中国共産党を擁護した豪労働党幹部、党内重役を辞任

2017年12月05日 17時22分

 オーストラリアの野党労働党のサム・ダスティアリ上院議員は、南シナ海領有権問題に関する党の公式見解と違う談話を発表したことで、中国共産党の代弁者と批判され、党の重役を辞任することになった。

 ダスティアリ議員は11月30日、労働党の上院副議長・委員会主席を辞任した。

 豪メディア大手のフェアファクスは29日、同議員が昨年の記者会見で南シナ海問題に関する談話の録音を公開した。そのなか、ダスティアリ議員は、オーストラリアは「この数千年の歴史問題」にかかわるべきではないと発言し、中国政府の南シナ海の領有権主張を事実上支持したとされている。

 同議員は、記者団の質問に答えたまで、その場限りのコメントに過ぎないと釈明したが、これまでも南シナ海問題が中国の内政問題だと述べるなど、政府と所属する労働党の公式見解にかい離する発言を繰り返してきた。同氏は、中国政府の代弁者と非難されている。

 労働党は、フィリピンが起こした裁判で「中国の一部の南シナ海領有権主張に法的根拠がない」というオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判断を支持している。

 今回の報道を受け、ビル・ショーテン党首は、ダスティアリ議員は党の立場を誤って認識しているとして、党内役職の辞任を求めた。

 ダスティアリ議員と中国政府の関係が2014年ごろから取沙汰されている。中国政府と不透明なつながりをもつ中国資本の企業や在豪中国人実業家から、巨額政治献金を受けたことで、昨年に議員を辞職したが、その後再当選して政界に復帰した。今年2月に党の上院副議長に任命された。

  豪州メディアは近年、中国共産党に近い企業や中国系市民が政治家への巨額献金を通して、政治介入している実態を報道してきた。同国内で、中国による内政干渉への警戒が高まっており、ターンブル首相が対応策としてスパイ法の見直しを表明した。

(翻訳編集・叶清)

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