中国大手、海外企業買収を相次ぎ中止 当局が規制強化か

2017年04月20日 12時00分

  多角的な事業をもつ中国大手の楽視グループ(LeEco)はこのほど、米大手テレビメーカーのビジオ(Vizio)社の買収を取りやめると発表した。中国共産党政権が資金の国外流出を厳しく規制しはじめていることが主な原因だとみられる。専門家は今年、中国企業の対外投資は低迷期に入ると予測した。

 中国でインターネット事業、スマートフォン、電気自動車製造、電子商取引など幅広く事業を展開するLeEco社は昨年7月、総額20億ドルの同買収案を公表した。同社の幹部はこのほど、撤回の理由について「中国の政策上の要因」と述べるにとどまり、詳細を説明しなかった。両社は今後業務提携に関する協議にきりかえるという。

 今年に入ってから、同様の事例が複数報じられた。

 不動産大手の大連万達集団(ワンダ・グループ)が米テレビ制作大手のディック・クラーク・プロダクションズを買収する案件(10億ドル)、大手保険グループの安邦保険集団が世界大手のホテルチェーン、スターウッドホテル&リゾートを買収する案件(140億ドル)など、相次ぎ白紙になった。いずれもLeEco社と同じ理由だとみられる。

 昨年、中国の海外買収総額は前年の2倍強で同国史上最高の2250億ドルに達したが、同11月、資金流出を抑止する一連の政策が打ち出されてから、状況が大きく変わった。中国商务部(経済産業省にあたる)の発表によると、今年第1四半期の(非金融)対外直接投資(ODI)は前年同比48.8%減の205.4億ドルにと大きく後退した。

 3月初旬、鐘山・商務部部長(大臣)は記者会見で、一部の企業の海外投資は「盲目的、非理性的だ」と厳しく批判し、規制強化を明言した。

 一方、規制する業種を選別していることもわかった。1月のODIでは不動産分野は前年同比84.3%減、文化・スポーツ・娯楽分野は同93.3%減だが、技術を獲得できる海外の製造業やIT(情報技術)への投資はトレンドに逆行、それぞれ同79.4%、33.1%増となった。

 当局の特別許可が必要になる海外送金の下限を、これまでの5000万ドル以上相当から500万ドルに引き下げるなどの同抑止策は、在中多国籍企業が収益を海外に送る経営活動にも支障をもたらしている。

(翻訳編集・叶清)

 

 

 

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