闇の臓器ビジネス

中国武漢の大学生30人以上失踪事件に奇妙な共通点 臓器ビジネスに狙われた可能性も

2017年10月08日 17時39分

 住む場所も違い、互いに何の接点もない30人以上もの大学生が、武漢で相次いで失踪。中国でこんな不可解な事件が起きていたことが明らかになった。だが中国当局はこれを否定し、警察当局は捜索願すら受理しない。失踪した若者たちにはある共通点があった。「闇の臓器売買ビジネスの被害者になったのではないか」との憶測が浮上した。

 9月27日、「考えると恐ろしくなる!30人以上の大学生が武漢で謎の失踪」という文章が中国のインターネットに掲載された。そこには2011年から武漢市で32人の大学生が立て続けに失踪しているとあり、行方不明者の氏名、年齢、身長、失踪した日、当時の状況、そして家族の連絡先などが詳細に記されていた。失踪者の家族は子どもの手がかりをつかむため、これらの情報を公開したとしている。

 だが早くも翌日に、転載されたものも含めてこの文章は当局から削除され、国営メディア新華網の記事は「全くのデマ」と事件を全面否定した。同時に、記事を作成した同市在住の人物は拘束された。

 その後、江西省九江市在住の葉さんは「武漢の大学生はなぜ蒸発したのか」との記事をインターネットに投稿したが、警察当局「(評論文を)世間に大きく広め、非常に悪い影響を与えた」と記事の削除を迫られた。

 多くの失踪者家族が「取材を受けるな」と当局に警告され、口を噤んでいるが、500日以上自力で息子を探し続けてきた林少卿さんは、取材に応じてくれた数少ない一人である。

 林少卿さんは大紀元の取材に対し、ネットに掲載された内容はすべて真実だと証言している。この事件は捏造でもなくデマでもないと証明できると語っている。

 「国営メディアはでっちあげの話だと報じましたが、理解しがたい話です。(失踪した息子らを)探しもせず、私たちの邪魔をするのですから。常識的に考えてもおかしい」

 同じく息子が行方不明になったという周さんも大紀元の取材に応じ、失踪者名簿に書かれていたことは全て事実で、行方不明者の家族とも頻繁に連絡を取り合っている。周さんの息子の曹興さん(24)は2014年2月14日に武漢大学の近くで行方が分からなくなった。

謎だらけの息子の失踪

 林少卿さんによると、息子の林飛陽さん(当時20歳)は15年8月末からロシアのモスクワ大学に留学していた。同年11月24日、飛陽さんは少卿さんに電話をかけたがつながらず、母親にかけると「お父さんは大丈夫?連行されたりしていない?」と父親の安否を強く気にかける言葉を口にしたという。そして「世間には悪人がたくさんいるから、お父さんもお母さんも安全にはくれぐれも注意してほしい」と言ったのを最後に連絡が取れなくなった。

 息子と連絡が取れないことが分かると、林少卿さんはすぐに河南省洛陽市からモスクワに飛んだ。大学に問い合わせると、半月以上も前から飛陽さんの姿が見えなくなっているという。現地の警察に捜査を依頼したところ、飛陽さんは11月26日に武漢行きの飛行機に乗ったことが分かった。少卿さんが急いで武漢の天河国際空港に駆け付け、空港監視カメラにリュックサックを背負った飛陽さんが空港ロビーを歩いて行く姿が映っていた。

 それから少卿さんは四方八方息子を探し回った。飛陽さんが乗ったタクシーの運転手を探し出すと、飛陽さんは武漢市委党校(党校:中国共産党の高級幹部養成機関)に向かったことが分かった。少卿さんが党校近くの監視カメラを確認したところ、飛陽さんが黒い服に着替えて党校から出てきたのが映っていた。

 政府当局が武漢には100万の監視カメラを設置しいるが、監視映像の録画を閲覧するには、警察からの事件として立案した証明書が必要。

 少卿さんは、「警察に言っても、事件として扱えないという。しかも、調査する必要さえないと言い切られた」という。

 少卿さんの息子探しの長い道のりが、この時から始まった。

 少卿さんは自家用車を宣伝カーに改造して、息子探しの音声を流しながら中国各地を尋ね回った。その距離約4万キロ。情報提供者から電話を受けるとすぐに現地にかけつけた。懸賞金も10万元(約170万円)から50万元(約850万円)に増やした。息子を取り戻すため、深圳での仕事もやめて預金を切り崩しながら「必ず探し出す」と心に誓ってがむしゃらに走り続けてきた。

 だがその努力が実を結ぶことはなく、どのように手を尽くしても、息子のその後の足取りはつかめていない。

 少卿さんは息子を探し続けたこの2年間で、自分と同じような家族が他にもたくさんいることを知った。しかも彼らの子どもたちもすべて、武漢で足取りが途絶えており、大学生だったという点も共通している。これを知った時、少卿さんは驚きを禁じ得なかった。他の失踪大学生の情報も集め続け、他の家族と連絡を取り、情報交換し励まし合いながらここまでやってきた。

 家族らは、失踪事件の多くに何らかの糸口が見つかっているが、個人でやれることには限界がある。警察が積極的に動いてくれさえすれば見つけ出せるはずだと口をそろえる。根本的な問題は、当局が動かないことだ。

 「(中国滞在中の)日本人の自転車が失くなれば探してあげる。ドイツ人のカバンが失くなれば探してあげる。失踪した中国人の子供も探してくださいよ」と家族らが必死に訴えている。

臓器売買との関連性が濃厚

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