世界中のピラミッド(56)ペルー カラル遺跡

ペルー:カラル遺跡

カラル遺跡はアメリカ大陸最古の都市遺跡の1つとも評されており、紀元前2600年から紀元前2000年頃に建設されました。

アメリカとペルーの研究者たちは、放射性炭素年代測定を用いて、ペルー中部のスーペ川流域には、紀元前2627年あたりからすでに都市が形成されていたことを確認しました。このことから、現在、我々が知っている最も早い時期の文明の起源が更に800年も早められるということになります。

カラル遺跡はペルーの首都リマの北方のおよそ200kmのところに位置しており、数千年余りの間、ずっと土に埋もれたままでした。1905年にようやく発見されましたが、しかし、当時、あまり注目を集められず、そのまま人々に忘れ去られてしまったのです。1994年、ペルーの国立サン・マルコス大学教授の考古学者ルート・シャディ氏が更なる発掘を行ったことで、カラル文明もついに人々の視野に入りました。

この古代都市は6基のピラミッドを中心に建てられており、中央には円形の劇場と神殿があったと推測されています。長い年月により、ピラミッドを含むほとんどの建設物が周囲の山や岩と一体化してしまったため、確証することが難しいです。

驚くべきことに、この古代都市の建設はエジプトのピラミッドより古く、そして、古代エジプト人がピラミッドを建設し始めた頃、カラル文明はすでに高度に発達しており、形を成していました。しかし、数百年続いたこの文明も突然歴史から姿を消し去ったのです。

あまり知られていなかったこの古代文明の時期に生きていた人々は、主に野菜や魚類を食べており、穀物もなければ、陶器などが使われた痕跡もありません。しかし、綿花は存在していたし、綿花を使った副産物も多くありました。

アメリカのフィールド自然史博物館の研究員によると、カラル文明は現在のわれわれの歴史の教科書を書き換えることになるといいます。

(つづく)

――正見ネットより転載
(作者・意文/翻訳編集・天野秀)