翼の折れた鳳凰

収容所で薬物注射、暴行、精神喪失…エリート学生が非業の死を遂げるまで

2017年09月21日 15時00分

 2015年2月、山東省菜陽子市のある農村の井戸で、女性の遺体が浮いているのを住民が発見した。小太りで、下半身は長年の殴打で黒く変色した中年女性。冬にも関わらず、薄着だった。彼女は、かつて「カラスの巣に生まれた金色の鳳凰」と例えられ、農家出身でありながら、北京の清華大学に進学した才女、柳志梅さん(35)だった。

 脳機能の障害を起こしていた志梅さんは、遺体が発見される数日前から行方不明となっていた。家族が遺体を確認し、身元が判明した。女性公安当局は他殺か自殺か、詳細を明かしていない。

 逆に、明かさないのが当然かもしれない。共産党当局は、弾圧政策を敷き7年もの間、法輪功学習者だった志梅さんを収監し、看守は暴行や大量の薬物を注射し、他の囚人を暴行するよう強要するなど、「翼が折れるまで」心身を壊した。

 国を代表するエリート学生だった彼女に無残な弾圧を加えたのは、90年代、中国共産党の党員数を上回るほど大流行した法輪功に対して、徹底した弾圧で悪評を広め、国民を恐怖でコントロールするための「見せしめ」だったとの見方がある。

 (記事中の写真にはショッキングなものがあります)

翼の折れた金色の鳳凰

清華大学在籍時の柳志梅さん
(明慧ネット)
 

 1997年、志梅さんは高考(全国共通の大学入試)で山東省トップの成績を納め、翌年に清華大学化学工程学科に入学した。同じく清華大学の学生だった劉文宇さんは、志梅さんについて「とても純粋な女性で、頭が良く顔立ちも美しかった」と述べた。同級生だった李艶芳さんは「とにかく芯が強く、聡明な女性。法輪功の修煉は間違っていない、と話していた」という。

 中国で科学研究の最高峰である清華大学にも、1998年当時、法輪功を学ぶ若者たちがいた。宇宙や生命の神秘、物質と精神の関連性など、学生たちはあらゆる疑問への回答を、心身の修煉から見出していた。毎朝、キャンパス内には気功動作をする学生や教員の姿があった、と海外へ渡った卒業生らが大紀元に明かしている。

 自己研鑽に励む若者たちの輝かしいキャンパスライフは、やがて、中国共産党による紅い手により引き裂かれていく。1999年7月、当時の江沢民主席は、法輪功を、党のコントロール外の「敵対勢力」と見なして弾圧を決定。マスメディアやインターネットを検閲・統制し、法輪功について罵声と中傷を続け、国民の心からこの信仰を撤去しようとした。

 中国当局により、インターネット情報統制は厳しく敷かれているが、機密の情報ルートを通じて、大陸の迫害情報は明慧ネットに公開された。このサイトに寄せられた情報によると、少なくとも法輪功を学んでいた清華大学の学生32人が逮捕、投獄され、いずれも拷問を受けた。志梅さんはその中の一人で、山東女子刑務所に7年間収容された。

 同ネットによれば、志梅さんは収監中、精神疾患患者用の薬物を、毎日3種類、注射されていた。「クロザピン、スルピリド、バルプロ酸ナトリウムなどで、注射後に酷くのどが渇き、頭が重く、視覚がもうろうとして、幻覚が見える。大小便が出ない」と、志梅さんは刑務所の他の収監者に話していた。

廃人となって出所

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