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職を失い、西安駅で帰郷列車を待っている農民工たち=2008年11月12日(AFP)

ムーディーズ:中国企業、倒産の波が拡大

 【大紀元日本11月23日】国際格付け大手のムーディーズが11月14日に発表した報告書の中で、国際金融危機の影響とグローバル経済景気の後退により、短期間内により多くの中国企業が倒産するとの見通しを示した、ラジオ自由アジアが伝えた。

 同報告書には、将来倒産する企業の数について具体的には上げなかった。しかし、中国社会科学研究院の工業経済専門家の曹建海氏はこのほど、今年末まで中国において約10万社の企業が倒産するだろうと示した。

 中国企業の倒産続出について、米国ネバダ大学の宋順峰教授は「年末までに倒産企業が10万社になるかどうかはまだわからないが、個人的には楽観できない状況だ。複数の原因により、中国の労働密集型企業は経営不振に陥った。まず、世界各国の景気後退で中国への輸入が激減したこと。もう一つは、グローバル景気減速の兆候が高まるとほぼ同時に、中国政府当局が新労働法を実施したことも企業倒産を引き起こした原因だと思う。新労働法の実施により、労働コストが一層高まり、多くの企業にさらに負担をかけるようになった。きちんと法律を守っている企業には約20%の負担増となる。これで、将来はより多くの労働密集型企業や輸出企業が倒産するだろう」と述べた。

 中国企業の倒産の波は、中国対外輸出総額の30%を占める広東省から始まった。中国政府当局の統計によると、今年上半期において、すでに6万7千社が倒産した。また、新労働法である新『労働契約法』は今年1月に実施されたもので、新法の実施により、安い人件費でビジネスチャンスを掴んで利益を伸ばしてきた中国企業にとって大きな打撃を与えている。また、同時期には、今回の国際金融危機が見え始める頃でもある。

 一方、相次ぐ中国企業の倒産について、中国経済評論家の草庵居士は長い目で見ればよいことだと考えている。草庵氏は「実際の状況から見れば、中国だけではなく、世界各国にとっても、生産能力が過剰となっている。企業の中には安い人件費で経営を維持してきたところがある。金融危機などの影響で多くの企業が倒産することにより、残りの企業は新技術を取り入れるなどのことで、生産効率を高め、新たな発展を図るだろう」と話した。

 草庵居士は「中国国内経済が回復し、増長し始めるまで三年から四年ぐらいかかると思う。最初の2年間に、多くの企業が倒産し、一部の業界では企業再建が行われるだろう。なので、最初の2年間が非常に大事だ。しかし、その3、4年間に中国共産党政権が耐えられるかどうかはわからない」と話した。

 中国政府はこのたび金融危機の影響で経済成長が急激に減速した中国経済を刺激し、比較的高い経済成長を維持し、内需拡大を図るために、今後2年間に総額4兆元(約57兆円)をインフラ整備や社会福祉などに投資すると発表した。また、輸出企業の負担を減少させるために、この3か月間に3回も輸出製品の輸出還付税率を引き上げた。これに対して、草庵氏は「4兆元の景気刺激策のうち、実際に政府が投資するのは1兆元(約14兆2千500億円)しかない。なぜなら、残りの3兆元(約42兆7千500億円)は「5年計画」からの資金となる。それに、3回の輸出還付税率の引き上げは根本的に輸出企業の負担を減軽することはできない」と指摘した。

 宋順峰教授は「政府が発表した景気刺激策はそれなりの効果をもたらすだろうが、目前の問題は消費者の信頼感をいかに取り戻すのかということだ。今米国の多くの大手企業が人員削減を行っている。人々は仕事を失ったために、消費を控えている」と述べた。

 一方、ムーディーズの報告書によると、中国政府の景気刺激策の効果は来年以降現れるのではないかという。また、中国国内の報道によると、政府の4兆元支援政策を発表した後に、地方行政府トップや大手企業の経営者らが相次いで4兆元資金の分配を行う国家発展改革委員会に押し寄せたために、多くの専門家は4兆元の資金が景気回復に必要なところに投資されるかどうかが心配だとの声を上げているという。

 
(翻訳編集・張哲)

 (08/11/23 08:59)  





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