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中国金融当局により一連の不動産バブルの金融引き締め政策で生じた資金のひっ迫が、株式市場の低迷を招いている(ChinaFotoPress/Getty Images)

中国株式相場の低迷続く 金融引き締めで資金ひっ迫

 【大紀元日本6月27日】6月20日の中国株式市場で、主要指数の上海総合株価指数は前日比で21.565ポイント安の2621.253ポイントで終値を付け、2010年9月末以来の安値となった。また当日の売買代金は661.4億元で、11カ月ぶりの低水準となった。中国工商銀行などの大手金融機関を中心に銀行関連株が売られた。

 中国金融当局により一連の不動産バブルの金融引き締め政策で生じた資金のひっ迫が、株式市場の低迷を招いている。去年から現在まで、中国人民銀行(中央銀行)は不動産バブルやインフレ対策として、投資資金を凍結するために、金融機関から強制的にお金を預かる比率を示す預金準備率を、約8回にわたって引き上げを実施した。その結果、主要大都市部では不動産価格が下落し始めたが、一方、資金の凍結で株式市場に流れる資金が流動性が抑えられることになった。また6月13日、人民銀行が発表した5月人民元建て新規融資やマネーサプライの伸び率が市場予想を下回ったため、株式市場において資金ひっ迫の懸念がさらに強まった。

 一方、中国独立経済評論家の謝国忠氏は昨年、ブルームバーグで発表した評論記事で、政府が不動産市場への抑制政策を実施することによって、株式市場の流動性が必ず影響されると予測した。また、政府の不動産抑制政策で不動産価格が下落するため、不動産市場に投資している銀行などを含む企業に大きな赤字をもたらし、その関連銘柄が売られやすくなる、と指摘。さらに現在、中国株式市場の個人投資家の資金は限定的となっており、ある程度の利益が出れば、直ちに株式市場から離れる傾向にあるという。これらが相場の上昇を妨げた、と謝氏は指摘した。

 謝氏は6月23日付の「重慶時報」にも寄稿しており、それによると現在、大手銀行からの融資が難しいため、民間金融機関からの融資が比較的容易になっており、利息が約30%近くと急上昇しているため、現在株式市場に流れ込むはずだった投資資金はほとんどそれらの民間金融機関に流れ込んでいる。その結果、株式市場における資金ひっ迫が生じたという。

 VOAに発表された、米資産運用アドバイザー企業のFTNフィナンシャル社のチーフエコノミストのクリストファ・ロウ氏の解説によると、中国株式市場における全銘柄の続落は、中国経済のファンダメンタルズ要因が非常に弱いことを示しているという。同氏は、景気動向を測る中国の購買担当者景気指数(PMI、指数が50を上回ると景気の改善、下回れば景気の後退もしくは悪化を示す)は、世界金融危機の発生で世界の経済景気が大幅に後退し、米国のPMIと比べてかなり高水準になったが、しかし今は状況が逆転しており、米国のPMIが高くなっている、と指摘。そのため世界景気が回復しつつある今、中国経済を支える輸出産業や製造業が依然として低迷しており、経済成長が鈍化していると述べた。

 PMIの推移をみると、08年4月ピークの59.2を付けた後、下落傾向となり、同年11月38.8と最低水準を記録した。また09年12月に56.6と約1年8カ月ぶりに最高記録を更新したが、現在に至るまで依然として50~56の間で推移している。

 インフレ圧力及び金融引き締め政策で、中国の景気減速に拍車がかかっており、また米国の財政問題、ユーロ圏の債務危機など、国内外の経済状況が不安定であるため、中国株式相場の低迷がしばらく続くと予想される。謝国忠氏は、年内上海総合株価指数は2500~3000台の間で推移するだろうと予測している。

(翻訳編集・張哲)


 (11/06/27 08:23)  





■キーワード
上海総合株価指数  ファンダメンタルズ要因  購買担当者景気指数  不動産市場抑制政策  インフレ  


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