2006年度報道の自由ランキング:中国、最下位から6番目に後退

2006年10月24日 10時32分
 【大紀元日本10月24日】報道の自由とジャーナリストの人権保護を監視する国際組織「国境なき記者団」(RSF=本部・パリ)が発表した2006年『世界報道自由ランキング』によると、中国は、昨年の160位からさらに後退し、最下位から6番目の163位であることがわかった。RSFは、中国におけるメディア発信の増加と攻勢の一方で、国営通信社の新華社を通して、罰則の強化、ウエブサイト閉鎖など、中国共産党の専制維持のための検閲が強化されてる実態に懸念を示している。

 RSFは毎年、世界各国の報道の自由を、ジャーナリストへの脅迫や暴行、監禁、殺害、また、報道機関への検閲や出版物の没収など50項目にわたり調査し、その結果を公表している。今回は昨年9月から今年9月までの期間について、168カ国を調査対象とした。報道自由が最も深刻なのは北朝鮮、その次はエクアドル、トルクメニスタン、キューバ、ビルマ(ミャンマー)と続き、中国は6番目。

 米国で発行されている中国語誌「北京の春」総編集長・胡平氏は、国境なき記者団の評価は概ね事実と合致していると評し、「状況はさらに悪化している。高智晟氏や、郭飛雄氏、陳光誠氏などが相次ぎ逮捕されている。基本は言論の自由の問題。独立作家などへの弾圧も強化され、ネットサイトの強制閉鎖も強化され、『世紀中国』のような学術的なサイトも恣意的な強制閉鎖を受けるほどである。このような人権弁護士や、独立作家などへの監禁や迫害から、事態が深刻化していることは明らかである」と述べた。また、胡平氏は、「中国の政府メディアはここ数年、著名人や文化人への取材・報道を制限し始めている」と指摘した。

 RSFのホームページでは、全世界で監禁されているジャーナリストと作家の人数を公表している、そのうち、中国の監禁者数は群を抜いており、特に、インターネットの反体制的な発言者の監禁では、全世界61人のうち52人と中国が大半を占めている。

 過去数年間、ベトナムと中国の評価は同程度だった。今回の調査では、ベトナムへの評価が好転、中国問題の専門家は、同国共産党内部に民主化の動きが現れはじめたと分析している。

 今回のランキングでは、発展途上国の状況改善を指摘し、「貧しい国でも報道の自由を監視できる」と評価する一方で、米国やフランス、日本の後退に懸念を示した。

 米国は昨年の49位から53位に後退。AFP通信は、米国は2002年の17位から後退し続けていることについて、反テロ戦争を巡りブッシュ政権とメディアの関係悪化が影響していると報じた。フランスは、メディア機関やジャーナリスト自宅の家宅捜査などをあげ、5ランク後退の35位。日本は、強まるナショナリズムと記者クラブ制度の排他性をあげ、民主制度の進歩を脅かしていると警告。今年7月に起きた日本経済新聞東京本社への火炎瓶投入事件や極右によるジャーナリストへの暴行事件を指摘し、14ランクも下げ51位となった。

 また、昨年ランキングの一位だったデンマークは、イスラムの風刺漫画事件で、19位に後退した。

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