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ネット編みとネット破り

文・林 也

 【大紀元日本3月8日】中国人の身分証明書の背景に、黒いネットが張られ、証明書上の写真や人名などあらゆるものは、ことごとくこのネットに覆われている。国民を守るというより国民を縛るとしか想われないこのデザインは、独裁政権下の実態を如実に示唆している。

 人類の文明史上において、ある文明の創造とその文明への破壊、ならびに文明の進歩とそれに対する反動は、つねに同時に行われる。中共は、文明伝播の重役を担うインターネットにも幾多の「ネット」を張り、国民を監視しつつインターネット上の言論自由を封殺している。いわば、中共は文明伝播の利器を独裁統制の枷に改造している。

 ネットの中で養われる魚は、見た目には他の魚類と同じ海を共有するし、海の文化も同じく満喫しているようである。しかし、彼らは囲いの中でしか遊動できず、浩瀚なるよその世界へは永遠に及ばないし想像すらもできない。1億3千万人ほどもある中国のインターネット利用者。世界とネットワークしているとは言え、彼らは世界との間に無形の「ネット」に遮断され、その「ネット」に適応するものでなければ、門前払いを食わされるか、禍を招くのである。中国人とは、「ネット」に囲まれている魚である。

 暴力と虚言で支えられる中共にとって、この「ネット」は真実を隠蔽しつつ繁盛の虚像を生み出す万華鏡でもある。綺麗だが脆い。いざ破れたら、結末は言わずもがなである。ゆえに、「ネット破り」の挑戦者こそが、何よりも怖いもので、叩くべき目標である。

 2月8日、「ネット破り」恐怖症にかかっている中共は、殺し屋を再び緊急動員、中共のネット情報封鎖を突破する技術を開発したアメリカの科学者で『大紀元時報』技術総監・李淵博士をアトランタの自宅で襲い、パソコン等を奪って逃げた。関係のデータを獲得すると共に他の「ネット破り」をも脅かすというダブル狙いである。

 中共の意想外に、本テロ事件に対し、米国は直ちに反応した。2月14日、米国務院は「世界インターネット自由特別委員会」を緊急設置、翌日、議会も「中国のインターネットは自由の道具かもしくは弾圧の道具か」という議題で、証人喚問会を開いた。

 「私は今日、これらの会社(マイクロソフト、ヤフー、ゴーグル、シスコ・システムズ)に伝えるメッセージはきわめて簡単だ。つまり、あなたたちの中国での行為は恥だ」。証人喚問会で、米議会世界人権委員会副議長トム・ラントス議員が、指摘した。そして、「民主、中国酷刑、法輪功などを中国版のゴーグルに入力すれば、あなたは詐欺、情報誘導と大虚言によって構成された幻の世界に連れ去られてしまう」とも強調した。 

 会議は、中共の「ネット編み」に協力する企業をひどく非難するとともに、中共の「ネット破り」に勉励する李淵氏を「自由を守る真の英雄」と絶賛する。ダン・バートン議員は、インターネット時代の今、中共が間もなく崩壊すると予測した。そして、クリス・スミス議員らが提案した「2006世界インターネット自由法案」も、近いうちに米両院で可決する見込みだという。「ネット破り」の大軍がいよいよ結集、天人冥合である。 

 中共が営んできた「ネット」とは、実はインターネット上に限らず、人々の観念上も含めありとあらゆる領域にわたる全存在なのである。端的に言えば、中国問題の専門家ではないかぎり、中国に関する真の情報を手にすることや、真の中国を知ることは至難のことである。この意味では、中国人のみならず、日本を含め全世界の人々もすべて中共の「ネット」に囚われ、見せかけの「幻の世界」しか見えないのである。

 黄砂や松花江汚染等が朝鮮半島、ロシア、日本にも及ぶ。目に見えるこの天災に比べ、見えない人災の方はより大きい。商務や外交や文化交流等において、われわれは中共の「ネット」に篩い出された情報に基づいて行なえば、その判断、対策、行動等が必ずしも適宜とは言いかねる。これは、歴史がすでに証明済みのことである。この教訓をもとに、「ネット編み」屋の中共を前にすれば、眉に唾をつける必要があるだろう。

 警戒は不可欠である。しかし、これよりその「ネット」を透かしてその背後にある正体を見抜いて、その詐欺や陰謀を摘発したり適切な対策を採ったりすることは、より緊要である。これも一種の慧眼をもつ「ネット破り」である。

(06/03/08 03:32)



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