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インタビュー:欧州勢は円安で日本株投資に慎重=インベスコ

 インベスコ投信投資顧問取締役運用統括の川上敦氏は、欧州投資家にとっての日本株はユーロなど欧州通貨に対して進行する円安でパフォーマンスが低下しており、投資姿勢が慎重になっていると指摘。円安が止まらない限り、日本株への投資活発化はすぐには難しいとみている。

 ただ、利上げについて参院選後の夏場に実施したあと年末にもう1度実施する可能性があると予想しており、内外金利差の縮小からいずれ緩やかな円高に転じるとみている。

 インタビューの要旨は以下の通り。

 ――ユーロが対円で史上最高値圏にあるが、欧州投資家の日本株に対するスタンスはどうか。

 「欧州投資家が日本株への投資を活発化させたのは2004年くらいからで、2005年には爆発的に増えた。日本経済がよくなり、為替が円高に向かうとみたからだが、現在は逆に円安に振れている。欧州勢としては日本の株価がそう上がらないのは我慢できても、為替でやられるのはつらいところだ。為替を含めると、2006年以降では日本株のパフォーマンスが主要先進国で最も悪い」

 「欧州投資家の間には日本株を売って様子をみようとする動きもみられる。顧客の解約に関しては、為替要因がかなり大きいようだ。海外投資家を訪問すると、必ず円安について聞かれる。円安が止まらないと日本への投資再開はすぐには難しいだろう。日本市場に欧州勢の資金が再び流入してくるのは円安のボトムを確認したあとになるとみている」

 ――為替の見通しと今後の欧州投資家の動向は

 「円安の背景は内外金利差。利上げの見通し次第だろう。今の市場予測は、参院選を通過したあと年内に1回というところだが、わたしは年内2回あってもおかしくないとみている。年後半には在庫調整の出口がみえて景気もより回復してくる。ボーナスは好調とみており消費にも波及するだろう。8─9月に利上げしたあと、11─12月にもう1回利上げがあってもおかしくない。こうした動きに伴う円キャリートレードの巻き戻しも含めて、為替は緩やかな円高になるだろう」

 「ユーロ高は今の水準がピークに近いとみている。170─180円などのユーロ高/円安はないだろう。対ドルでも、米国景気の減速を考えれば円安はせいぜい123円くらいまでだ」

 「円がこれ以上安くならないとの心証があれば、日本株には出遅れ感などから買いが入るだろう。円高は緩やかなほうが投資家は入りやすい。海外の株高をみていると、投資家のリスク許容度は上がっている。日本株を積み増していないだけに、アロケーション面では為替の影響などで日本株の比率が下がっている。円安がとまればアロケーション調整で買いが入ってくるだろう。欧州勢の間では、中期的な観点からの日本株のよさを理解しているケースは多く、投資家が動き始めれば資金流入は急速に進むだろう」

 ――日本株の今後の展望は

 「円ベースでみても、日本株の上昇は海外に比べて鈍い。企業サイドの業績見通しが保守的で、投資家の期待につながらないことが背景だ。企業としては、原材料価格の上昇を背景に製品価格への転嫁交渉のためには業績好調とはいいにくいことに加え、業績予想の下方修正はしたくないという心理も働いているのだろう。企業サイドの予想では1ケタ台前半の増益だが、わたしは10─15%の増益を見込んでいる。また、企業業績の良さに比べて個人所得への波及が乏しく、個人消費に波及しにくいことも、日本株の上値を重くしている」

 「ただ、企業の見通しが慎重なことについては海外勢の間にも認識が広がってきており、株価はそう下がらなくなった。日本株が上昇を強めるシグナルになるのは、小型株のボトムアウトだろう。海外勢の間には新興市場株を嫌う投資家もおり、情報開示についてやや過剰に疑問視されている。今が陰の極だ。日本株は今後、10─15%増益とみられる企業業績に連動する形で上昇すると予想している」

 ――為替の見通しと今後の欧州投資家の動向は

 「円安の背景は内外金利差。利上げの見通し次第だろう。今の市場予測は、参院選を通過したあと年内に1回というところだが、わたしは年内2回あってもおかしくないとみている。年後半には在庫調整の出口がみえて景気もより回復してくる。ボーナスは好調とみており消費にも波及するだろう。8─9月に利上げしたあと、11─12月にもう1回利上げがあってもおかしくない。こうした動きに伴う円キャリートレードの巻き戻しも含めて、為替は緩やかな円高になるだろう」

 「ユーロ高は今の水準がピークに近いとみている。170─180円などのユーロ高/円安はないだろう。対ドルでも、米国景気の減速を考えれば円安はせいぜい123円くらいまでだ」

 「円がこれ以上安くならないとの心証があれば、日本株には出遅れ感などから買いが入るだろう。円高は緩やかなほうが投資家は入りやすい。海外の株高をみていると、投資家のリスク許容度は上がっている。日本株を積み増していないだけに、アロケーション面では為替の影響などで日本株の比率が下がっている。円安がとまればアロケーション調整で買いが入ってくるだろう。欧州勢の間では、中期的な観点からの日本株のよさを理解しているケースは多く、投資家が動き始めれば資金流入は急速に進むだろう」

 ――日本株の今後の展望は

 「円ベースでみても、日本株の上昇は海外に比べて鈍い。企業サイドの業績見通しが保守的で、投資家の期待につながらないことが背景だ。企業としては、原材料価格の上昇を背景に製品価格への転嫁交渉のためには業績好調とはいいにくいことに加え、業績予想の下方修正はしたくないという心理も働いているのだろう。企業サイドの予想では1ケタ台前半の増益だが、わたしは10─15%の増益を見込んでいる。また、企業業績の良さに比べて個人所得への波及が乏しく、個人消費に波及しにくいことも、日本株の上値を重くしている」

 「ただ、企業の見通しが慎重なことについては海外勢の間にも認識が広がってきており、株価はそう下がらなくなった。日本株が上昇を強めるシグナルになるのは、小型株のボトムアウトだろう。海外勢の間には新興市場株を嫌う投資家もおり、情報開示についてやや過剰に疑問視されている。今が陰の極だ。日本株は今後、10─15%増益とみられる企業業績に連動する形で上昇すると予想している」

[東京 18日 ロイター]

 (07/05/18 21:20)  





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