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ドイツ・ドルトムント大学国土計画学博士、中国環境問題の専門家で『三峡ダム36計』の著者・王維洛氏(大紀元)

在ドイツ中国人環境専門家:「善のメッセージに溢れる」神韻芸術

 【大紀元日本3月16日】現在、日本を巡回公演中の「神韻芸術団」。中国本土で失われつつある伝統文化の復興を目指し、海外の優秀な中国系アーティストを吸収して、06年に米ニューヨークで設立された。07年に世界各地で巡回公演をスタートし、4年間で世界中の主要都市を席巻した。「純善、純美」をテーマとする中国古典舞踊と歌唱の美しい舞台が数百万の観客に感動を与え、ハリウッドを始めとする欧米主流社会からは「現代芸術界の奇跡」との高い評価を得ている。

 神から伝えられた中国の伝統文化、いわゆる「神伝文化」復興の趣旨は、世界の華人に届いているのか。ドイツ・ドルトムント大学国土計画学博士、中国環境問題の専門家で『三峡ダム36計』の著者・王維洛氏が14日、フランクフルト公演の感想を次のように語ってくれた。

 中国伝統文化の未来を代表する

 Q:まだ前半だが、印象は?

 王:一番印象深かったのは、海外でもこんな若い世代がいるのか、ということだ。彼らは中国の伝統文化に深い理解を持ち、その未来を代表していると言える。

 多くの人が、中国の伝統が失われていることを心配している。今日の公演で、若くて、海外育ちの2世の華人アーティストらに出会った。彼らは中国で育てられた訳ではないが、彼らの舞台から、中国の伝統文化に対して深く理解していることが伝わってくる。これは大変、超越的な境界である。

 父親としての私は、自分の娘のことを常に心配している。中国文化、特に中国の伝統文化について理解しているのかと。ドイツで育った娘はもちろん、ドイツの文化を理解しているが、中国文化に触れるチャンスは少ない。二つの文化システムの中で成長した娘が、どのように中国の伝統文化を理解することができるのか、ずっと心配してきた。しかし今日、ここでこんなに沢山の若い出演者が実は2世の海外中国人であることを知り、彼らの中国の伝統文化についての理解の深さに気付き、私は驚いている。

 ドイツに留学に来た当初、ある言葉が私を考えさせた。「理解」という言葉だった。中国にいた時はごく簡単な言葉だと思っていたが、ドイツではそうではない。教授から、「この専門を理解してください」と言われたことがあった。それに、あるサッカーの監督がサッカー選手に、サッカーについて理解していないと言ったという話を聞いたことがある。この選手は一生をかけてサッカーをやってきたのに、どうして理解していないというのかと私は不思議に思った。そこから、「理解」という言葉を再び考えた。

 中国の伝統文化を「理解」してから初めて、心からそれを表現することが出来る。伝統文化に対する理解がなければ、そのような表現は出来ない。

 私はこれまで、フランクフルトで、中国からやってきた多くの公演を見た。例えば中国から来た雑技団の雑技バレー「スワン・レイク」、それに少林寺の公演。しかし私が感じたのは、彼らは単に中国の芸術、中国のものを使って、西洋の文化を包装しているだけ。例えばあの雑技バレー舞踊。その本質は西洋の文化で、単なる中国の雑技で包装している。少林寺の武術公演は、単に中国の技術を使って商業化された中国を見せているだけ。技術は伝統的だが、中身は商業化されたもので、伝統的なものとはいえない。

 つまり、表面的なことではなく、伝統文化について理解しているかどうかが、最も大切なことだ。孔子の像を飾っているだけでは孔子の学問にならない。孔子、儒教に対する理解、中国文化全体に対する理解、儒教・道教・仏教など異なる流派に対する理解があるかどうか、ということだ。

 善に溢れるメッセージと純善的なもの

 Q:公演が伝えるメッセージについてはどう思うか?

 王:公演全体は、「善」というメッセージを伝えていると理解している。昔の中国啓蒙テキストの「三字経」は、冒頭に「人之初、性は本来善なり」と説いている。孟子曰く、「水は下に流れ、人は善に向かう」、それは自然な本性である。神韻が表現しているのは人の本性、善的なもの、善のメッセージを伝えている。その舞踊が表現しているのは「純善」なものだ。圧迫された群れが、社会に対して恨みの感情を抱くのではなく善意を表現している。それはその群れの偉大さ、高い思想の境地を表している。

 最近よく、「調和社会を建設」という言い方を耳にする。調和社会になろうとすれば、まず調和とは何かを理解しなければならない。善からスタートしないといけない。恨みを恨みで返す、それでは永遠に恨みが終わらない。

 芸術家による奉仕の精神で成り立った純文化

 Q:海外の華人が限られた資源の中で、神韻芸術団のような大きな団体によって世界規模で中国文化を広めている努力についての感想は?

