中国の政経癒着

万達トップも対象か 習近平政権、政商に反腐敗のメス

2017年09月07日 07時00分

 習近平政権の腐敗取り締まりの対象は、権力と癒着する企業家、いわゆる政商にも広がっている。中国一の大富豪・王健林氏も例外ではない。王氏が率いる複合企業・大連万達集団(ワンダ・ グループ)はここ数カ月間で、約8割の国内産業を売却し、経営の主体である不動産から完全撤退せざるを得ないほど、追い込まれている。かつて「打倒ディズニー」と豪語した敏腕経営者は、今やすっかり勢いを失った。

 家族経営の零細企業から世界有数のコングロマリットに飛躍したワンダ・ グループ。創業者の王健林会長は米経済誌「フォーブス」2015年の中国の長者番付トップとなり、資産は約300億ドル(約3.62兆円)とされる。その成功の裏には、政治権力との癒着があると言われている。

 米ニューヨークタイムズは2015年4月、「万達帝国の王健林、ビジネスと権力階級を意のままに操る」と題する記事で、王氏は共産党高層に人脈を広げ、利権関係を築いたと報じた。記事では、重慶市元共産党トップの薄熙来(汚職などで無期懲役服役中)、政権から退いた賈慶林・元中央政治局委員、王兆国・元中央政治局委員の名が挙がった。

多額の銀行融資を受けていたワンダ・グループ

習近平政権の反腐敗キャンペーン、
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 中国では、党高官や政府上層部に人脈がなければ、意のままに資金調達するのは不可能だ。ワンダ・ グループは中国建設銀行など複数の国有銀行から潤沢な融資を受けて、あらゆる分野に参入した。

 2012年から、ワンダ・グループはレバレッジによる海外企業の買収を積極的に仕掛けており、現時点で海外の映画館やスポーツ関連企業の買収・合併(M&A)に約2500億元を投じているとされる。官製メディアは最近、海外投資の資金は銀行の借り入れだと報じ、同社が資金の海外流失を招いていると批判した。

 銀行は資金の回収ができなければ、多額の不良債権を抱えることになる。こうした積極的な海外企業の買収によって、国内の金融リスクが高まっていく。 

 加えて、中国の外貨準備高は、3年も経たないうちに約4兆米ドル(約440兆円)近くから約3兆米ドル(約330兆円)と、1兆米ドル(約110兆円)も減少した。政府はデレバレッジ(債務削減)に躍起になっている。

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