印刷版   

専門家は、中国で生産された肉類は五輪開催期間中に提供されるものとして、食品安全基準の保証はできないと懸念を示し、現時点での基準で生産された食品を摂取した選手らがドーピング検査による薬物検出を避けることは不可能だと指摘した( Getty Images)

北京五輪が直面する難題、食品の安全性

 【大紀元日本1月24日】中国の食品安全性はすでに国際社会が注目する課題になっており、安全基準に達していない食品事故が相次いでいる。この中で、北京当局は、このマイナスイメージを解消させるために、今年の8月の北京五輪開催までに代償を惜しまずに、食品の安全性を保証することを表明した。それに対し、ロイター通信社は「北京五輪が直面する食品の安全性」として特集報道した。

 北京当局はこのほど、北京五輪開催のために、食品安全監督制御システムを全面的に稼働させることを発表した。このシステムは食品の生産、加工、包装、流通等すべての部分の監督が含まれている。国家質量監督検査検疫総局本部(以下、国家質監検局)では、同時に1千社の食品製造企業からの製造現場画像の受信ができるとし、チューインガムから輸入食品まで、モニターで監視することができると明らかにした。国家質監検局の孫波氏は、「北京五輪開催期間、質量監督および検疫部門はこのシステムを使い、食品の安全を保障し、各製品に対して監督制御する」と表明した。

 監督管理部門の腐敗および生産企業が利益を貪るために、基準を無視したスキャンダルが暴露されてから、中国当局は五輪のために食品安全監督制御データバンクを構築し、通し番号にて、野菜から飲用水までのすべての製品を把握することにした。

 一方、食肉用動物の飼育過程において、使用された抗生物質および成長促進剤は選手らのドーピング検査で陽性を呈させる可能性があることから、肉類食品の安全性について、各界の注目の焦点になっている。これについて、米中両国ともにクレンブテロール(Clenbuterol)類のステロイド系薬物は肉類生産に使用禁止されているが、専門家によると、中国の養豚農家において、この薬物は普遍的に使用されているという。また、養豚農家は個人経営の小さい農場が多く、各地の養豚農家は豚を屠殺工場へ送り処理することから、最終的に肉類製品の販売時に行われる抜き取り検査は、農家を特定できないため、意味がないと指摘した。

 上海のある食品・衛生機構の顧問グルバー・ニメイア氏は、「中国の肉類生産基準は五輪期間中の、食品安全性を保証するには足りない。現時点での基準で生産された食品を摂取した選手らがドーピング検査による薬物検出を避けることは不可能であり、これが五輪で直面する主な挑戦の1つである」と指摘した。

 中国のメディアによると、昨年、北京五輪開催時に政府主導の豚肉供給先「千喜鶴食品グループ」が公表され、そのために都市・工業地区・交通幹線を離れ、大気、水質および土壌が汚染されてない場所に10箇所の秘密養豚場を建設したという。この養豚場は監視カメラによる24時間体制の管理および厳密な監督制御が行われている。一方、北京五輪報道センター主任の李湛軍氏は、肉類供給先の指定はしていないとし、オリンピック委員会も専門飼育の「五輪豚」の存在を否定した。

 豚は生まれてから成豚・出荷までに必要とされる期間は約245日で、「五輪豚」を飼育するのは時間的に不可能だ。北京五輪開催までに7ヶ月しかなく、養豚場から製造工場まで、小売から消費者までの食品安全性の確保は、時間的には緊迫している。

 
(記者・鍾孟倫、翻訳/編集・余靜)


 (08/01/24 05:18)  





■関連文章
  • 北京五輪「8888」に隠れている天意(08/01/23)
  • 中国広東省野菜畑、深刻な重金属汚染(08/01/22)
  • グーグル・アース衛星写真、中国廃水汚染の実態写す(08/01/17)
  • 100年以来最低水位、長江緊急態勢=中国(08/01/17)
  • 五輪控え再開発進む北京、さらに数千世帯が移転へ(08/01/10)
  • 中国社会科学院青書:北京五輪が直面する最大のリスク(08/01/07)
  • 北京五輪チャンネル記者会見、名キャスター夫婦の不倫披露宴に(08/01/07)
  • 北京の大気汚染に対抗、肺機能強化の食事療法を採用=英五輪選手(08/01/01)
  • 中国5ヵ年環境保護計画、さらに厳しい局面に(07/12/11)
  • 三峡ダムがもたらす環境・自然災害、収拾のつかない事態になる可能性=中国環境問題専門家(07/12/04)
  • 三峡ダム建設による環境破壊、解決は不可能か(07/11/29)
  • 中国の環境汚染はGDPを消費=世界銀行(07/11/22)
  • ダイエットにおすすめの野菜(07/11/21)
  • 北京五輪で法輪功が禁じられたことに対する声明=CIPFG(07/11/18)
  • 化学精錬工場付近で、村民千人以上が鉛中毒=中国湖南省(07/11/18)