中国政治改革

習近平氏の政治改革と「中国の夢」(1)

2017年01月10日 06時00分

 習近平氏は、旧ソ連から受け継いだ中国共産党のシステムを変えようとしている。労働教養制度の廃止、憲法宣誓制度の設立、軍隊の改革、そして設立された国の監査システムなど。これにより、習近平氏は、西洋の民主主義のシステムのみならず、アメリカの大統領制や中国の伝統文化の知恵を参考にし、独自の政治改革を推し進めている。

第四の権力・監査委員会の設置

 習近平政権は国家の監査システム「監査委員会」を12月26日から、北京市、山西省および浙江省の3つの地域で実施している。王岐山氏(中国共産党中央規律検査委員会書記)はこの3地域を実地調査し、運行状況を視察した。

 王氏は、監査委員会(監査委)は実際的に汚職撲滅機構であり、監査や法律を執行する機構として中国共産党規律検査委員会(中規委)と協力し、政府の職に就く全員を監査することをあらためて強調している。

 この新たな機構は2016年10月末の6中全会全体会議会報中の内容と呼応する。会報には「各階級の共産党委員会は、同階級の人民代表大会、行政府、監査機関、司法機関等が法令に依り国家機関やその職員の監督を行うことを支持し保証するべき」ことが述べられている。

 日本の統治機構と違いがあり、混乱しやすいが、ここで初めて監査機関が人民代表大会、政府、司法機関と並置されたことは特筆に値する。最初の三機関をそれぞれ立法、行政、司法ととらえれば、監察機関は第四の力となり、三権分立ならぬ四権が併存する構図となる。

 この監査機関は西洋の政治システムにはないもので、中国古代から伝わる「御史台」のような存在だろう。

 新たな監査委員会は同じ階級の人民代表大会から生まれ、同じ階級の共産党規律検査委員会や政府の行政監査機関は監査委員会に合併される。こうして王岐山氏は中規委書記という共産党「党内」の役職に甘んじることなく、一国家機関の長として、堂々と官僚や公務員を監査することができるのだ。

習近平氏の軍隊改革

2014年11月、訪中した米バラク・オバマ大統領を迎えた中国習近平国家主席(Feng Li/Getty Images)
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