パリ郊外で暴動拡大、放火事件多発

2005年11月03日 20時31分
【大紀元日本11月3日】パリ郊外で一週間続いた暴動は火曜日から周辺都市に拡大した。11月1日夜、パリ南部、北部郊外で60台の車が放火された。事件の発端は10月27日、後を追う警察から逃げるため二人の少年が感電死したことによる。VOAが報道した。
警察から逃れるため、少年二人が不注意に感電死した事件で、当局の対応に不満を抱いた若者十数人が自動車、建物に放火=10月28日、パリ郊外クリシー・スー・ボワで(THOMAS COEX/AFP/Getty Images)



 10月27日の夜、警察から身を隠すためパリ郊外セーヌ・サン・ドニ県の変電施設に入った三人の少年のうち二人が高圧電気により感電死、一人が重傷を負った。この地域は失業率が高く、治安が不安定であり、この事件をめぐり、警察の対応を疑問視する若者数百人が街頭で抗議し、警察と衝突した。その後、暴動はさらに周辺都市に拡大し、すでに19名の若者が逮捕されたという。

 事件発生直後、サルコジ内相は二人の少年が警察に追われたことを否定したが、目撃者の証言と食い違ったため、地元の若者の怒りを買う結果となった。サルコジ内相が月曜日に行われる予定であった死者の家族との面会も拒絶されるなど、社会の緊張が高まった。その後、暴動阻止に警察官三百人を投入することで、火曜までに暴動は一時沈静したが、類似した暴動は直ちに周辺各地に拡大し、15地域で若者と警察隊との衝突が発生し、放火された車を消火する消防隊への投石行為などが繰り返された。

 ドビルバン首相は1日、感電死した少年について調査を行うことを承諾し、暴動の停止を呼びかけた。

 一週間続いたパリ郊外での暴動は、サルコジ外相の三年にわたる貧困区における政策について、各界から厳しい批判を招いた。移民率の高いこの地域に対して、「社会のくず」「問題地域を一掃する」などとしたサルコジ外相発言が若者の怒りを買い、今回の暴動の一因ともみられている。

 今回の事件から、地域と警察との間には著しい不信感が増す一方、関係改善のための努力が足りないとの指摘がある。一方、フランス在野党は、今回の暴動は政府の社会政策の失敗を表し、郊外における高失業率、貧困人口、外来移民の集中、人種差別、警察の横暴などの現状こそが今回の社会暴動の導火線であると指摘した。

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