THE EPOCH TIMES

米の利上げに追随しない中国、経済減速とデフォルトリスクを懸念か

2018年06月18日 19時37分

米金融当局は13日、今年2回目となる利上げを発表した。中国の中央銀行は米の利上げに追随しない姿勢を示した。中国経済は現在、国内経済成長の鈍化、債務不履行の増加、地方財政の悪化などの問題に直面している。今後、米側の追加利上げや通商措置などで、中国経済は一段と圧迫されるとみられる。

米連邦準備理事会(FRB、中央銀行)は、13日まで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25ポインド引き上げ、1.75~2.00%とすることを全会一致で決めた。今年の2回目の利上げとなった。

ロイター通信などによると、FRBは今年、合計4回の利上げを実施するとみられる。来年には、さらに3回の利上げがあり、金融引き締めを一段と強化するとの見通しだ。

一方、中国人民銀行(中央銀行)は14日、公開市場操作(オペ)で、政策金利に当たるリバースレポ金利を据え置くとした。また、人民銀はこの日、リバースレポを通じて短期金融市場に対して約700億元の資金を供給した。

「ゼロ金利政策の解除」を掲げた米国が16年以降利上げを実施するたびに、人民銀は追随利上げしてきた。FRBが17年3月と6月と12月に3回利上げを実施したことを受け、人民銀は3月と12月に、オペ金利をぞれぞれ0.1%と0.05%引き上げた。

米国の利上げで、各国との間で金利の差が生じるため、莫大な量のドルが迅速に米国に流れ、新興国などの金融市場に大きな影響を及ぼすことがある。中国では株価や資産価格の下落、元安、投資資金の流出が予想される。すでに景気減速が鮮明となった中国経済に大きな打撃を与える。

この影響で、15日、人民銀が発表した人民元の対ドルの基準レートは1ドル=6.4306で、5カ月ぶりの元安水準となった。同日、中国国内株市場は株価が全面安となった。主要株価指数の上海総合は2016年9月以降の安値で取引を終えた。

中国経済の鈍化が鮮明に

人民銀が今回の追随利上げを見送ったのは、景気減速やデフォルトリスクの上昇が関係しているとみられる。

15日付のロイター通信によると、人民銀は実は預金準備率を引き下げる可能性を示している。目的は、国内経済鈍化と企業のデフォルトを回避するためだ。

中国当局は現在、債務急増問題に対応して、企業などに対してデレバレッジ(債務圧縮)を強化している。借入のコスト上昇と与信の縮小で民間企業と地方政府の資金調達を抑制し、債務の増加を防ごうとしている。

人民銀が12日に発表した統計によると、5月の社会融資規模は前月比約50%減の7609億元で、22カ月ぶりの低水準となった。企業などの設備投資や生産活動の縮小が推測できる。

社会融資規模は、企業や個人が金融機関やシャドーバンキングなどから調達した資金の総額を示す。

統計によると、5月社会融資規模の激減の主因は、委託貸出、信託貸出、銀行引受手形の減少にある。この3種類の貸出は中国当局のデレバレッジ政策の主要対象だとされている。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは14日、中国当局のデレバレッジが続けば、実体経済が大幅に鈍化する可能性が高いと指摘した。

中国国内の一部の専門家は、デレバレッジ政策で最近中国企業によるデフォルトが多発したと批判した。資金調達難で企業は債務返済ができなくなったからだ。

一方、個人消費と投資においても減速がみられる。中国国家統計局の最新統計によると、5月中国の社会消費品小売総額は前年同期比8.5%増となった。4月は同9.4%増だった。03年5月以降の低水準。
1~5月の都市部固定資産投資は前年同期比6.1%増となった。事前予想は7%増。1995年以来の最低水準となった。

米政府が先週末、500億ドル相当の中国製品に対して25%関税措置を発表した。中国の輸出に関する先行き不透明感が今後高まるとみられる。

追随利上げしても「地獄」をみる中国経済

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