秋や冬になると、なんだか気分が落ち込むことってありますよね。寒さや季節特有の孤独感が原因になることもありますが、最近では、それ以上に深刻な「季節性うつ(SAD)」に悩む人も増えています。
SADには「冬型」と「夏型」がありますが、ほとんどの人が経験するのは冬型です。この冬型SADは、主に冬の短い日照時間が引き金となります。「ちょっと憂鬱」くらいで済む人もいれば、日常生活が辛くなるほど影響を受ける人もいます。すでに別の理由で気分が落ち込んでいる人にとっては、このSADがさらなる負担となり、対応が難しくなることもあります。
SADの症状はうつ病に似ていて、4〜5か月も続くことがあります。特に重症のケースでは、その辛さや長さに驚かされることも少なくありません。秋や冬は美しい季節で、私自身もその魅力を感じることが多いですが、一方で、これらの季節を「悲しい時期」と感じる人もいるのが現実です。
ここで紹介するエクササイズは、SADの影響を和らげ、寒くて暗い季節を少しでも前向きに過ごす助けになるものです。実際、私の患者にも効果を感じてもらっています。ただし、始める前に、医療の専門家に相談して自分に合っているか確認することをおすすめします。
冬の憂鬱に適したエクササイズ5選
1. ウォーキング
実践のコツ:
この運動をもっと楽しくするには、友達と一緒に歩くのがおすすめです。また、歩くたびにコースを変えてみると新鮮な気分になれます。
冬に感じる閉塞感を解消するには、外に出ることが一番。そして、外に出る方法として最も簡単なのが、暖かい服を着込んでのウォーキングです。
ステップ1 まず、関節や筋肉を温めるために5分間ゆっくり歩き始めます。
ステップ2 次に、20〜30分間の早歩きをします。途中でペースを変えず、一定の速度を保つように意識しましょう。
ステップ3 最後に、始めのペースに戻して5分間歩き、体をクールダウンさせます。
2. その場でジョギング
この運動は室内でも屋外でもできるので、寒い冬の日や風が強い日に最適です。特に朝に取り組むと、1日を元気に過ごせる効果が期待できます。
実践のコツ
室内で行うこともできますが、できれば外で行って新鮮な空気を吸いながら運動するのがおすすめです。寒いときは必要に応じて防寒対策をしっかりと。
ステップ1 まず、1〜3分間、ゆっくりその場でジョギングします。このとき、片脚ずつ膝を90度まで上げるのを目安にしますが、無理はしないでください。
ステップ2 頭と背中をまっすぐに保ちながら、その場で走るスピードを上げます。腕も一緒に動かして、運動強度を最大限に高めましょう。ランニングがきつい場合は、その場でジョギングを続けても大丈夫です。
ステップ3 3分後にランニングのスピードを少し落とすか、ジョギングをさらにゆっくり行います(約1分間)。
ステップ4 完全に止まって約2分間、または呼吸が整うまで休憩します。これで1セットが完了です。3セットを目標にしてみてください。
自分の体力に合わせてセット数や回数を調整してください。最初は無理をせず、少しずつ慣れていくことが大切です。
アドバイス
膝を90度まで上げるのが難しい場合は、できる範囲で快適に上げてみてください。少しずつ柔軟性や筋力が高まります。

3. バーピー
バーピーは、全身の筋肉を使う効果的なエクササイズで、体のバランス感覚を鍛えるのにも役立ちます。さらに、気分の落ち込みを吹き飛ばすのにもぴったりです。
ステップ1 足を肩幅に開いて立ち、腕は体の横に下ろした状態から始めます。
ステップ2 しゃがんで手を床につけ、そのまま腕立て伏せの体勢になります。
ステップ3 通常の腕立て伏せを1回行い、足を跳ねるように前に戻して立ち上がります。
ステップ4 立ち上がるときに小さなジャンプを加えると、運動の強度が上がり、少し楽しくなります。
ステップ5 腕立て伏せの体勢に入ってから、立ち上がるまでの一連の動作が1回分です。これを10回1セットとして、3セットを目指してみましょう。自分のペースに合わせて、回数やセット数は調整してください。
アドバイス
通常の腕立て伏せが難しい場合は、膝を床につけた状態で「膝付き腕立て伏せ」を行うと負担が軽減されます。また、立ち上がり時のジャンプがきつい場合は、無理をせずジャンプを省略しても問題ありません。さらに、腰や膝に痛みがある場合は、椅子やカウンターのそばでエクササイズを行い、手を使って立ち上がる際の補助を加えることで、安全に取り組むことができます。

4. ステッピング・プランク
ステッピング・プランクは私のお気に入りのエクササイズの一つです。少しハードですが、安定感があり、体幹の筋肉を集中的に鍛えることができます。このエクササイズには、プランクの姿勢とステッピングの動きを組み合わせていますが、これはそれぞれに特別な効果があるからです。プランクは全身の強化に優れ、ステッピングは心肺機能の向上に役立ちます。
ステップ1 両手を床につき、肩の真下に手がくるようにします。つま先は床につけ、膝と背中をまっすぐに保ち、腕立て伏せの姿勢を取ります。
ステップ2 上半身を動かさないように注意しながら、右足をできるだけ前方へ踏み出し、元の位置に戻します。同じ動きを左足でも行います。
ステップ3 片足ずつ前後にステップする動作を1回としてカウントします。これを1セット12回ずつ、左右交互または片方ずつ行い、3セットを目指しましょう。
アドバイス
プランクの姿勢を保ちながら行うため、最初はこの体勢を維持するのが難しいかもしれません。無理をせず、自分ができる範囲で始め、少しずつ慣れていくことが大切です。

5. ジャンピングジャック
ジャンピングジャックは、その見た目以上に侮れないエクササイズです。古典的な運動のひとつですが、現代の体重を使ったエクササイズにも負けず劣らず効果的です。その効果の高さから、季節性うつ(SAD)対策にも大いに役立つ一つの方法と言えます。
ステップ1 足を揃えて立ち、腕は体の横に下ろします。
ステップ2 足を左右に跳ねて開くと同時に、腕を横に広げながら頭の上で手が触れるまで上げます。
ステップ3 足を揃えるようにジャンプし、腕を体の横に戻します。この動作で1回分が完了です。3セット各12回を目指しましょう。
ジャンプと動きは、片道1秒程度のテンポでリズムよく行うと効率的です。無理をせず、自分のペースで進めましょう。
簡単な変更点 ステッピングジャック
もし通常のジャンピングジャックが負担に感じる場合は、「ステッピングジャック」という軽めのバリエーションを試してみましょう。
ステップ1 通常のジャンピングジャックと同じ姿勢からスタートします。
ステップ2 右足を約90cm(3フィート)右に踏み出しながら、腕を上げて頭の上で手を合わせます。その後、左足を右足に近づけながら腕を下ろして体の横に戻します。
ステップ3 次に、左足を左に踏み出しながら腕を上げ、右足を左足に近づけながら腕を下ろします。
ステッピングジャックは、素早く左右に移動する動作が特徴で、無理なく体を動かせます。

これらのエクササイズを組み合わせることで、冬のSAD(季節性うつ)の影響を軽減する助けになります。特に、他の人と一緒に行うことで、寒さや日照時間の短さによる気分の落ち込みを和らげる効果が期待できます。グループで運動することでお互いに励まし合い、運動習慣を続けやすくなるというメリットもあります。ぜひ仲間と一緒に挑戦してみてください!
この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。
(翻訳編集 華山律)
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