「母なる大地が病んでいる」、中国経済誌が土壌汚染をレポート

2013年02月27日 02時00分
【大紀元日本2月27日】中国の大気汚染問題が世界で注目される中、「土壌汚染はそれ以上に深刻だ」と専門家は国民への健康被害を憂慮している。有力経済誌「新世紀週刊」1月号の記事は、甘粛省、内モンゴル自治区、貴州省などの各地を取材し、土壌汚染の深刻さを詳しく伝えた。

 母に例えられている大地。同記事は「母は今、病んでいる」と切り出した。

 中国環境保護省が2006年に発表した調査結果によると、全国農地総面積の10%強に当たる1.85億ムー(約1232万ヘクタール)の農地が汚染されている。同省は、「中国は世界で土壌汚染が最も深刻な国である」と指摘した。

 しかし、この数字は1990年代末に行われた調査の結果である。大半の専門家は、今の汚染状況は当時よりずっと進んでいるとみている。

 2006年7月、環境保護省と国土省は共同で「全国土壌汚染状況調査」をスタートさせた。初めての全国範囲の調査だが、6年が経った今、結果はいまだに公表されていない。

 土地資源省は今月、年間1200万トンの食糧が汚染されており、経済損失は約200億元(約3千億円)に上っていると発表した。市販されている米の30%は、鉛の含有量が安全基準を超えている。

 土壌の汚染は主に重金属、農薬、有機化合物によるものである。今の中国では、最も深刻なのはカドミウム、ヒ素、クロム、鉛などによる重金属汚染であり、その半数以上は工業廃棄物質として排出されている。

 21日、中国当局は初めて国民への健康被害を認め、環境汚染が原因でのがん発症率が高い「がん村」は、全国で247カ所あると発表した。専門家は、実際の数はこれよりもっと多いと指摘。

 英紙デイリー・テレグラフの記者は甘粛省白銀市近郊の村を現地取材した。この周辺地区は重金属に汚染されている地域だ。

 「長い間、足の痛みに悩まされている。いつ襲ってくるかまったく前兆がない。歩けないほど痛いのです」、60歳の村民・雷徳利さんは記者にこう語った。周辺には十数カ所の村があり、半数以上の村では、村民がこの謎の痛みに苦しんでいる。

 村の土壌と農作物からは高濃度の鉛、銅とカドミウムが検出されている。専門家は、住民の足の痛みは重金属中毒によるものだとの見解を示した。

 周辺地区では銅の貯蔵量が豊富で、1960年代から、採掘業者は有毒な廃水を農地かんがい用の川に大量に流していたという。

 「この川の水をかんがい用水として使用したら、植物はすぐに枯れてしまった」、60歳の村民・呉諄君さんは当時の状況を振り返った。

 もう一人の村民は、川周辺の草を食べた羊が、歯がポロポロと抜けたと話した。

 「黒ずむ川水を舐めてみたら、舌が痺れて、話せなくなった」という人もいた。「政府は、しっかりと汚染の責任を追及して村民に補償金を支給すると話したけど、いまだに我々は一銭ももらっていない」

 同記事は最後に「これらの汚染事例は、中国では氷山の一角に過ぎない」と締めくくった。

(翻訳編集・叶子)


 

 

 

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