寝不足の翌日やストレスの多い一週間のあと、寒い中で過ごしたあとなどは、顔の印象が違って見えることがあります。ほとんどの変化は一時的なものです。しかし、新しい色の変化が続く場合、特に他の症状を伴うときは、注意して見たほうがよいかもしれません。
中医学では、健康状態を見極めるときに顔色を手がかりの一つとします。カナダのLiu’s Wisdom Healing Centre代表でエポックタイムズの寄稿者でもあるジョナサン・リウ氏は、中医学では5つの顔色を5つの臓器系に結びつけて考えると述べました。青緑色は肝臓、赤は心臓、黄色は脾臓、白は肺、暗い色や黒は腎臓です。
これらの臓器系は、中医学における機能のパターンを表すもので、解剖学的な臓器そのものとは異なります。顔色の変化だけでは、その臓器が病気かどうかは分からないと、リウ氏は述べました。重要なのは、変化が現れた時期と、ほかにどんな症状を伴うかです。
青緑色の顔色と肝臓
青緑色の顔色が続く人は、強いストレスや感情の緊張、不安、イライラを抱えていることが多いとされます。中医学では、肝臓の調節機能のバランスが崩れている状態を反映している可能性があります。
中医学でいう「肝臓」は、解剖学的な臓器だけを指すのではなく、感情の調節や消化、血液循環、代謝と関わる、より広い機能のシステムを指します。
ストレスが長引くとこのシステムが乱れ、やがて顔色の変化として現れることがあります。
寒い天気のときに、一時的に青みがかった、または紫がかった顔色になるのは、一般に正常な生理的反応です。体が温まれば、通常は元に戻ります。
赤らんだ頬と心臓
両頬がたびたび赤くなる場合、考えられる原因には更年期や酒さ(しゅさ)があります。中医学では、心臓の調節機能の乱れとも関連づけられることがあります。
中医学では「心は血と脈をつかさどる」と考えます。気(生命エネルギー)と血液の巡りが過剰に活発になったり、体の内側に熱がこもったりすると、顔が紅潮することがあります。
原因の分からない顔の紅潮が続く場合、特に胸の圧迫感や動悸、めまいを伴うときは、早急に医療機関を受診してください。
黄ばんだ顔色と脾臓・胃
白目が黄色くなっていないのに、ろうのような黄色っぽい顔色をしている場合は、消化不良や栄養吸収の不良を反映していることがあります。
ただし、白目も黄色い場合は黄疸の可能性があります。黄疸は、肝臓や胆のうの病気が原因で起こることがあります。
中医学では、脾臓は、腸や胃、膵臓も含むより広い消化器系に属すると考えます。
脾臓と胃の働きが弱ること、気や血が不足すること、代謝の低下、栄養吸収の障害が、顔色の黄ばみにつながることがあります。
青白い顔色と肺
青白くくすんだ顔色が続く場合、貧血などの原因が考えられます。中医学では、肺の調節機能の乱れとも関連づけられます。
中医学では、肺の機能が弱った状態と理解される「肺気虚(はいききょ)」があると、気と血の巡りが滞り、顔が青白く見えることがあるとされます。
暗くなった顔色と腎臓
腎臓の機能が低下すると、老廃物の蓄積や貧血などが重なり、顔色がくすんで暗くなることがあります。
中医学では、顔色が早い時期から暗くなる場合、「腎気虚(じんききょ)」との関連が考えられます。これは、腎臓に蓄えられた機能的エネルギーが消耗した状態と理解されています。
腎不全に進行すると、気と血の巡りが妨げられ、水分の代謝も乱れて、顔色はさらに暗くくすんでいくことがあります。
顔色が突然、はっきりと暗くなった場合は深刻に受け止め、速やかに医療専門家の診察を受けてください。
顔色の変化は健康状態を知る指標の一つにすぎず、それだけで病気を診断してはならないと、リウ氏は述べました。他の症状や、医師による臨床的な評価と合わせて判断する必要があります。
健康上の問題を知らせるかもしれない、顔のほかの変化
顔色のほか、唇の状態、くま、目の下のふくらみも、健康についての手がかりになることがあると、リウ氏は述べました。
紫色の唇
唇が青紫色や暗い紫色の状態が長く続く場合、心臓や肺の病気が関係していることがあります。また、気と血の巡りの悪さを反映している可能性もあります。
