中国に出かけるなら気をつけたいこと=海外記者の視点

2017/08/03
更新: 2017/08/03

夏休みを利用して中国へ旅行する人もいるだろう。最近、オーストラリアのメディア「news.com.au」の記者ギャビン・フェルナンド氏は、旅行記事として、中国に見られる特有のポイントについてまとめた。ニセ札の横行、行動を制限する監視社会、ネットの自由度が低いことなど、注意したい事項を取り上げている。

1.現金、カードを持ち歩かなくても決済

少なくとも30歳以下の人々はスマートフォンだけで、買い物、食事、あらゆる決済、情報入手を済ませている。フェルナンド記者が現地の友人とともにバーに行き、メニューを店員に求めようとすると、知人たちは笑ったという。テーブルには、それぞれWeChatペイ(微信)やアリペイ(支付宝)などのバーコードが掲げられている。スマホで、写真や価格の表示されたメニューを見て、注文し、決済も済ませることができる。(注:アプリでの決済には事前に中国で口座開設が必要)

2017年6月、市場の中で、スマートフォンを使った決済をする女性(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)

2.広場で舞うミドルエイジ

早朝、あるいは夕刻にみられる社会現象だ。初めて目にした人は「お祭りが開かれている」と思うかもしれない。市庁舎前の広場や公園の運動場などで、ミドルエイジたちが大音量で音楽をならし、踊っている。毎日。日常的なことなのだ。大紀元の取材で、山東省青島市内の広場で舞うのを習慣としている60歳の女性は「踊るのは楽しいし、運動不足解消にもなる」と答えた。

大媽(ダーマ、中年女性)が真剣に踊っている様子には、「どこか可愛げがある」とフェルナンド記者は形容する。しかし実際は、近隣住民たちは騒音や公共の場の占拠などで悩まされており、社会問題としてネットでしばしば話題になる。

 

3.中国当局は「ビッグブラザー」 監視社会

「ビッグブラザー」よりひどい
中国6つの監視システム

3月、トイレットペーパー泥棒の被害防止のため、北京の紫禁城近くの公衆トイレは、顔認証システム付きトイレットペーパー排出装置を取り付けた。こんな細かいところまで、国民の日常生活は徹底的に監視システムを導入している。

ほかにも、中国共産党体制の視点から「社会の不安定要素」「反体制的」などと見なされれば、拘束や連行の可能性もある。こうした監視システムを駆使した社会の抑制システムに、エコノミスト紙は「デジタル全体社会主義国」と形容した。

4.ネット検閲は強力

中国の有名なファイアーウォール「金盾」により、海外サイトのFacebook、Twitter、Youtube、Instagramなど、主要なサイトはほぼアクセスできないようになっている。中国に支店を置く海外企業は、自社VPNを通じて海外サイトにアクセスしていたが、最近、中国当局は、VPN規制を強化したため、ネットの自由はゼロに等しくなった。今秋に、中国共産党中央の重要人事が決定する第19回全国代表大会を控え、情報統制を厳しくしていることが背景にある。

5.許可なく写真や動画をたくさん撮る

プライバシー肖像権の法が整備されている国ならば、許可のない場所や人物を撮影をすれば、法的な処罰を受ける。中国と中国人に、その意識は低いし、ルールも存在しない。配慮のないシャッター音の響きは、あなたを不快にさせるかもしれない。

また、フェルナンド記者が許可された場所で撮影を試みると、周囲の人はディスプレイをのぞき込んできた。「プライバシー侵害だと考えることはないのだろう」と、少しばかりの不快感を示した。一方、中国人のほうは、外国人が何を撮影しているのか気になって、チラ見したかっただけなのかもしれない。

2017年3月、長らくトイレットペーパー泥棒の被害に遭っていた北京の紫禁城近くの公衆トイレは、顔認証システム付きトイレットペーパー排出装置を取り付けた。(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)

6.ニセ札に注意!

あまり報じられていないことだが、中国ではニセ札が横行している。この記者の深センのレストランでの体験で、ウェイトレスは会計時に受け取った50元を光にかざし、首を振って、付き戻したという。一般的に横行するニセ札に対応するため、多くのオフィスや店舗では、専用の鑑定機を設置している。

タクシーでは、これを利用した「ニセ札詐欺」が発生することがある。運転手は、客から本物の100元を受け取ると「ニセ札だ」と言って、自ら持っていたニセ札と本物をすり替える。運転手の不審な動きに、注意したほうがいい。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: