林保華: 2008年五輪招致で呑んだ、北京当局の人権改善措置は一体どこへ?

2006/08/20 08:30
 【大紀元日本8月20日】2008年北京オリンピックまで、あと2年となった。最近、北京では様々な活動を行っているが、実際、その目的は北京オリンピックを宣伝しながら、その開催に名乗り政治腐敗の醜聞を覆い隠しているのである。

 北京当局が2001年に五輪を申請した際に、美辞麗句を並べ立てたことは記憶に新しい。多くの国と人々からの反対に遭ったため、北京政府はこれらの批判をかわすため、多くの条件を呑んだ。曰く、人権状況の改善、言論・報道の自由の保証、環境保護、等々である。5年後の現在、国際社会は当時の北京が承諾したことをどのぐらい実現したかどうか検討すべきである。しかし、現実的には我々が見ているのは、中国が承諾を実現していないだけではなくて、甚だしきに至っては当時の情況より更に酷いといえる。

 中国の人権状況からすると、当時、北京五輪招致委員会の屠銘徳氏はAFP通信に対して:私達人権問題に対して十分に関心を持つ。同時にその方面での多くの進展をした。もし北京の五輪招致が成功すれば、オリンピックは中国の対外開放過程においての触媒になり、同時に経済、社会の進歩と人権と福祉を促進すると述べている 。しかし、アメリカの民衆も「インターナショナル・ヘラルド・トリビュー紙」へ寄稿し、オリンピックを中国で開催させるならば、北京政府が間違いなく、より一層罪のない平民を残虐に対応することになるとの意見を出した。

 現在、事実が証明できたのは、北京が過去に比べては更に残虐になった。例えば、今年6月、盲人の人権活動家・陳光誠氏が捕まれた。2005年、定州と汕尾は大規模で悲惨な村民射殺事件が発生した。中国黒社会を大量に運用しての人権活動家と民衆への迫害は、北京の五輪招致成功後に発生した怪奇事件であるが、何度も目にして珍しくもなくなった。

 報道の自由についても北京政府は自ら承諾の意思を表示した。たとえば、モスクワで開かれた五輪招致活動(7月中旬)で中国代表からも、もし北京の五輪招致が成功するならば、外国記者は完全自由に中国で取材を行えるということについて保証した。

 しかし、青蔵鉄道の開通後、外国記者が取材を禁止されたこともある。これに関して、チベットは中国からまさか「完全な自由」をもっていないのではあるまいか。また、去年の6月、定州の射殺事件でBBC記者が取材に行った時、もう少しで誘拐されるところであった。なお、ニューヨーク・タイムズ記者・趙岩氏は2年間を経たが未だに拘禁されている。情報筋によると、彼が秘密に審判されたというのだが、しかし審判の結果については未だに分かっていない。シンガポールのストレーツ・タイムズの中国特派員・程翔氏は秘密に連行され、1年半を経過したにも関わらず、取り調べられていないという状況である。更に、中国人記者への迫害は、悲惨で数えきれぬほど多かった。2年前の師濤氏から、今年にかけて貴州の畢節日刊新聞の記者・李元竜氏や、中国の産経新聞記者・陽小青氏、福州日刊新聞の記者・李長青氏、最近の中国海洋新聞社の浙江記者・昝(ツァン)愛宗氏のマスコミ関係者を逮捕した。このような新聞雑誌の「整頓」や、ウェブサイトの封殺、ネット上の異議人士の逮捕はしばしばのことである。これまで捕えているのは、まさか中国政府が「人質」を積み重ね、 2008年になると「人質」を釈放していくのは、中国の人権状況と報道自由の改善を著しく現すつもりではないのだろうか。

 国際オリンピック委員会(IOC)の北京視察に対して、当時の北京市委会書記・賈慶林氏が市民の暖房に欠かせない石炭を燃やすことを禁止することにした。それはあくまでも北京の晴れ渡る日を造るための仮装だ。その後、北京は毎年、砂嵐に見舞われ、台湾、韓国、日本、米国の西海岸さえも免れることができない。夏の暴雨も常に北京交通の混乱を招いている。2008年の北京では、どんな事が発生するのかも知るすべもない。

 北京の五輪招致においては、中国人の情緒的なナショナリズムを扇動できるほかに、各級官吏もこの機会に便乗して「甘い汁」を吸えることになる。オリンピックの工事主管である元北京市副市長・劉志華氏が少し前に贈収賄事件で事情聴取された。北京の2008年工事本部の副指揮兼事務室主任・金焱氏も関連部門にその協力調査を行われた。もとは今年の7月で竣工するオリンピックの景塔プロジェクトの設計、測量などといった前段階の準備活動は現在、すべて停止することになった。劉志華氏は政治局常務委員兼全国政治協商会議主席・賈慶林氏の腹心である。賈慶林氏は頼昌星氏の密輸事件で高額なリベートを取った後、北京の五輪招致活動に携わっている期間、また汚職官吏を重用した。この期間に賈氏がもらった利益は莫大だといえる。

 北京の五輪招致の時に、多くの人は反対したが、同じく多くの人も賛成した。賛成に手を挙げた者はIOCの人達、政治屋ないし中国の民主運動の活動家も含めている。賛成の理由は中国の進歩を促進できるのだ。今、この情況では、どのようにしたらよいのであろうか?中国国内外の異議人士は、力を集中にして中共のオリンピックに対する得失を清算するべきである。それをもって、IOCに圧力をかけたり、各国のオリンピック委員会に中国の現状を訴えたり、共産党の嘘を暴いたりすることを通して、中国に自らの承諾を実現させるべきである。それによって、オリンピックに便乗した中共統治の合法性を支持しなくて済むだろう。

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