消化器専門医が解説 腸の健康を支える8つのサプリメントと正しい使い方

食物繊維が足りないからとプレバイオティクスを始め、お腹が張るからとプロバイオティクスを足し、元気が出ないからとビタミンDを買い足します。気がつけば、効いているのかどうかも分からない錠剤をたくさん飲んでいるのに、正直なところ腸の調子は相変わらずすぐれません。

消化器専門医のウィル・ブルシエヴィッチ医師は、このような場当たり的なやり方こそ、多くの人がサプリメントからほとんど効果を得られない理由だと述べました。そのうえで、個別に合わせたプランが進むべき道だと言います。

「腸の健康は、文字どおりすべての人にとって毎日の優先事項であり、サプリメントはその一部です」と、彼はエポックタイムズに語りました。「これが最優先だとは言いませんが、戦略的にしっかり行うサプリメント摂取は、今日から健康を改善できるチャンスです」

サプリメントは強力な効果をもたらすことがあります。適切なものを適切なタイミングで正しく摂り、健康的な食事や生活習慣と組み合わせれば、腸の動きと排便の改善、免疫の強化、睡眠の質の向上、炎症の抑制に役立ちます。一方で、効き目が弱かったり不適切だったりするものもあり、そうしたものは高価な尿になるだけです。
 

基本の8つ:科学的根拠のあるサプリメント

最新著書『Plant Powered Plus』で自身のサプリメントの方針を詳しく紹介しているブルシエヴィッチ医師は、患者に、科学的根拠のある基本のサプリメント8種類を勧めています。8つすべてが必要なわけではなく、このリストにないものが役に立つ人もいます。理想は、医師などの医療従事者と相談しながらプランを作ることだと、彼は言います。体に何が不足しているかを判断してもらい、サプリメントで健康状態が良くなっているかを確認してもらうためです。

プレバイオティクス:腸内微生物の栄養源

プレバイオティクスの食物繊維サプリメントは、腸内の微生物群に栄養を与えます。その利点は消化の改善にとどまらず、満腹感に関わるホルモンの増加、カルシウムとマグネシウムの吸収向上、認知機能の強化にも及びます。

ただし、サプリメントでも食事でも、食物繊維を増やすと、腹部の膨満感やガス、痛みといった不快な症状が出ることがあります。ブルシエヴィッチ医師は、まず便秘を解消してからプレバイオティクスを始め、最初は1~2g以下の少量にとどめるのが最善だと述べました。小腸内細菌異常増殖症(SIBO)がある場合は特にそうだといいます。

「私はプレバイオティクスの食物繊維サプリメントを大いに信頼しています」と彼は言いました。「自分自身の生活でも、何千人もの患者さんでも、その効果を目の当たりにしてきたので、何と言われても考えは変わりません」

主に過敏性腸症候群(IBS)の患者を担当する栄養士のキャシー・マドセン氏はエポックタイムズに、クライアントの60%以上が最終的に食物繊維サプリメントを摂るようになると語りました。たいていはサイリウム、またはグアー豆を含む製品で、こうした製品は腸にやさしいとのことです。

ブルシエヴィッチ医師も同じものを勧めているほか、アカシアの食物繊維とガラクトオリゴ糖も挙げています。より多様なマイクロバイオーム(腸内細菌叢)は健康と関連していると研究で示されているため、さまざまな種類の食物繊維を含む製品を検討するとよいと言います。

プロバイオティクス:特定の問題に的を絞った使用

プロバイオティクスは発酵食品に多く含まれる善玉微生物ですが、腸内に長くとどまるとは限りません。マルチビタミンのように万人向けとして売られている一般的なプロバイオティクスは、間違ったアプローチだとブルシエヴィッチ医師は言います。

プロバイオティクスのサプリメントは、目的を絞って使うのが最善だと彼は言います。たとえば、特定の菌株は特定の状態に効果的です。

  • 膨満感を伴うIBSには、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
     
  • 抗生物質関連の下痢には、サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)
     
  • 急性の下痢には、ラクトバチルス・ラムノサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)
     
  • 便秘には、ビフィドバクテリウム・ラクティスDN-173010(Bifidobacterium lactis DN-173010)
     
  • 寛解期の潰瘍性大腸炎には、エシェリヒア・コリ1917(Escherichia coli 1917)

「まず、改善したい結果、つまり解決したいことから出発し、それに役立つヒト臨床試験があるプロバイオティクスを探しましょう」とブルシエヴィッチ医師は言います。臨床試験と同じ用量を摂ることが重要で、それは製品ラベルに書かれた用量と一致しない場合もあると、同医師は指摘しました。

