人権派弁護士は見た

「中国市民は心から共産党にノー」入院中の人権弁護士、民の声を聞く(1)

2016/06/14 15:00

 中国の著名な人権派弁護士で、上海当局から監視されている鄭恩寵氏は、入院中の出来事について大紀元に明かした。鄭氏によると、病院で出会った市民は、共産党政権と江沢民に対して否定的だという。また、共産党政権が「社会を不安定にさせる」との理由であらゆる事件や事故の詳細を隠したとしても、市民はインターネットで知ることができ、「一般人は無知ではない」と述べた。

 「あなたは一体何者?」病院で男にかこまれる人権弁護士

 鄭氏は5月3日から約1カ月間、疾病のため入院した。毎日、上海当局からの私服警官十数人が鄭氏を監視した。そのため、医師や看護師、患者や家族は、鄭氏のことを、大勢の「取り巻き」に囲まれた政府高官だと勘違いしていた。しかし、なぜ高官が一般病棟にいるのか―。鄭氏は病院で、注目を集める存在となる。

 鄭氏の周囲は、院内で態度の粗暴な私服警官らを煙たがっていた。毎日、男たちに囲まれる鄭氏に興味を抱いた医師は「あなたは一体何者なのか?」とたずねた。鄭氏は、インターネットで自らの名前を検索してほしいと伝えた。鄭氏の人権活動を知った医者や看護婦、清掃員、炊事係の人たちの鄭氏を見る目が変わったという。

 若者はネット封鎖を突破して、新しいことを吸収する能力が高い

 病院で注目を集める鄭氏は、親を見舞いに訪れた20代、30代の若者たちにも、自分の名前をインターネットで検索させた。若者は鄭氏の活動に強く興味を示した。「20人以上の若者と話をしたときは、まるで記者会見のようだった。彼らは私に一連の質問を投げかけてきた」。

 鄭氏は、2015年7月9日夜に、中国各地の人権弁護士や活動家300人余りが一斉に拘束・連行された「709事件」についても調べるよう促した。若者たちは「こんなにひどいのか?」と目を見張った。また、中国のいわゆる「五黒勢力」(訳注1)についても調べるよう説いた。

 若者たちの弁護士の印象は悪く、「政府に尻尾をふって人々から金を巻き上げる輩」だと思っていた。鄭氏と話し合うことで「中国に信頼できる弁護士がまだいると知って、希望があると感じた」という。鄭氏のような人権弁護士はほんの一握りしかいないと考えている人に、鄭氏は、中央政治局常務委員で序列第4位の兪正声(訳注2)の発言で、「弁護士30万人の3%、9000人の弁護士は当局の指示を素直に従わない」との情報を伝えた。

 鄭氏の話に若者たちはみな真剣に考え込み、理解も反応も早かったという。

 続きは:「中国市民は心から共産党にノー」入院中の人権弁護士、民の声を聞く(2)

(翻訳編集・桜井信一/単馨)


 訳注

 1.「五黒勢力」とは、中国では、人権弁護士、認可していない地下宗教、反体制派、ネット異論人物、社会的弱者という5種類のグループの人たちのことである。「人民日報」海外版2012年7月31日の記事で、この5つの闇勢力は「中国を転覆するための米反中国勢力」の代表だと断罪し、当局に厳重警戒し徹底的鎮圧するように呼びかけた。

 2.兪正声は、1945年4月生まれ太子党に属し、現在、第18期中国共産党中央政治局常務委員、第8代中国人民政治協商会議全国委員会主席を務める。兪氏一族には明の時代から人材輩出し、現代中国の政界、軍部、学術界、ビジネス界に大勢活躍している。兪氏は名家出身と各界に広がる豊富な人脈関係のゆえに、中国では各党派間の融通・交渉の潤滑油という役割を果たしている。上海市委書記に務めたことのある兪氏は江派と密接な関係がある一方、薄熙来の失脚に関しては胡錦濤、温家宝、習近平らを明確に支持したという。

 3.「翻墙」とは、専用ソフトを使い中国のネット封鎖を突破し海外サイトにアクセスすることである。最も有名で幅広く使われている無料「翻牆」ソフトは、アメリカの法輪功学習者が開発した「自由門(フリーゲート)」や「無界瀏覧」がある。安全性が高く優れたソフトのため、中国人だけでなく、中国に行かれる人の必須アイテムとなり、海外企業の駐在員や外国政府の関係者までに使われていると言われている。

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