中国、大気汚染深刻 初代環保部トップ「回避するチャンスはあった」

2013年01月31日 16時20分
中国中部の安徽省でも酷く汚染された濃霧、30日 (Getty Images)

【大紀元日本1月31日】「経済成長の成果配分が不公平だって?今日われわれ全員がこの成果を享受した」。ネットユーザーが揶揄した経済成長の成果は、中国の7分の1に相当する130万平方キロの国土をここ数日にわたって覆った濃霧のことだ。

 北部の長春、瀋陽から、南部の珠江デルタまで、東部の済南から、西部の西安まで、有害物質を含んだ濃霧が中国の広い範囲に広がった。場所によっては、肺がんやぜんそくを引き起こす微小粒子物質PM2.5が、世界保健機関(WHO)の基準値の20倍も含まれていた(29日、北京の米国大使館発表)。「水の汚染はペットボトル水でなんとかしのげる。粉ミルクの汚染は輸入品で乗り越えた。しかし今日、空気が汚染された。どうすればいいんだ?」。当局に外出を控えるよう促された市民らは、インターネットでやり切れない思いをつづった。

 中国の著名な環境保護活動家で、1993年に米ゴールドマン環境賞を受賞した戴晴氏は「中国社会に暴動が起きるとすれば、それは貧富の格差や腐敗によるものではなく、環境によるものだ」と述べたことがある。共産党政権はこれまで、GDPの急成長をもって「共産党しか中国を治められない」という歪んだ論理を国民に教え込んできた。執政の「合法性」も経済の発展によって国民に見せかけた。しかし、その性急な発展は深刻な環境汚染という形ではね返ってきた。

 このはね返りを回避するチャンスはあったと中国国家環保局(環保部の前身)の初代局長・曲格平氏は悔やんだ。氏は香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)の最近のインタビューで、中国の今の深刻な環境汚染はこの40年間、すべてを犠牲にし、経済発展のみを追及してきた結果だと言い切り、先進国の教訓や、1987年にはすでに存在した「持続可能な発展」の概念を無視したツケだと批判した。問題の根本は、中国は「人治」社会で、政策決定者の権利はいかなる制約も受けないことにあると切り込んだ。

 「空気汚染は共産党の政治危機に発展するかも知れない」。米ロサンゼルス・タイムズ紙は前回の濃霧の後の14日に指摘した。今年83歳の曲初代局長の見解を現指導部が受け入れ政策決定に効かせることは濃霧を追い払う取掛りになりそうだ。

(張凛音)


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