THE EPOCH TIMES

焦点:金正恩氏の電撃訪中、米朝会談に向けた足場固めか

2018年03月29日 22時00分

Christian Shepherd and Heekyong Yang

[北京/ソウル 28日 ロイター」 - 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が訪中し、離れつつあった冷戦時代からの同盟国・中国との関係の修復に動いたことは、トランプ米大統領との首脳会談に向けて、北朝鮮の交渉の足場を強化することになりそうだ。

中国の習近平国家主席にとっては、問題を起こしてばかりの隣国の首脳と会談することで、米朝首脳会談で何らかの合意が打ち出される場合に「蚊帳の外」に置かれる事態を防ぐ狙いがあった、と専門家は指摘する。

正恩氏の極秘訪門により、冷え切っていた中朝関係が、唐突に雪解けを迎えたようにみえる。謎めいた北朝鮮代表団の移動に合わせて、北京の街には厳戒態勢が敷かれた。

中国側が、正恩氏から朝鮮半島の非核化について誓約を得たと語る一方で、北朝鮮国営メディアは、習主席が平壌への招待を「喜んで」受け入れたと報じた。

正恩氏と習氏の会談には、中朝両国の足並みをそろえ、史上初となる米朝首脳会談に向けて、北朝鮮が強い立場で交渉に臨むことを可能にする効果がある、と北京にある察哈爾(チャハル)学会の北朝鮮専門家Wang Peng氏は言う。

「北朝鮮は保障を求めている。中国との関係を早急に改善することで、米国により余裕をもって対峙し、好ましい結果を得る自信を持ちたがっている」と、Wang氏は分析する。

北朝鮮は国連の制裁強化によって打撃を受けており、貿易制裁の緩和を実現するには中国政府の支持が必要だとアナリストは指摘する。

中国には、北朝鮮の友好国としての自身の重要性を示し、米国と韓国による交渉によって脇に追いやられる懸念を和らげる意図があった。

「結局のところ、中国は非常に大きな関心を抱いており、交渉のテーブルに着けないことを快く思っていなかった」。カーネギー清華グローバル政策センターのディレクターで、2007─2009年に行われた北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議でホワイトハウスの代表を務めたポール・ヘンリー氏はそう指摘する。

「金正恩が会談した最初の外国首脳は、中国の国家主席だった。率直に言って、中国の立場からすればこれは非常に正しい行動だ」と、同氏は付け加えた。

ジョン・ボルトン元国連大使のような強硬派を新たに大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に起用したトランプ氏の決断も、米朝首脳会談に向け北朝鮮に対する圧力を高めた可能性があると、韓国の延世大の中国専門家、韓碩熙(ハン・スッキ)教授は言う。

「長年の同盟国である中国の支持と助けなしには、北朝鮮には米国と対峙する準備ができていないようにみえる」と同教授は語る。

<蜜月復活か>

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