唇の紫色の変色が続く場合は、早急に医療機関を受診してください。
目の下の黒ずみ
くまは、睡眠不足やアレルギー、加齢、色素沈着などで生じます。
しかし、目の周りのむくみや尿の変化を伴うくまが続く場合は、腎臓の機能低下が関係している可能性があります。
目の下のふくらみの急な増加
加齢や慢性的な睡眠不足によって、目の下のふくらみが徐々に目立つようになるのは、一般に心配いりません。
しかし、短期間のうちに目立って大きくなり、まぶたの腫れがひかない場合は、腎臓や心臓の病気、内分泌系の障害が関係している可能性があります。
腎臓が原因の浮腫(むくみ)は、まず目の周りに現れることが多く、たいてい朝のほうが目立ちます。
顔の異変に気を配るとともに、簡単な習慣を日常に取り入れることも、5つの臓器系の働きを支える助けになるかもしれません。
免疫を支える指マッサージ
中医師でエポックタイムズの寄稿者でもある胡乃文氏は、毎日2分足らずで10本すべての指先をマッサージすると、血行が促され、5つの臓器系の働きを整える助けになるかもしれないと述べました。
体の免疫力を支える助けにもなり、長時間座っている人や、運動する時間がほとんど取れない人に特に向いているかもしれません。
中医学の理論では、それぞれの指が経絡を通じて異なる臓器系に対応するとされます。そのため、指ごとにマッサージで得られる健康上の効果も異なります。
やり方は簡単です。
- 反対の手の人差し指と中指で、1本の指先をはさみます。
- 約10秒間、やさしく押しながらさするようにもみ、次の指に移ります。
消化を支える親指マッサージ
親指は脾臓と胃に対応します。
親指を定期的にマッサージすると、消化や栄養の吸収を支える助けになると、フー氏はエポックタイムズに語りました。その結果、消化不良が減り、お通じのリズムが整う可能性もあります。
脾臓と胃の働きが健やかであることは、免疫力の高さとも関係しています。
肝臓と目を支える人差し指マッサージ
人差し指は肝臓に対応します。
前述のとおり、中医学の「肝臓」は解剖学的な臓器にとどまらず、感情の調節や気と血の巡り、代謝とも関わると、胡氏は述べました。
注目したいのは、中医学では目も肝臓のシステムの一部とみなされる点です。人差し指のマッサージは、目をすっきりさせる助けになると考えられています。
感情の緊張を和らげる中指マッサージ
中指は心臓に対応します。
中医学では、心臓は精神状態や感情、睡眠のほか、血液循環とも関わると、フー氏は述べました。
中指のマッサージは、感情の緊張を和らげる助けになるかもしれません。
呼吸器を支える薬指マッサージ
薬指は肺に対応します。
薬指を定期的にマッサージすると、呼吸器の不快感を和らげる助けになるかもしれないと、胡氏は述べました。
中医学では肺と大腸も結びつけて考えるため、この方法は腸の働きも支えると考えられています。
水分代謝を保つ小指マッサージ
小指は腎臓に対応します。フー氏によると、腎臓が健やかであることは、機敏さや活力と関係しており、腎の働きが弱った状態(腎虚(じんきょ))は、疲労やむくみ、腰痛として現れることがあります。
中医学では、腎臓は体が生まれつき持つ生命エネルギーを蓄えると考えます。2021年の総説では、慢性腎臓病の人の約70%が疲労を経験することが示されました。
指のマッサージは、いつでもどこでもできます。フー氏は、通勤中や仕事の休憩中、休息中に行うことを勧めており、とくに忙しい人や座っている時間が長い人に向いているといいます。
鏡が教えてくれる最も役に立つ情報は、「変化」です。一日だけいつもと違って見える顔は、睡眠や気温、ストレスの影響かもしれません。変化が続く、悪化する、あるいは他の症状とともに現れる場合は、注意して観察し、必要に応じて医療機関で調べてもらいましょう。
この記事で表明されている見解は著者の個人的な意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
(翻訳編集 日比野真吾)
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