マドセン氏は、プロバイオティクスを勧める前や、クライアントが適切に使っているかを確認するときに、臨床試験で有効性が検証されたプロバイオティクスを格付けしたガイドを参照しています。

ビタミンDとオメガ3:まず検査、それから補給

ビタミンDとオメガ3脂肪酸は、腸のバリア機能と免疫の強化に役立ちます。血液検査で測れる不足の状況に応じて、戦略的なサプリメントのプランに含められます。

炎症性の疾患がある人は、より高い数値を目指すべきだとブルシエヴィッチ医師は言います。ビタミンDは40~60ng/mLです。オメガ3指数は、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が脂肪酸に占める割合で、10~12%が高い値です。

検査を受けられない場合、ブルシエヴィッチ医師は、ほとんどの人が不足していて、摂ってもリスクが低いと考えて、両方の維持量を勧めます。ビタミンDは1日1,000~2,000国際単位、オメガ3はEPAとDHAを合わせて1日500mgです。

研究では、ビタミンDの補給が炎症性腸疾患の再発予防に役立つことが示されています。オメガ3のサプリメントも、プレバイオティクスと同じように腸内の生態系を強化し、短鎖脂肪酸を増やすことが分かっています。短鎖脂肪酸は、微生物が食物繊維を栄養にして作る化学伝達物質で、健康や病気の予防に役割を果たします。

メラトニン、マグネシウム、亜鉛:睡眠と腸のつながり

ブルシエヴィッチ医師は、体内時計(概日リズム)を整えるものとして、メラトニン、マグネシウム、亜鉛をひとまとめにしています。睡眠は腸と全体的な健康に影響するためです。

メラトニンがIBSや胃酸の逆流、潰瘍性大腸炎の改善に役立つことを支持する研究があります。亜鉛はメラトニンの産生に関わり、マグネシウムは睡眠の改善と不安の軽減に役立ちます。睡眠の改善も不安の軽減も、慢性的なストレスが腸に悪影響を及ぼすため重要です。

私たちのほとんどは亜鉛とマグネシウムを十分に摂れていないと、ブルシエヴィッチ医師は言います。これらの数値は検査で調べられます。メラトニンには目標値も検査もないため、就寝の約1時間前に0.5mgの少量から始めるのが最善です。

マグネシウムと亜鉛には複数の形態があり、便秘、うつ、不安、疲労、頭のすっきり感といった症状に応じて選べます。マドセン氏は、慢性的な便秘の人には、クエン酸マグネシウムまたは酸化マグネシウムを、夜に食物繊維と一緒に摂ることを勧めています。

「そうすると、朝の排便に向けて体を整えられます」と彼女は言いました。

クルクミン:副作用のない抗炎症

クルクミンには抗炎症作用があります。イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬は胃や腸、腎臓を傷める可能性がありますが、クルクミンはそれよりも良い選択肢であるうえ、善玉菌の増殖も促すと、ブルシエヴィッチ医師は言います。クルクミンは全身の炎症を抑え、腸のバリアを劣化させる微生物の増殖も抑えます。

彼は、クルクミンは黒コショウや健康的な脂肪(朝のオメガ3サプリなど)と一緒に摂ると吸収が良くなると指摘しました。炎症が夜に強まる場合は、就寝前に摂るほうが良いかもしれないとも述べました。

クルクミンには検査がありません。ブルシエヴィッチ医師は、一般的な健康維持には1日500~1,000mg、急性の炎症には、医師の管理のもとで1日2~3回に分けて最大2,000mgを勧めています。
 

サプリメントの効果を損なう間違い

正しいサプリメントを選ぶのは、戦いの半分にすぎません。多くの人が犯しがちな間違いがいくつかあり、それが結果を台無しにします。

ラベルの誤解

適切なサプリメントのブランドを選ぶのは大変です。製品はパッケージの前面にマーケティング用語を載せていますが、それが虚偽の主張だったり、実際の用量と一致しなかったりすることがあると、ブルシエヴィッチ医師は言います。

「スーパーと同じで、売り場の通路を歩いている間はずっと売り込まれているようなものです」と彼は言いました。

ブルシエヴィッチ医師は、業界の品質、有効性、安全性をめぐる問題を受けて自身のサプリメント会社を立ち上げましたが、最良のサプリメントの選び方は学べるスキルだと述べました。

