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米議会でのシンポジウムで発言した参加者ら(大紀元)

米議会「人権と五輪」シンポジウム、「民主訴求は五輪政治化ではない」

 【大紀元日本4月14日】魏京生基金会と9団体が4月9日、米議会で「人権と五輪」と題するシンポジウムを開き、中国の人権問題を議論するほか、人権聖火リレーの全世界での推進を再確認した。人権団体の代表や、中国当局に監禁されていた人々、人権弁護士、中国問題の学者、非政府組織の代表、米国議会議員などが参加、中国の現在の人権状況について、意見交換を行った。
   
  米下院のベテラン議員クリス・スミス(Congressman Chris Smith)氏の発言は、「臓器強制摘出を反対する医者組織(Doctors Against Forced Organ Harvesting)」の言葉を引用、「21世紀の今日、スポーツ選手の興奮剤と使用禁止薬品の使用への批判は、オリンピック主催国による組織的に囚人の臓器を強制摘出との国家犯罪への非難を超えていることに、我々は驚いている」と述べ、北京五輪ボイコット運動への支持を強調した。

 
米下院議員クリス・スミス(Congressman Chris Smith)氏がシンポジウムで演説(大紀元)

主催者の「中国海外民主聯席会議」の主席、中国当局に延べ18年間監禁されて、中国民主化運動のシンボル的存在といわれている魏京生氏は「1993年当初、我々は美しい願望を抱いていた。つまり、オリンピック開催が中国の人権問題を改善させると期待していた。しかし、残念ながら、中国当局は五輪招致を獲得してからも、引き続き国民を弾圧している」と述べ、多くの民主活動家が監禁され、法輪功修煉者や、宗教信仰者が弾圧を受けて、大勢が拷問により死亡した、と指摘、北京五輪直前にチベットでの武力弾圧はその一環に過ぎない、と非難した。
   
取材を受ける魏京生氏(大紀元)

米国下院議員のフランク・ウルフ(Congressman Frank Wolf)氏は、補正予算・追加提案を提出する意向を示し、米国の政府関係者(ブッシュ大統領とその警備関係者を除く)の北京五輪への出席禁止を定めると説明した。「いかなる政府関係者も納税者のお金で北京五輪に参加してはならない。この禁止令を法律に盛り込むことを目指す」という。

 中国当局に監禁されていたフリーライターの劉年春氏は、「中国当局は持続的に法輪功や、チベットなどを弾圧している…その一党独裁の政局を変えない限り、迫害は停止しない」と述べた。
  
発言する劉年春氏(大紀元)

また、前述の魏京生氏は、中国当局による人権弾圧が激化する重要な原因として、近年では国際社会による中国当局への監視が怠り優しすぎていると指摘、「レーガン元大統領の努力により、旧ソ連、東ヨーロッパ、ポーランドなどの共産党陣営が崩壊した。今日、歴史的なチャンスもブッシュ大統領の前にやってきている。公で明確な態度を示すのは、背後での話し合いより遥かに有効である」と進言した。

 「法輪功迫害真相調査連盟(略称・CIPFG)」の北米調査団の団長、カナダの国際人権弁護士クリープ・アンスレ(Clive Ansley)氏は、「中国では、大勢の法輪功修煉者は監禁中に、臓器が強制摘出されて売買されている」「驚くことに、今日の世界で進行中のこの人道に反する国家犯罪は、チベットなどでの武力弾圧のようにメディアに報道されていない」と述べ、国際社会が法輪功への集団弾圧に視線を向けるよう呼びかけた。

CIPFGの北米調査団団長、カナダの国際人権弁護士クリープ・アンスレ(Clive Ansley)氏がスピーチ(大紀元)

