THE EPOCH TIMES
5000人来島の大型クルーズ船誘致

世界遺産登録の見送り、奄美住民「よかった」多すぎる観光客に懸念

2018年05月18日 21時00分

「2020年までに訪日客4000万人」を掲げる日本政府は、外国人観光客を歓迎する姿勢を示す。沖縄・奄美群島はこのたび、ユネスコ世界遺産の登録が見送られたが、政府はユネスコから指摘された問題点を受けて、自然保護、観光計画の改善へと動いている。外務省が発表した2018年度の年次外交青書でも「地方の魅力を発信すべく多くの外国人観光客、対内投資などの誘致に取り組む」と明記した。

いっぽう、人々の暮らしと観光業には、相性の悪い点が多々ある。たとえば、ユネスコ世界自然遺産に登録(2007年)された景勝地であり、リゾートアイランド化した韓国済州島の住民は、増えすぎた中国人観光客に悩まされている。

参考:野心的な中国クルーズ観光 世界大手ロイヤルカリビアン国際の副社長は中国人

韓国英字紙コリア・タイムス2018年1月4日付は、済州島の状況を報じた。島の人口66万人に対して国内外で年間1500万人もの観光客が訪れる。現在は、外国人観光客のうち8割以上が中国人。済州島は数十年にわたり、韓国の観光拠点として高級ホテルやリゾート施設が開発されてきた。

しかし、離島の設備維持には本土と比較して数倍の費用がかかり、大量のゴミの処理、騒音、交通渋滞は常態化した。地下水の枯渇で、生活用水が維持できない危機に陥ると危惧されている。

上海の東500キロに位置し、「韓国のハワイ」と例えられる済州島。中国人観光客の増加を受けて、韓国政府は2015年、済州島内に第2の国際空港を建設する計画を打ち出し、2035年には現在の3倍の訪問客4500万人を目標に掲げた。

中国人のリゾート不動産購入も多く、2016年は前年比7%増と韓国内で最大の上げ幅を記録。2017年3月在韓米軍のミサイル防衛システム(THAAD)による中国側の韓国旅行規制で、一時は冷え込んだが、中国人富豪で投資家のYang Zhihui氏は、18億ドルを投じて済州島に建設した複合リゾート施設「神話リゾート」を2017年4月にオープンさせた。2018年2月には新たに外国人向け大型カジノ施設を開いた。

神話リゾートは、ホテル4つ、ショッピングモール、40のレストランなど構え、東京ディズニーランドの5倍の面積を有する。運営会社はYang氏がCEOを務める中国不動産会社ランディング・インターナショナル・デベロップメント・リミテッド(Landing International Development Limited)。

中国人に人気の高いリゾート島、韓国済州島に、2018年2月にオープンした大型カジノ施設「神話ワールド」運営会社は中国不動産会社ランディング・インターナショナル・デベロップメント・リミテッド(Landing International Development Limited)CEOは投資家でもあるYang Zhihui氏。既存の神話リゾートが、アミューズメントゾーンを拡大させた(イメージ図、神話ワールド)

現地住民は数年前から、島の生活や環境維持の能力をオーバーした大量の観光客受け入れは困難だとして、反対運動を起こしている。「すでに外から来た人々に島の環境はひどく汚され、元通りにはならないレベルだ。住民はどこにでもあふれる大勢の訪問客と騒音、ゴミにより、大変なストレスを抱えている」と、反対運動を行う団体の代表カン・ウォンボ氏はコリア・タイムスに語っている。

THAAD配備で中国共産党政府が中国人の韓国観光ツアーを一時全面停止させたため、来島客は激減。カン代表によると、このアクシデントを島民は「歓迎していた」という。

済州島の観光経済はどうなっているのか。実は「中国人による中国人のための中国式ビジネス」が現地で展開されているという。中国英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、済州島を訪問する中国人観光客は中国旅行代理店のツアーを利用し、中国資本のレストラン、小売店舗に誘われている。

飲食店を営む島住民は「まるで島民は、世界の主要なホテルチェーンなど外国資本により、島の観光ビジネスから締め出されているかのようだ」と不満を述べた。

ユネスコ世界遺産登録見送り 奄美大島の住民「よかった」と安堵

参考:日本の離島と中国クルーズ観光 奄美35人集落に中国人5000人?大型クルーズ船誘致計画、国が検討

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