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被災者の脳機能の異常変化 MRIで確認

 【大紀元日本9月13日】

 昨年5月に起きた四川大地震の被災者を対象に、核磁気共鳴画像法(MRI)を用いて脳機能の変化を観察していたところ、被災後10日間ぐらいから、脳機能の異常変化が起き始めることがわかった。この研究結果が、被災者への迅速な心のケアの重要性を示唆している、と研究者らが指摘している。

 この研究は、中国の四川大学華西病院、ロンドン王立学院、米国イリノイ大学の研究者らによる共同で行なわれたもので、研究報告は『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)の最新号に発表された。研究を率いた四川大学華西病院の研究者によると、今回の研究で始めて、核磁気共鳴画像法(MRI)を用いて、震災生存者の脳の変化について調べた。その結果、震災後25日間以内に、情緒と記憶をつかさどる部分の大脳にすでに異変が起きていることがわかった。

 このような脳機能の変化は、通常、慢性統合失調症の患者に見られるもので、被災後の人に短期間でこのような変化が現れたのは初めて確認された、と研究に参加したロンドン王立学院のAndrea Mechelli氏が語った。

 研究に協力した44人の被災者は、20歳から60歳までの身体健康者。彼らが震災中、家屋の倒壊、親族の死傷を経験している。今回の研究成果が、災害後遺症のメカニズムの究明、さらに、適確な心理治療につながると期待が寄せられている。

 Mechelli氏は「生存者たちは健康そうに見えるが、実は精神疾患の危険を抱えている。脳機能だけではなく、脳の構造にまで変化が起きる恐れもある」と指摘した。

 被災後、多くの人に焦りや憂うつ、さらに、PTSD(外傷後ストレス障害)症状が見られた。四川大学華西病院の龔啓勇(コウ・チーユー)教授によると、震災生存者の20%の人がPTSDにかかる危険性があり、社会活動に支障をもたらすだけでなく、一部の人に自殺傾向まで見られているという。

 龔教授とMeccelli氏は、被災者への迅速な心のケアの重要性を指摘した。今回の研究成果が臨床に応用されれば、脳機能に変化が起きた被災者の早期発見、早期治療が可能になり、慢性的な精神疾患にならないように防ぎ、さらに脳機能を回復させることにも期待されている。

(翻訳編集・張心明)


 (09/09/13 05:00)  





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