「4.25陳情」によせる中国著名人の想い

2016/05/16
更新: 2016/05/16

今から17年前の1999年4月25日、一万人を超える法輪功学習者が国務院弁公庁信訪局(北京の中南海近くに位置する、信書や来訪による国民から中国政府への直訴を受け付ける機関)に集まり、法輪功の合法的な修練活動を認めるよう大規模な陳情を行った。この間に彼らが示した平和的かつ合理的な精神は世界中を驚かせ、各国のメディアから大きな関心を寄せられることとなった。以来毎年この時期には、法輪功学習者への迫害を止めるようにと訴えるイベントが世界各地で行われている。大紀元がこの「4.25陳情」について、多数の著名中国人を取材した。

鄭恩寵氏(弁護士):「4.25陳情は非暴力平和主義の先駆け」

上海在住の著名人権派弁護士・鄭恩寵氏は4.25一万人陳情の様子を実際に見たわけではないが、親戚や身近な友人、そして同氏の同僚が法輪功を学習していた。同氏は取材に対し、この大規模な陳情によって「真、善、忍」の精神が世界の普遍的な価値観であることが示され、それはまた中国人の人権を尊重するための模範になるものだと強調している。

「法輪功学習者が整然と理性的に陳情を行った。これは中国人が専制政治に対してノーを突き付けた新時代の幕開けだと認識している。この非暴力平和主義は、今後起こりうる同様の活動に対する模範的態度を示している」

上海人権弁護士鄭恩寵氏(大紀元)

同氏は中国共産党による法輪功弾圧政策を愚挙の極みだと一蹴するとともに、中国人の一人一人が声を上げるべきだと強調している。「なぜなら中国当局は、法輪功に対して取ったのと同じ方法を、人権活動家を含むその他の国民にも適用し得るからだ」

中国の最高人民検察院に対し、これまでに20万人以上が実名で法輪功迫害を指示した江沢民及びその関係者をジェノサイド(集団虐殺)などの罪で告発している。

江沢民とその家族の汚職を告発したために投獄の迫害を受けたことのある同氏は、中国の弁護士団体は彼らの行動を強く支持するとともに、江沢民告訴のために着々と準備を進めているとし、また迫害を受けたほぼすべての中国人が、来るべき時のために積極的に江沢民告訴のための証拠の収集を始めていると述べた。

「私自身が証人となってもよいし、弁護士として協力することもできる。江沢民が中国の法廷で裁判にかけられる日が来るのはそう遠くないと思っている」

孫文広氏(元大学教授):「江沢民を逮捕したものは歴史に名を残すだろう」

山東大学元教授、孫文広氏も法輪功学習者が数々の不当な扱いに対して平和的に陳情を行ったことを称賛している。「(4.25陳情は)正義に基づく行動だ。法輪功の信仰の自由を維持するだけでなく、全中国人の手本となるものだ」

孫氏はまた、自分自身は法輪功学習者ではないが、法輪功が迫害を受け続けていることに非常に同情していると語気を強めた。同氏は2005年に早くも国内で法輪功の非暴力平和主義を支持する文章を発表して世の中に訴えかけている。

「長い間法輪功は様々な手段で対抗してきたが、その間に彼らが受けた苦難は筆舌に耐えがたいものだ。多くの人が刑務所で拷問を受け、その結果命を奪われた人もいる。彼らの死を、後世の人間は敬意をもって心に深く刻み込むだろう」

山東大学元教授孫文広氏(新唐人テレビ)

さらに同氏はこのようにも述べている。「(4.25陳情以降)朱鎔基氏を含む一部の人は、法輪功の件に対し平和的に対話で解決するべきだと主張している。上層部の一部は江沢民の弾圧政策に反対しているが、江政権時には江沢民に権力が集中していたため、異なる声の世論を封じ、江沢民の悪政を遂行した」

孫氏は、江沢民が平和的なデモを暴力によって制圧したことを強烈に批判している。そして数々の人権弾圧政策を行ってきた江沢民が裁かれる日が来ることを期待しているとして、このように語った。

「江沢民は法輪功に対する一連の弾圧政策だけでなく、天安門事件に対する責任も追及されるべきだ。毛沢東の死後、中国では様々な形で人権の抑圧や宗教の弾圧が行われてきたが、それらは江沢民から始まった。だからこそ、民衆の手によって江沢民を裁判にかけなければならない。そのためには一日も早く江沢民を逮捕することが必要だ。江沢民を逮捕し法廷に送った人間は、共産党員であるなしに関わらず、歴史上に名を残すことになるだろう」

盧雪松氏(作家):「真・善・忍の精神が社会に広がることを願う」

独立中文筆会(独立中国ペンクラブ)の林昭記念賞受賞者でもある吉林省の作家・盧雪松氏は、「4.25陳情」が世界の注目を集めたのは、それが共産党政権下の中国で起きた、粛々と行われた最初の市民運動だったからだと分析している。中国社会の価値観が拝金主義に染まっている中、法輪功学習者は高い道徳観で自らを律し、命を懸けて真、善、忍の精神を実践している。それはあたかも、時代の流れに逆らう一筋の清流のようであり、社会の人々に知らず知らずのうちに善良な心を育ませ、希望をもたらしていると語っている。

同氏は、法輪功学習者が自らに加えられる不当な迫害に対して大いなる善・忍の精神で立ち向かっていることに深い感動を覚えるという。「たとえ残虐非道な仕打ちを受けても、法輪功学習者はなお人々に向けてこのように訴えかけている。『迫害に手を染めないでください。根も葉もないうわさに耳を傾けないでください。恐怖におののかないでください。そして本来持っている善良な心と聡明さを保ち続けよう…』と」

作家盧雪松女史(ネット写真)

盧氏は、中国当局からの迫害は最初のころのような激しさを失っていると指摘している。17年間にわたる法輪功への迫害の歴史は、権力者といえども万能ではないこと、嘘は暴かれるということ、悪は滅びるということ、真実は必ず日の目を見るということ、そして、最後に報われるのはその真実を追求した人間だということを我々に伝えていると自らの思いを語った。

「世界中の全ての人が純粋に善行を行うようになることを心から祈っています。また、同じ思いを抱く全ての人とともに『真・善・忍』の精神が世界に広まっていくよう努めていきます」

(翻訳編集・桜井信一/単馨)

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