印刷版   

今年初めから、食品物価は21%上昇=上海の米穀店で(ChinaPhotos/GettyImages)

中国:高騰する物価、天安門事件の前兆を予想する専門家

 【大紀元日本4月22日】4月16日に公表された数字によると、今年第一四半期における中国の消費者物価指数(CPI)は、8%上昇した。今般の物価上昇のうち、食品価格の上げ幅が21%と最も深刻であった。中共当局は、インフレ抑制のために様々な措置を講じているが、ますます多くの事実が、これらの措置に効果がないことを示している。一部専門家の見解によると、このペースでの物価上昇は、中国動乱の前兆であるという。天安門で抗議事件が発生した1989年の1年前、中国のCPIは20.7%へと急上昇していた。これは、抗議が、当初の学生から、一般労働者、商店主に蔓延していった主な要因となった。

 驚異的な物価上昇

  カナダ紙「The Global and Mail」の報道(17日)によると、北京の建設ブームに応えるため、中国西部の貧困省から多くの移民労働者がやってきた。彼らは建設動労者となり、わずかな賃金に生活の糧を見出そうとした。その一人である柴彰義(Chai Chang yiの音訳)さんはいつも、最も安い所を探して食物を購入している。しかし、最近、物価の猛烈な上昇により、食物を買うことができる場所を見つけにくくなっていることに気付いた。

 彼は次のように語っている、「私の食費は、以前は毎月400元〜500元程度でしたが、今では700〜800元かかっています。以前、牛肉は一皿10元程度でしたが、今では18元かかっています」。

 中国の物価は驚異的なペースで上昇しており、食品価格の上昇は、労働者が不満を持つ主な要因となっている。労働者は、より多くの賃金を得るか、少なくとも、政府が措置を講じ、彼らが今般の危機を乗り切るための支援を行うことを望んでいる。

 中共当局が4月16日に公表した数字によると、今年第一四半期のCPIは8%の上昇であった。この数字から見て、中共が、当初定めたインフレの目標値4.8%を達成することは全く不可能である。

 今年3月、中国のCPIは、前年同期比で8.3%上昇した。これは、2月期の上昇率8.7%をわずかに下回るのみで、過去12年来の最高値に近い数字であった。また、今年第一四半期の物価上昇について、食品価格の上昇率は、21%と最も深刻であった。

 また、公表された数字によると、今年第一四半期における住宅価格の上昇率は6.6%で、生産者物価の上昇率は8%であった。このことから、食品価格の上昇が、決して中国経済に圧力をもたらす唯一の要因ではないことがわかる。

 専門家の予想によると、中共当局は、物価を抑制するために様々な努力を行っているが、中国の高度なインフレは数か月にわたって続くという。最近、アジアにおいて勃発した米価格の上昇は、中国の物価が高止まりしている要因の一つである。米の不足は、すでに広東省など中国南部の各省に影響を及ぼし始めている。

 中国の消費者マインド指数は、すでに18か月以来の最低値を記録している。その主な要因は、相次ぐ物価上昇に賃金が追いつかないことである。

 その衝撃を真っ先に受けているのがレストランである。インフレの影響が最も大きく、インフレ戦線の最前線に立たされる中で、大部分のレストランは経営困難、赤字の発生を実感している。マクドナルド、ケンタッキーなど最大のファーストフード・チェーンも、最近になって、やむを得ず値上げを実施した。

 高度のインフレは中国動乱の前兆か

  英・タイムズ紙(16日)の報道によると、食品価格の高騰と、冬の異常な大雪は、中国経済の高速成長にピリオドを打ち、中国社会を、オリンピックを前にした不安定な苦境に陥れているという。中共当局はこれを恐れており、オリンピックの力を借りて自己のイメージを高めようとした当初の手法が逆効果になることを懸念している。

  中共当局は、インフレ抑制のために様々な措置を講じているが、ますます多くの事実が、これらの措置に効果がないことを示している。3月期のCPIは、前年同期比で8.3%の上昇となり、過去12年来の最高値を記録したといえ、また、中共が今年定めたインフレ目標値4.8%を遥かに上回っている。最近の数十年間において、高度なインフレは、街頭での抗議や、他の動乱の火種となってきた。

