、「私は小さい頃から書道が好きでした・・工員の時分に『紅楼夢』や『西遊記』などを読んだことがあり、これら名著を書写することによって自分の賭博癖をなんとかできないものかと考えました。しかし、当時はずっと、時間と強い意思がありませんでした・・」と述べた。

工場を退職すると、袁さんは『西遊記』を書写し始めた。2005年9月から、袁さんは毎日4時間をかけて、六尺の半紙の上に「西遊記」を書き写した。「やり始めた頃、麻雀の音が聞こえると、腕が疼いて、すぐに行ってやりたくてたまりませんでした。しかし、2年経って、私の賭博癖は完全になくなり、その上、字も書き写すほどにうまくなりました。今は書写が癖になりました」。

(大紀元時報中国語版より転載)

(翻訳・甘樫)