中国万達・安邦など、サッカークラブ株や高級ホテル続々と売却

2018/02/16
更新: 2018/02/16

過去数年間、海外企業に対して積極的に合併・買収(M&A)を進め、巨額の買収金額で世界を驚かせた中国企業は、中国当局の資本流出規制などによって、今資金難に陥り、次々と海外資産の売却に追い込まれている。このほど、大連万達集団などの新たな資産売却計画が報道された。

 万達集団、スペインサッカークラブ株を売却

AFP通信社の報道によると、スペインのサッカーグラブ、アトレチコ・マドリードは14日、中国不動産大手・大連万達集団(ワンダ・グループ)が保有する同クラブの株式17%をクアンタム・パシフィック・グループに売却したと発表した。売却金額は明らかにされていない。

クアンタム・パシフィック・グループはイスラエル人の実業家イダン・オフェル氏が設立した、原油関連企業だ。同社は昨年11月5000万ユーロ(約66億4775万円)で、アトレチコ・マドリードの株式15%を取得した。万達集団から新たに買収した株式を合わせると、同社を保有する同クラブの株式は32%になる。

しかし今後、スペイン政府のスポーツ管理当局から、同買収案に関する承認を得なければならないという。

万達集団は2015年に同クラブの株式20%を4500ユーロ(約59億7887万円)で取得した。

同社は今年になってから、すでに500億元(約8354億円)規模の国内外資産を売り出した。

 安邦、米高級ホテルを売却へ

中国の保険大手、安邦保険集団は傘下米ニューヨークの高級ホテル、ウォルドルフ・アストリアの売却計画を進めている。2014年、同ホテルを安邦に19億5000万ドル(約2074億円)で売却した米のブラックストーン・グループが現在、同ホテルを安邦から再び買い戻そうと検討している。ブルームバーグが13日報道した。

中国当局は昨年、資本流出や金融リスク拡大を防ぐため規制を強化した。これを背景に、昨年6月安邦集団の呉小暉・会長が当局に身柄拘束された。ブルームバーグは同年7月、情報筋の話として、当局は安邦の資産状況を調査した後、海外資産売却を指示したと伝えた。

ブラックストーンは、中国当局の監督の下に置かれている安邦との間で、資産の入札について交渉を始めたという。また安邦は、ウォルドルフ・アストリアのほか、16年ブラックストーンから取得したストラテジック・ホテルズ・アンド・リゾーツなども売却する予定。

 海航、香港での資産を売却

一方、複合大手海航集団は13日、159億5900万香港ドル(約2168億円)で香港の土地2カ所を地元の不動産開発企業、恒基兆業地産有限公司に売却すると発表した。14日に売却の手続きを完了するとした。

この2カ所の土地は香港啓徳区に位置する。海航集団が2016、傘下の香港海島建設地産有限公司を通じて香港不動産市場に進出した後、初めて取得した物件だ。総投資額が142億4900万香港ドルだった。

海航集団は1月末に、オーストラリア・シドニーにある商業ビルを、約2億オーストラリアドル(約169億円)で米のブラックストーンに売却。

2月上旬に、同社は、米国にある総規模40億米ドル(約4250億円)の不動産資産と、ドイツ銀行の株式の一部を売却した。

(翻訳編集・張哲)

 

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