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牛乳から元気と信頼を得た(MYCHELE DANIAU/AFP/Getty Images)

1杯の牛乳が救った2つの命

文・晨晨

 【大紀元日本1月18日】

 とある町にある一人の貧乏学生が住んでいた。彼は学費を稼ぐため、町中の家の戸を一軒一軒叩いては、物売りのアルバイトをしていた。ある日、彼は食べ物を買う金もなく、空腹のまま町を回って、食事代を稼ごうとしたが、物が売れないまま夜を迎えてしまった。彼はとうとう空腹に耐えられなくなり、「よし、次に戸を開いてくれる人から食べ物をもらおう」と心に決めた。

 しかし、思いのほか、次に戸を開けてくれた人が若くてきれいな女の子だった。彼は動揺し、「水もらえますか」と頼むのが精一杯だった。女の子は彼の様子を察し、水のかわりに、1杯の牛乳を差し出した。

 「いくら払えばいいですか」と彼は牛乳を飲み干した後、勇気を振り絞って聞いた。「払う必要はないですよ。『人に親切なことをしても見返りを望んではならない』と母がいつも言っていますから」と女の子が答えた。

 

 学生は1杯の牛乳から、元気をもらっただけでなく、失いかけていた人を信頼する心も蘇った。貧乏で絶望の淵に立ち、学業も何もかも放棄しようとした彼は、再び奮起し、後にみんなに尊敬される医者となった。

 一方、女の子はそれから難病を患い、大都市の病院に入院してしまった。担当の医者は彼女の出身地を聞くと、急いで病室に入り、彼女と面会した。「あの時私に牛乳をくれた女の子だ」と、担当医の、その時の貧乏学生だった彼にはすぐにわかった。

 彼はその後、あらゆる努力をし、研究を重ね、彼女の命を救った。

 退院する時が来た。病院から請求書を渡された彼女は、恐る恐るそれを開いた。一生かかっても払えない金額だとわかっていたから。でもそこには一行の文字だけが書かれてあった。

 「あの時の1杯の牛乳が全治療費を優る価値がある」と。

(翻訳編集・心明)


 (10/01/18 05:00)  





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