THE EPOCH TIMES

アングル:金正恩氏迎えるシンガポール、消えた「同志」たち

2018年06月11日 13時00分

John Geddie and Fathin Ungku

[シンガポール 7日 ロイター] - シンガポールの市街地中心部にあるくすんだ高層ビル。入居する韓国語学校「アイスピーク韓国語センター」のエレベーターホールを挟んだ向かい側には、北朝鮮大使館が入居する質素な一室がある。

だが、同校の校長を務める韓国人のステラ・チョイさんは、大使館が移転してきた2年前から、北朝鮮人や訪問者を見たり、話をしたことがないという。

北朝鮮に対する外交圧力が強化され、北朝鮮人が国外に旅行したり働くことが次第に難しくなったことを受け、シンガポール在住の小規模な北朝鮮人コミュニティーは近年、人目を避けるような生活を送ってきた。チョイさんの体験は、そうした状況と符合する。

北朝鮮に対する国連制裁が強化されたことを受け、シンガポールが制裁決議を順守して同国との貿易や銀行取引を停止、就労許可を取り消したことで、ここ数年は北朝鮮人の姿が消えている。

現職の米大統領と北朝鮮指導者による史上初の首脳会談を12日に控えたシンガポールでは、世界における北朝鮮とその在外国民の立場に、注目が集まっている。トランプ米大統領は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、北朝鮮の核・ミサイル開発終結と引き換えに、外交や経済面での見返りを提供する可能性について議論する。

グローバルな金融・貿易ハブであるシンガポールにはかつて、北朝鮮本国に資金や燃料、物品を中継する、数十人の結束の固い同国外交官やビジネスマンのコミュニティーがあった。

シンガポールは今も北朝鮮と外交関係を保っているが、北朝鮮大使館は、歴史的なショップハウスが立ち並ぶ活気ある地区にあった3階建ての建物から、現在の目立たない場所に移転した。

「いつか彼らを見てみたい。南北朝鮮の関係は改善しているので、話をすることもできるかもしれない」と、チョイさんは話した。

ロイターは昨年以降、北朝鮮大使館を複数回訪ねているが、人がいたのは1度だけだった。ロイターは2017年2月、Ri Pyong Dok一等書記が大使館に入るところに遭遇したが、同書記はコメントの求めに応じなかった。

最近では、首脳会談の準備の進捗状況を取材しようと電話をかけたが、北朝鮮人スタッフがコメントを拒否した。

シンガポール外務省の外交官・大使館職員リストには、6月時点で、北朝鮮大使館に外交官4人とその配偶者が記されている。

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