パッケージ前面の主張は無視し、代わりに、NSF International(米国の第三者認証機関)や米国薬局方(USP)などのロゴを探しましょう。これらは、製品ラベルの正確性や汚染物質の検査を確認しています。

次に、個人の検査結果や製品の臨床試験に基づいて、用量が合っているかを確認します。

人工着色料や香料、防腐剤、その他の添加物が入ったものは、腸に害を及ぼす可能性があるので避けましょうと、彼は言いました。

一度に始めすぎ

それぞれのサプリメントは、健康に意味のある効果をもたらすはずだと、彼は述べました。体感を確かめる最善の方法は、一度に1つだけ試すことです。

「ほとんどの場合、違いを感じられるはずです」と彼は言いました。「それを実感するには、1つずつ単独で始めるべきです。そうすれば、何が効いているのかが分かります」

早すぎる諦め

臨床試験が開始時と終了時でサプリメントの効果を測るのと同じで、効果があるかどうかを判断するには、十分な期間使い続ける必要があります。

多くのプロバイオティクスは、効果が出るまでに最低4週間はかかると、マドセン氏は言いました。

タイミングの無視

一日のうちバラバラな時間にサプリメントを摂ると、大切な機会を逃してしまいます。

ブルシエヴィッチ医師によると、人間の遺伝子は一日を通してオンとオフを繰り返し、腸内微生物の量も時間帯によって増減します。

「私たちは、24時間のスケジュールを前提に設計されています」と彼は言いました。「体は、どの時間帯も同じ状態ではありません」

体がホルモンや栄養素を最も必要とするときに届けるように、体のリズムに合わせることで、消化、睡眠、全体的な健康により効果的に働きかけられると、彼は言います。メラトニン、マグネシウム、亜鉛は夜に、その他は朝に摂りましょう。歯みがきと同じタイミングで摂るようにすると、習慣づけしやすくなります。

やりすぎ

効果がなかったり、必要なかったりするサプリメントもあります。マドセン氏は新しいクライアントのサプリメントを見直していますが、理由もよく分からないまま複数を飲んでいる人が多いと述べました。

「たいてい、やめられるものをいくつか選びます」と彼女は言いました。「私はミニマリスト的なアプローチを取っています」

「ほかの医療従事者が勧めている場合もあるので、続ける価値があるかどうか、医師に相談するように伝えています。サプリメントは高価ですし、害になる可能性もあるからです」と彼女は言いました。

ブルシエヴィッチ医師によると、多ければ良いというわけではなく、特に高用量ではそうです。科学的根拠のある用量を守り、定期的に血液検査を受けましょう。医師が経過を見て、問題を見つけられるはずだと、彼は言いました。

サプリメントによる健康被害は、医薬品によるものより少ないと、彼は言います。

「医薬品による被害が年間でどれほど出ているかは、恐ろしいほどです。ですが、サプリメントでも害を受ける人はいるので、賢く慎重になる必要があります」と彼は言いました。

処方薬や市販薬と相互作用するサプリメントは、オンラインで確認できます。

サプリメントは総合的なプランの一部

理想を言えば、腸の健康のためのサプリメントについては、医師からアドバイスを受けるか、医師の管理のもとで行うべきだと、ブルシエヴィッチ医師は言います。患者と会うときは、プランをそれぞれ個別に作っているそうです。いずれにしても、サプリメントの追加や変更は、医師と相談すべきだと述べました。

彼はまた、サプリメントの使用と併せた、包括的な生活習慣のアプローチも提案しています。これには、取り入れる食品と避ける食品、ストレスや感情のコントロール、光を浴びることが含まれます。

どの戦略も、人間の健康の土台であるマイクロバイオームに行き着くと、彼は言います。マイクロバイオームは、その人がこれまでどのような生活を送ってきたかを映し出すスナップショットであるだけでなく、代謝、ホルモンの産生、認知、気分を通じて、生理機能に深く影響します。

「私が達成しようとしていることに、マイクロバイオームが非常に強い影響を与えるので、マイクロバイオームを軸に考えるのは理にかなっています」とブルシエヴィッチ医師は言いました。「私はこれを、健康の司令塔だと考えています」

 

(翻訳編集 日比野真吾)

イリノイ大学スプリングフィールド校で広報報道の修士号を取得。調査報道と健康報道でいくつかの賞を受賞。現在は大紀元の記者として主にマイクロバイオーム、新しい治療法、統合的な健康についてレポート。