THE EPOCH TIMES

【党文化の解体】第3章(19)

2009年09月16日 13時10分
 【大紀元日本9月16日】

3.邪党の文化人を利用して悪党を賛美する
3)中国共産党による文学を利用した党文化注入の特徴


 党文化は中国文化に憑依した憑物文化である。中国共産党は伝統や民間文化の様式と要素を巧みに利用して、その目的である宣伝効果のアップを達成する。

(1)あらゆる民族文化様式の盗用

 人類の文化に対する中国共産党の態度は一貫して、己に役立ち、統治に有利と見れば何でも利用し、そのための労を惜しまないというものである。文学においては、古体の詩と詞をはじめ、白話詩、各種の民謡、中短編小説、長編小説、章回体の小説(章や回を追ってつづく長篇小説)、散文、新劇、伝統的な演劇など、全てに党文化の内容が盛り込まれ、いわゆる「伝統的様式に斬新的内容」とか、「民族的様式に社会主義的内容」という聞こえのよい呼び方がつけられた。

 もちろん、このようにするのには理由がある。人間の審美心理には一定の安定性がある。長期間の積み重ねによって形成された審美基準は簡単には変えられないので、党文化を新たな様式で提示するよりも、人々が持つ審美基準にこっそり党文化の内容を挟み込ませる方がよい。このような、党文化の内容を盛り込まれた民族の様式に対して人々は親近感、あるいは新鮮味を覚えるので、中国共産党の宣伝効果が最大限に上がる。人々は詩や詞を吟詠したり、俗謡を歌ったり、小説を読んだり、新劇を見たりする時に、知らず知らずのうちに党文化の虜となってしまうのである。

(2)文学的技法の巧みな利用

 「党」は文化の対義語、つまり「武力で教化」、「粗野粗暴で教化」、「文徳による教化に反対する」ことに等しい。しかし「党」は文化の利用に長けており、文化を利用して文徳による教化に反する行為を行うのである。

 中国共産党の御用文学者は、党文学の宣伝効果をさらに高めるために、確かに苦心を重ねてきた。修辞なき描写、伏線、思い遣り、ギャグ、呼応、波瀾、心理描写、典型的な性格、個性的な話法など、東西の古典文学で確立された技法が全て使われている。

 中国共産党の文芸はその「普及」を重視し、しかもその対象は主に文化レベルが高くない工場労働者や農民であるため、制作された文学作品のレベルは高が知れているにもかかわらず、目的とする党文化の注入においてかなりの成功を収めた。

(3)禁書による文化への渇望の強化

 ひもじい人にとっては、どんな食べ物でも全て美味しい珍味となる。御用文学者達が制作した文学はハイレベルな世界の著名文学にかなわないということを、中国共産党は知っている。嫉妬深い醜女は自分が美しくなれないならば、美しい白雪姫を殺すほかはないと画策する。中国共産党は政権樹立後、計画的に書物を焼却し、禁書政策を実施した。文革中、美に関するもの全てに対して「ブルジョアジー」のレッテルが貼られたため、中国人の文化への渇望は極限に達した。耐え難い飢餓の中で人々はどうしても後の大害を顧みることができなくなり、その虚をついて党文学は浸透していった。

(4)反復による中毒の強化

 人間は必ずしも酒で生きているわけではない。酒を飲まない人にとっては、酒の味は決して口に合わない。しかし、酒こそ我が命とまで思う人がいるのは何故だろうか。それはつまり中毒である。ある文化の中で長期間浸かると、人々にはある種の期待心理が形成される。ある作品がこのような期待を満足させると、ちょうど痒いところを掻くように人に満足感を覚えさせる。いわゆる美感とは多くの場合、中毒的な満足感であると言える。この点さえ理解できれば、美感はある時には理性的なものではなく人為的に造り出され得るものであり、しかも人の審美心理も他人に制御され利用され得るものであることを理解するのも難しいことではなかろう。

 中国共産党もこの点を利用している。「党」の教条がスローガン、歌、絵、比喩、イメージに盛り込まれ、しかも様々な方法で繰り返し強化されるため、ぎこちなくも中国人の心理に変異した「美感」を造り出させる。「山大王の詩」と呼ばれている「毛(沢東)の詩と詞」、粗野で下品な「毛の文体」や横暴を極める「毛体の書道」が繰り返され、模倣され、崇拝されることによって、それらが20世紀の中国芸術の最高峰だと思っている人さえいる。今日、いわゆる「赤の経典」はまだ中国でまかり通っているが、これはつまり中国共産党が長期にわたって培ってきた、邪悪な文芸に対する民衆の依存心が未だに失われていないことを表している。

(続く)
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