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神韻芸術団公演の閉幕の一場面(撮影=戴兵/大紀元)

カンフー・パンダと神韻公演

作者:章天亮

 【大紀元日本1月19日】ハリウッドのアニメーション映画「カンフー・パンダ」が昨年6月に公開されて以来、世界中で中国ブームが巻き起こっている。一度観た人は、中国風味たっぷりの音楽や山水、建物、カンフーの立ち回りとお笑いなどを思い出すと、きっとまた笑ってしまうことだろう。中でも最も意外だったのは、パンダが得た最高のカンフーの秘訣が、父親から伝授された麺作りの秘訣と同じく「無」だったことではなかろうか。

 
映画のスチール写真(ネットより)

禅宗の中に「香厳撃竹」(こうげん-げきちく。香厳、竹を撃つ)という有名な話がある。香厳は六祖慧能(えのう)の第4代弟子で、出家した時はちょうど唐代中期だった。香厳は一心に佛法の奥義を求めたが、彼の師の百丈禅師もそれを分からせることはできなかった。

 その後、香厳はあちこちを行脚し、人に会うたびに「佛法の奥義とは何か」と尋ねた。ある日、彼はすたれた寺にやってきた。夜、御飯を作るために、地面の石ころを後ろに放り投げてカマドを造ろうとした。彼は石を捨てながらも「佛法の奥義とは何か」と考えていた。そのとき、思わず「ポーン」という音がした。投げた石ころが竹に当たったのだ。その瞬間、香厳は悟りを開き、佛法の奥義が分かったという。

 「香厳撃竹」の話はここで終わっており、多くの人は、香厳がいったい何を悟ったのか分からないだろう。禅宗の弟子の解釈もまちまちで、大部分は要領を得ていないように思われる。

 時代は下って、北宋の時、儒家の「理学」思想が徐々に系統化され、朱熹がそれを集大成した。朱熹は真理を見分ける道は「格物致知」(かくぶつ-ちち)だと提唱した。つまり、物質の内在の規則を深く探求することによって智慧を得るというのだ。そこで、朱熹は門下生たちに竹を探求させた。

 明朝になって、王陽明が誕生した。彼も天地の最終の規則を知りたがっていた。そこで、朱熹の教えに従ってやはり竹を探求した。ところが、何日も続けたが、しまいに頭がくらくらして何も得られず、かえって大きな病にかかった。

 王陽明はその後、さらに苦しい練磨を経たのち、辺鄙な荒れ果てた所で突然悟りを開き、「心学」という新たな儒家の学派を作った。彼は「心」とは「理」であり、それが宇宙運行の最終規則であると考えた。それ以来、彼には、兵法、武功、国を治める能力などの面で飛躍的な変化が生まれた。

 しかし、歴史や「理学」、「心学」を研究する多くの学者は、朱熹と王陽明がいったい何を悟ったかについては、よくわかっていない。

 実は道理はとても簡単だ。朱熹と王陽明はそれぞれ「香厳撃竹」の話の半分を語ったのだ。つまり、香厳は石が竹に当たった音を聞いて、竹の「心は空だ」ということが分かったということだ。

 こう言ってしまうと、大した高説でもないと感じるかもしれない。佛家でいう「空」とは、いわゆる「四大みな空なり」で、道家でいう「無」は、『道徳経』によると、「万物は有から生まれ、有は無から生まれる」ということだ。

 中国文化も佛家と道家思想の影響を深く受けている。「空」と「無」の字面上の意味は誰でも分かっているが、その内包はそれほど簡単なものではない。まさに老子の言うように、「道の道とすべきは常の道にあらず」である。

 香厳、朱熹、王陽明は、本当に道を悟ったのならば、この二文字に対する理解は一般の人よりはるかに深かったに違いない。

 「空」と「無」の意味は字面上は簡単なので、ハリウッドの西洋人も使うことができた。しかし、「カンフー・パンダ」の中に現れる解釈を見る限り、中国文化の精髄への理解はまだいまひとつと言わざるを得ない。

 神韻芸術団の世界巡回公演はすでに幕を開けた。08年12月19日にフィラデルフィアで北米公演の幕が切って落とされ、09年2月ワシントンDCのケネディ・オペラ・ハウスで北米巡回公演を終える。

 この数年間、私はずっと神韻の公演を鑑賞し続けてきた。監督、振付師そして出演者は、佛法と道家思想への透徹した理解があるからこそ、簡明な文化形式で佛法の中の洪大な智慧を表現することができているのである。

 その芸術形式で表されている純粋の善と美は、返本帰真の境地に至っている。神韻公演を鑑賞して得られる智慧への啓発は、禅宗、理学、心学の探求に没頭するよりもはるかに勝るものである。

 中華文化の真髄を求めている方、あるいはただエンジョイしたい方も、是非一度鑑賞することをお薦めする。

 (09/01/19 21:45)  





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