THE EPOCH TIMES

中国漁民53人拘束も沈黙 中国当局、ロシアに弱腰外交

2010年11月20日 07時30分
 【大紀元日本11月20日】ロシア国境軍は今年、昨年比で2割増の合計53人の中国籍の漁民を拘束している。そのほか17隻の違法操業の中国漁船を取り押さえ、760隻の中国籍船をロシア水域から追い払っている。16日付のノーボスチ・ロシア通信社の中国語ネット版が伝えた。

 漁船は中露国境を流れるアムール川(黒龍江)やウスリー川(烏蘇里江)のロシア側に入って密漁をする。ロシア安全総局のスポークスマンは16日、「毎日のように中国からロシアへ侵入する者がいる。彼らは捕まえた後も反抗し、敵意をあらわにしている」と述べた。

 一方の中国当局は、日中の尖閣諸島問題で示した強硬な態度とは裏腹に、ロシアが頻繁に中国漁民を拘束していることに対し、一貫として沈黙の姿勢を保っている。実際、中国政府はロシアに対し、多くの問題で弱腰外交を展開してきた。

 中国系商人の取り締まりに助力か

 昨年6月29日、モスクワ市東部にあるチェルキーゾフ市場と呼ばれるロシア最大の卸売り市場が突如閉鎖され、3万人以上の中国系商人の数十億ドルの資産が、関税の支払いを怠ったとして没収された。

 その直前の6月17日には胡錦濤主席がモスクワを訪問し、プーチン首相と会談したばかり。「取り締まりは毎回、中国の主席がロシアを訪問した後に起きる」とロシアで商売する中国系商人が明かした。

 1998年11月、江沢民前主席のロシア訪問の3日後、モスクワ有数の革製品卸売り市場では取り締まりが行われ、これにより中国系商人は数億ドルの資産を失った。2001年8月、チェルキーゾフ市場の部分閉鎖も7月の江前主席の訪露後に行われた。また、2003年5月にモスクワ・アイミラ市場の突然の取り締まりも胡錦濤主席が訪露した直後に行われた。

 「これらのタイミングの一致はもはや偶然とは言えない。ロシアは中国の主席から何らかの承諾や合意を得た後、大胆に動き出すのだろう」と米国在住の中国問題評論家・石臧山氏は指摘した。

 貨物船銃撃されるも軟弱な姿勢

 昨年2月13日にロシア沿岸警備隊が中国貨物船を銃撃し、船員8人が死亡した。密輸を疑われて出航許可を得られなかったにも係わらず、強引に出航しようとしたため、ロシア側は貨物船に対し500回以上を発砲した。中国側にとって「惨事」であるにも係わらず、当局は事件から6日経ったのち、ロシア側に対して事件の徹底調査を求めた。

 中国の軟弱な姿勢の裏には、事件直後の17日にロシアと石油開発条約の締結が控えていたことが関係している。「政権維持の安定に必要な石油のため、中国当局は8人の人命を軽んじた」と中国問題評論家の李天笑氏が批判した。当時の中国国内メディアは、「貨物船が発砲された」という事実を伝えず、「貨物船が遭難した」と表現をごまかし、国民に真実を伝えることはなかった。

 ロシアに領土譲渡

 1999年12月、当時の江沢民主席は中ロ辺境条約に署名して、中華民国から歴代共産党政権に至るまで拒み続けた中露間の不平等条約を承認した。これにより歴史上ロシアが占領した百万平方キロメートル以上の領土が正式にロシアに帰属することが決定した。この条約の締結について、いまだ多くの中国国民には知られていない。

(翻訳編集・張凛音)


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