  現在のインフレ圧力の主な要因は、食用油、小麦、米、豚肉その他肉類の価格上昇である。中国CPIに占める食品の割合は非常に大きく、今年年初以来、食品価格が21%上昇したことによってもたらされる効果は明らかである。

 米国・タイム誌の報道(17日)によると、北京市で暮らす主婦の王さん(67歳)は、最近、痛ましい選択を迫られている。王さんは現在、糖尿病による慢性の背中の痛みを抑えるために痛み止めの薬を飲んでいる。しかし、中国における食物価格の高騰により、背中の痛みと飢餓の痛みとの間での選択を迫られている。彼女は次のように語っている、「私は、痛み止めの服用を止めて、お金を節約して肉を買うことを選びました。これから、私は、痛みの中で生活することになります」。

 王さんは、北京のバス製造工場の退職者であり、普段は、夫、息子、娘婿と孫娘の食事の面倒を見ている。彼女は次のように語っている、「以前、私は食事に毎月約1000元をかけていましたが、今では2倍のお金がかかっています」。

 1年のうちに、豚肉価格は60%以上上昇しており、牛肉、羊肉の上げ幅もこれとさほど変わらない。また、物価の上昇は、肉類に止まらない。北京最大の食品卸売市場である新発地農産品卸売市場では、ケールの価格が、2か月で50%上昇した。

 一般人は、物価上昇を通じて利益を得る者に対して不満を持っている。楊志軍(Yang Zhi jun)は、牛肉、羊肉の屋台を経営している。彼によると、昨年から今年にかけて、コストが50%上昇しているという。彼はタバコを吸い、地面を見つめながら、次のような不満をもらした、「私は以前、1日に300元を稼ぐことができましたが、今の稼ぎは50元にしかなりません。この状態が続けば、私たちは街頭に出て物価上昇に抗議するでしょう」。

 かりに、物価上昇に対して民衆が街頭で抗議を行う場合、これが中国初のケースとはならない。1989年に天安門で抗議事件が発生する1年前、中国のCPIは20.7%に急上昇した。当局の深刻な腐敗に加え、インフレは抗議の主な動機の一つであり、抗議が、当初の学生から、一般労働者、商店主に蔓延していった主な要因となった。

 
(翻訳・飛燕)


(08/04/22 11:24)



■関連文章
  • 煮るとカスになる偽牛肉押収=中国江蘇省(08/02/04)
  • 中国:物価高騰に対処、50万トンの食糧備蓄を放出(07/12/15)
  • 米「ヒューマン・ライツ世界組織」、中国の人権侵害でヤフー訴える(写真)(07/08/31)
  • 日本・東北大学の地下中共党支部(07/07/02)
  • 六四天安門事件、1人だけの責任ではない=故・ケ小平の長女(写真)(07/06/26)
  • 米下院議長、天安門事件の犠牲者に敬意を表す(写真)(07/06/07)
  • 香港:「天安門事件」18周年追悼集会、5万5千人が参加(写真)(07/06/05)
  • 袁紅氷・教授、「6・4天安門事件」を分析、「中国共産党は必ず歴史の大審判を受ける」(写真)(07/06/04)
  • 米国務省:天安門事件18周年に向けて声明、北京五輪と人権問題に言及(写真)(07/06/03)
  • 六四天安門被害者遺族ら、事件の真相公開を要求(07/03/11)
  • 「六四詩集」編集委員会、安徽省の出版差し止め処分に憤慨(07/02/01)
  • 反右派闘争運動被害者ら、中共当局へ賠償「名誉回復」要求(07/01/31)
  • 中共強硬派・薄一波氏が死去(07/01/17)
  • 中国人女性ジャーナリスト・高瑜氏、米国で「勇気賞」受賞(写真)(06/11/11)
  • 江西省僧侶強制退去事件:経緯を語る僧侶、中共の宗教弾圧を告発、「中国の自由・民主実現(06/08/31)