中国レアアース輸出、10月は前月比37.4%減 3年ぶり低水準

2018/11/09
更新: 2018/11/09

[北京 8日 ロイター] – 中国のレアアース(希土類)輸出が10月に前月比で37.4減少し、2015年9月以来約3年ぶりの低水準に落ち込んだことが、中国税関総署が8日公表した統計とリフィニティブ・アイコンのデータで明らかになった。

税関総署によると、レアアース輸出量は10月に3100トンとなった。リフィニティブ・アイコンのデータによると、前年同月からは10.6%減少し、15年9月の3033トン以来の低水準となった。レアアースは電気自動車(EV)や電気製品に使われている。

米調査会社アダマス・インテリジェンスの幹部、ライアン・カスティル氏は「中国のレアアース輸出は変動しやすく循環的で、10月は例年、市場全体が鈍る時期だ」と指摘。

中国の工業情報省は前月、2018年下期のレアアース生産枠を低く抑えたのは、上期の生産枠が例年よりも高水準だったからだと説明している。

中国にとって主要な輸出相手国である米国は7月、貿易摩擦が激化するなか、中国から輸入するレアアースに関税を課す可能性について警告したが、最終的な対象品目リストからは除外した。

カスティル氏は、中国のレアアース輸出は年初から3%増えており、年末までにさらに増える見込みだと語った。

中国税関総署によると、1─10月のレアアース輸出は前年比2.7%増の4万3080トンだった。

カスティル氏は「10月の輸出は何年かぶりの低水準だったが、今年の2月、6月、9月は最高水準となっているため、10月の落ち込みを相殺することになる」と分析。12月については、5500─6000トン程度まで増えて過去最高を記録すると予想した。

Reuters
関連特集: 国際