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不動産価格抑制新措置 中小都市も不動産限購令の対象に

 【大紀元日本8月26日】中国政府は国内不動産バブルを沈静化するために、今年初めから全国39の都市において不動産購入制限措置(限購令)を実施した。しかし当局の統計データからみると、同措置の効果は薄く、全国の不動産価格は依然上昇傾向にあり、2、3線都市に区分される地方中小都市の住宅価格の上昇は特に激しいという。このため、当局はこのほど、限購令実施対象を拡大し、不動産価格抑制措置を強化する姿勢を示した。

 中国の住宅及び都市農村建設省は8月17日、改めて限購令実施対象の判断基準を発表し、2、3線都市を中心とする新たな限購令実施対象拡大方針を示した。判断基準は次の通り。1、国家統計局が発表する70大中都市住宅価格指標のうち、価格上昇幅が上位にある都市。2、各省内のすべての都市において、今年6月の住宅価格を昨年末の価格と比べて、その上昇幅が比較的高い2、3線都市。3、今年上半期の住宅取引件数の上昇幅が前年同期比で比較的高い都市。4、すでに限購令対象となった都市の周辺都市で、現地住民でない他の省の住民がそこの住宅を購入するケースが多い都市。5、現地の住宅価格に対して高い不満、または不動産価格抑制政策の執行が足りないとの考えを持つ住民が住む都市。

 同省は、以上の判断基準のうち2つの基準を満たしている都市を新たな限購令対象とすると提案している。また同省は各省政府に対して、8月20日までに所轄管内の各都市の上半期不動産価格抑制政策の実施状況について報告するよう命じているという。

 国内報道によると、中国当局が8月末に新対象都市を決め、不動産物件が最も売れる9、10、11月の3カ月間における不動産価格の反発を抑える狙いだ。この期間中に多くの都市において住宅の販売件数が通年販売件数の半分を占めるからだという。また、新判断基準によって、今後ハルビン、洛陽、桂林など30~35の中小都市が限購令対象に加えれるとされる。

 一方、限購令対象の拡大が不動産価格上昇を抑えるかどうかについて、専門家は疑問を呈している。在米経済評論家の草庵居士は中国政府による2、3線中小都市への限購政策の強化は効果薄だと指摘する。草庵氏は「中国の不動産価格および物価上昇の根本原因はインフレにある。過去数年間、中国当局は毎年のように抑制措置を打ち出しているが、全く目的を果せなかった。これは当局の抑制措置が非常に失敗していることを意味している。今回の措置も成功しないだろう」と話した。

 中原不動産研究センター・チーフマネジャーの劉淵氏は大紀元の取材に対して、限購令対象を拡大しても、2、3線中小都市の不動産価格が大きく下落することはないとの考えを示した。劉氏は1線の大都市では、不動産への一般的な需要および投資需要が比較的高いため、抑制措置の効果が現れやすいが、2、3線中小都市の不動産市場はまだ発展初期にあり、非弾力性的需要(需要量が価格の変化に対して強く反応しないこと)が比較的高いため、抑制措置の影響を受けにくいとの認識を示した。

 また劉氏によると、これまで実施してきた限購政策の結果を見ると、各都市の新築住宅、または中古住宅の価格は大幅に下落しておらず、取引件数だけが減少したという。「北京、上海などの重要1線都市では、限購政策が厳しく執行されている。だが現在すでに限購令対象となっている39の都市の内、その措置を厳しく執行されていない都市は少なくない。例えば、一部の都市の中心地の物件だけは購入を制限されているが、他の地区では2件目や3件目などを購入することができるという。したがって、将来2、3線中小都市の中にこのように厳しく限購令を執行しない都市も多いだろう」と同氏は話した。

 最後に、劉淵氏は政府当局は不動産開発企業向けの融資を厳しく抑えているが、不動産開発企業は海外から融資することができるし、現在の在庫物件は少ないため、直ちに資金調達困難の理由で物件の販売価格を引き下げることは考えにくいとの見解を示した。

(記者・高紫檀、翻訳編集・張哲)


 (11/08/26 09:00)  





■キーワード
不動産バブル  限購令  インフレ  融資  住宅価格  


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