 「臓器強制摘出を反対する医者組織(Doctors Against Forced Organ Harvesting)」の執行長トストン・トレイ(Torsten Trey)氏は、カナダの元閣僚と国際人権弁護士の独立調査の結果を引用、「過去の6、7年中に、少なくとも4万人以上の法輪功修練者の臓器が強制摘出されている」と述べ、「組織的に法輪功修練者を虐殺し、彼らの臓器を強制摘出する犯人が2008年オリンピックの主催国になったことに、我々は、強く驚いている・・・」などと述べ、「中国の今の人権状況は、当時のナチスドイツよりもさらに深刻だ」と指摘、国際社会による関心を呼びかけた。
 
発言するトストン・トレイ(Torsten Trey)執行長(大紀元)

 カナダの人権弁護士クレフ・アンスレ氏は、「オリンピックを政治化してはならない」との論調について見解を示した。

 同弁護士は、「ジェノサイド犯罪を暴露することや、大規模な虐殺と臓器強制摘出を公で暴露すること、ジャーナリスト、民主活動家、人権弁護士への迫害を反対することは、(中国当局に)オリンピックを政治化すると言われている」「国際社会からも、それに同調する声が上がっている」と指摘、「殺人者が重罪を犯しながら奨励されているのを、全世界の良識のある人々が制止しようとしているだけ。これはオリンピック政治化と称していいのか。これは人類の尊厳、最低限の道徳を守る行為である」と力説、各地での北京五輪のトーチリレーへの抗議に、国際オリンピック委員会(IOC)のある関係者が、遺憾と嫌悪の意を示した発言について、「IOCが五輪主催国にオリンピック憲章の遵守を求める気骨すらない。そのことに、文明の価値を推奨する正義のある人々こそ、強い遺憾と嫌悪を覚えている」と強く反論した。

 米国在住の医学博士・李祥春さんが2003年年初中国に帰省する際に、中国当局に逮捕されて3年間監禁されていた。同氏が法輪功修煉者であるためという。李さんは今回のシンポジウムに列席し、強制労働収容所で自ら受けた拷問を証言し、26ページに及ぶ名簿を提示、それには、刑務所で死亡した法輪功修練者3134人分の名前、写真、住所、受けた迫害の詳細などを収めている。また、同氏によると、上記の名簿は死亡が確認できた人だけで、この数字よりも遥かに大勢の人が殺されているが、情報封鎖など様々の事情により、詳細の確認が難しいと話し、「今年1月1日から3月14日までに、中国当局は北京五輪の開催を口実に、法輪功への弾圧をさらに強化し、寄せられた情報では、計1878人の法輪功修練者が逮捕され、多くは殺された」と説明した。

 
シンポジウムで自ら受けた拷問などを証言する李祥春さん(大紀元)

中国での民主化を主張する雑誌「大参考」の責任編集者・李洪寛氏は、「中国当局は国民に真実を告げたことは1度すらない。メディアを利用して詐欺宣伝を行い、国民の民族感情を煽ぎ、漢民族とチベット族との衝突を引き起こさせている」と指摘、大多数の中国の若者は人権と民主の理念を賛同するはずだが、残念ながら、真相は中国共産党のメディアにより封鎖されている、と述べ、国際社会が中国当局が宣伝しているいわゆる「民意」に騙されないようと提言、「あれは中国共産党の虚言である」と話した。

 ニューヨーク在住のチベット人権団体のリーダー、ト゜マ・ノーブ(DOMA NORBU)氏は、チベットでの今の状況は1936年のナチスドイツのベルリン・オリンピックと驚くほど似ていると述べ、「すぺての民主国家とメディアは積極的立場に立って、チベットでの武力弾圧事件の真相を究明すべきである」と呼びかけた。

 アムネスティ・インターナショナル本部のアジア担当者も参加し、中国当局は人権改善を約束しながら行動は完全に背反している、チベットでの弾圧は数週間も続けている、と非難した。
アムネスティの代表が発言(大紀元)
昨年8月アテネでスタートした「グローバル人権聖火リレー」(CIPFG)への支持を示す参加者ら、手にはリレーのトーチ=同リレーは今年6月に日本に到着する予定(大紀元)


 
(記者・イーピン、翻訳・編集/叶子)


 (08/04/14 06:40)  





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