 王:以前にも多くの人がコネを通じて中国の公演団をドイツに連れてこようとしていた。彼らは中・独文化交流協会の資金を利用している。ドイツでは、純文化の団体は政府の資金援助がなければ生き残ることができない。彼らの文化は、援助を得て維持している。神韻芸術団のような、完全に自分の力で維持する純文化団体は、私は見たことがない。それはきっと、多くのアーティストたちによる奉仕で成り立っていることだろう。アーティストらの犠牲精神がなければ、これは不可能なことだ。

 私は約28年前、中国で関貴敏(神韻巡回芸術団のテノール)さんの公演を見たことがある。その時、彼は非常に人気のあるスターだった。彼はもちろん中国に帰国し、芸能活動を行う選択がある。そのようにしたら、きっと中国のスターのように大金持ちになれるだろう。彼のようなアーティストの犠牲と奉仕によって、神韻芸術団は今の世界で立脚することが出来たのだ。

 美しい中国を見せてくれた

 Q:神韻芸術団の楽団は西洋の楽器と中国の楽器を融合している。この現象についてどう思うか?

 王:西洋人は中国の文化を尊敬し、崇拝している。しかし彼らが中国文化について本当に理解するのは難しい。中国文化も西洋文化もそれぞれの長所と短所がある。両文化の長所をつなぎ合わせてくれて、大変美しいことだ。この舞台で披露されたのは西洋人にとって斬新的なもので、もう一つの中国の存在だ。一方で、現在の中国社会では、往々にして中国文化の中の一番良くない所を資本主義経済の一番良くない所とつなぎ合わせている。付き合っている周りの中国人の友人は皆、現在の中国人は、どのように人を騙すかということで頭がいっぱいだと良く話している。

 Q:中国人には悪い考えを持つ他に、恐怖感や不安感を持つ人も多い。多くの華僑団体が中国大使館から、公演の鑑賞を禁止する通知を受け取ったそうだが。このような恐怖感をどのように乗り越えたのか?

 王:個人が物事に触れる時、他人の評価よりも自分がどう評価するかが大事だ。私はこの公演を見たので、自分なりの評価を持っている。中国大陸の団体の公演も見るが、それについても自分なりの評価をもっている。すべての個人個人が、閉じ籠った心を破り、勇気を持って一歩踏み出してほしい。自分の目で、これがどんなものなのか評価してほしい。自分の目で見ないと、いいものか悪いものか判断できない。

  自己認知、自己決定、自己改善、それは人類の生活の中で最も重要だ。身の安全の欲求は一番基本的な欲求。自分の目で見て、自分の観点を形成し、自分の結論を出す。人の意見は人のもの。勇敢に劇場に入って体験してみて、それらの若いアーティストに出会えば、自分も若くなってくる。

 中国伝統文化のために戦うアーティスト

 Q:「妨げえぬ神の道」という演目に涙を流したようだが・・・。

 王:私は感動しやすい人間かもしれない。あの演目の中のヒロインの経歴、また彼女の献身的な精神、あるいは何らかのインスピレーションが私を感動させた。何と言えばいいか・・・。

 舞台だけではなく、オーケストラの表現も注目すべきだ。あの指揮者は全力を投じた、という感じを受けた。二胡の演奏者も素晴らしかった。公演を見る前、彼女の個人ストーリーを読んだことがある。彼女の夫は上海空港で拉致されたようだ。こんなに大変悲しい状況の中で、彼女の静かな心が伝わってきた。いわば「仏の心」だ。この境界に達するのは簡単なことではない。なぜか演目を見る際、私は彼らの踊りが良いかどうかということより、このダンサー、この人のことを知りたくなる。全身を尽くしている感じが伝わってくる。彼らがやっていることは本当に見る価値がある。このような人々が、中国の伝統文化のために、全身全霊で戦っていることが伝わってくるのだ。

(記者・田宇、翻訳編集・趙MJ)


 (10/03/17 10:20)  





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