THE EPOCH TIMES

海外農地を狙う中国 農業分野での投資が6年で5倍に

2018年04月27日 16時39分

米国農務省(USDA)は最新報告書のなかで、中国企業が急速に海外の農業、林業、漁業分野に投資幅を広めているとした。チャイナマネーの流出を抑制してきた中国共産党政権だが、海外の農業投資は推奨している。また、海外農業投資に力を入れ貿易取引を優勢にし、世界の食糧マーケットへの権利強化を狙う。

レポートによると、中国資本による企業や農地の買収が進み、2016年、農業分野の対外投資額は計260億米ドル(約2.7兆円)と2010年の5倍に達した。投資は1300社の中国企業によって100カ国で行われたという。

中国政府による農林水産部門の対外投資は、2004~12年の初期、主に中国国内で使用する穀類など原材料の調達に焦点を当てていた。地域は東南アジア、ロシア東部をターゲットとし、ASEAN(東南アジア諸国連合)では地域自由貿易協定により、パーム油、米、砂糖、果物、木材などを中心に輸入していた。

しかし、最近では資本の豊富な中国企業が、北米、欧州、オセアニアのアグリビジネス企業を買収するという戦略をとっている。 たとえば、中国国内ではハム・ソーセージで知られる食肉加工会社・双匯は2013年、米食品大手スミスフィールド・フーズを430億米ドルで買収した。

2016年、中国国有化学メーカー中国化工集団(ケム・チャイナ)は、世界最大手のスイス農薬・種子メーカ、シンジェンタを430億米ドル(約5兆1600億円)で買収。

中国国有の大手食品・中糧集団(COFCO)は2014年にシンガポールのノーブル農産事業、2016年にオランダの穀物商社ニデラ農業をそれぞれ株式取得で買収した。

ニュージーランドやオーストラリアでは乳製品、牛肉、羊肉の需要の増加とともに買収や合弁会社の設立が進む。

日本も例外ではない。北海道や沖縄、鹿児島、長崎、島根の離島の土地や水資源は、法の規制がないために相次ぎ戦略的に中国資本に買収されているとして指摘されている。

農林水産省が4月に発表した、2017年の外国人の新規土地取得は全国で29件、山林202ヘクタールだ。そのうち25件、201ヘクタールは北海道だった。

保守系シンクタンク・国家日本問題研究所の所長でジャーナリストの櫻井よしこ氏は2017年8月、週刊ダイヤモンド(オンライン版)で「国土を買い取られることは、国を奪われることだ。(中略)中国の膨張政策がわが国の国土買収に反映されているのは間違いないだろう」と述べた。

今年8月、日本政府は、中国への品質の高い木材の輸出を解禁する。中国国内は木材が不足しており、木材収集に力を入れている。前北海道議会議員で、中国資本による北海道の水資源や国土買収を調査する小野寺まさる氏は4月、大紀元の取材に答え、北海道の土地を買収してきた中国企業あるいは中国寄りの日本企業が、「森林をむちゃくちゃに大量に伐採してしまわないか」と懸念を示した。

小野寺氏はSNSでは3月、北海道の「某港近くの中国系企業の土地に集積された膨大な木材資源」の写真を掲載し、外資による土地買収問題への注視を広く促した。

チャイナマネーの流出は抑制も、「食糧生産」につながる海外投資は推す

小野寺まさる・前北海道議会議員が3月、SNSで発信した、北海道のある港近くの中国系企業の土地に積載された大量の木材の写真(@onoderamasaru)
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