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今年の「エコロジー負債の日」は9月25日(JANEK SKARZYNSKI/AFP/Getty Images)

9月25日、地球はエコロジー的「赤字」に突入

 【大紀元日本10月2日】今年の「エコロジー負債の日」(Ecological Debt Day)は9月25日と発表された。この「環境的負債超過への転落日」は、年の初めから累積し、人間の消費量が地球の回復可能な資源量を上回った日を指す。この日以降は、地球のエコロジー面での収支バランスが赤字に転落し、人間は地球に負荷を与え続けることになる。イギリスのシンクタンクである新経済基金(NEF:New Economics Foudation)が毎年発表しており、今年は昨年に比べて1日遅れの9月25日と算出された。

年々早まる「赤字突入日」

 NEFのこれまでの資料によると、世界が最初にエコロジー的赤字となったのは1987年12月19日で、その時から「赤字突入日」が年々早まっている。1995年は11月21日で、2006年には10月9日に早まった。2008年は9月24日、今年は世界的大不況の影響があったものの、「突入日」は昨年比でわずか1日遅れの9月25日だった。

国家間の経済格差が生み出す環境負荷の差

 NEF発行の『消費の爆発:3回目の英国相互依存日に関する報告書』(The Consumption Explosion: the Third UK Interdependence Day Report)は、国家間の経済格差が環境に及ぼす負荷の差に大きく影響すると指摘する。世界の7%の人口が50%のグリーンハウスガスを排出しているのが現状で、一例を上げると、アメリカで新年早々の1月2日朝4時まで排出されたグリーンハウスガスの量は、タンザニアの1年分の排出量に相当する。

 この50年間で先進国の生活スタイルは一変した。1970年のイギリスでは1世帯の平均家電保有数は17台だったが、2006年には3倍近くの47台にまで跳ね上がった。2006年、世界規模の「エコロジー負債の日」が10月9日と算出されたのに対し、イギリスでは4月16日だった理由を裏付けている。因みに同年の日本の「赤字転落日」は3月3日だった。これらの負債日は、先進国の資源消費量がどの程度まで自国の資源量を超えているかを示唆してくれる。

 先進国が自国の資源を過度に利用して、エコロジー的赤字になっても、他国(途上国)の資源を利用し、さらに、持続可能な発展を無視し、後世の資源まで使い込みながら、目先の発展をはかっているのが現状である。先進国が地球全体に及ぼす負荷は途方もないほど大きい。

生態系を危機に追い込む資源の過剰利用

 人類は地球の資源をむさぼりながら経済発展をはかってきた。その結果、生態環境の悪化が進み、人類の生存を脅かしている。世界自然保護基金(WWF)が昨年発表した『生きている地球レポート』では、「事態を変えていかない限り、我々は、2030年までに二つの地球が必要となる」と警告する。

 英紙「ガーディアン」によると、『消費の爆発』の共同執筆者であるNEFのアンドリュー・シムス氏(Andrew Simms)は「人類の過度な資源利用・消費は、金融制度を崩壊の淵に追い込むだけでなく、多くの生命体を支えるシステムを危機に追い込んでいる。「消費の爆発」からの教訓を受け止めずに、各国の首脳がグローバル金融を討議し、環境保護の予算を組んでも、生態を戻すことはできない」と強調している。

持続可能な発展:量から質へ

 先進国の過剰消費は、人々に健康や幸せをもたらしていない。一方、途上国ではエネルギー資源を確保することで大幅な生活改善が期待できる。世界的な資源の再分配が必要だとシムス氏は呼び掛ける。

 人類はこれまで収入や消費の量を重視してきた。しかし、持続可能な発展を目指すには、焦点を量から質、つまり、生活環境の質の改善に転換しなければならない。文化活動、地域活動、家庭生活を通して、充足感をもたらす生活を大切にする意識改革が必要だと同氏は主張している。

(翻訳編集・張心明)

 (09/10/02 05:00)  





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