THE EPOCH TIMES
暗雲立ち込める巨大構想

中国で「一帯一路」報道自重ぎみ 評判振るわず

2018年07月05日 14時11分

61年振りに政権交代したマレーシアのマハティール政権は、ナジブ前首相と中国共産党政府が契約した、2つの一帯一路プロジェクトである計4兆円相当の鉄道計画の中止と見直しを発表した。国内の専門家から、親中ナジブ前政権のように政治腐敗と巨額負債を促すとの声が強まっていた。7月初旬にナジブ氏が逮捕されたことにより、さらに負のイメージとのつながりが色濃くなる一帯一路。中国政府は内外の情報に敏感になり、宣伝報道を抑制するようメディアに指示している。

大紀元特集:一帯一路

中国国内メディアによると、中央政府は一帯一路に関する宣伝報道や発表を自粛している。指示では、次の2点を強調したという。1.マーシャル・プラン(米国による経済疲弊国救済計画)の中国版ではない。 2.一帯一路はイニシアチブ(構想)であり、戦略計画ではない。

この報道自粛指示は、関係国のなかで起きている懸念、例えば債務超過で現地政府機能を低下させ中国の影響力を強化する「債務トラップ外交」、また軍事圧力、現地政府の腐敗を招く金満外交など、ネガティブな論調を抑制する狙いがある。

ジャーナリスト・末永恵氏がJBプレスで5月に発表した記事によると、マハティール政権による知識者を集めた政府の評議会メンバーは、中国主導の「東海岸鉄道計画(ECRL)」について「非常にリスクが高く、しかも理にかなっていない。マレーシアにとって全く有益ではない」と、否定的な見方を示した。記事によると、マレーシア与党関係者の間では「中国政府と交渉した上、中止になる公算が高い」との見方が強いという。

中国国内の銀行も 一帯一路の先行き不安?

米ニューヨーク・タイムズは最近、中国政府は一帯一路にブレーキをかけ始めたと報じた。アジア、東ヨーロッパ、アフリカにまたがる大胆で大規模なプロジェクトに資金を注ぐため、5年かけて何千億米ドルを資金調達してきた。中国の公式発表によると、2018年1月から5月まで、中国企業は一帯一路関連事業に362億米ドル相当の契約を請け負ってきた。まだ規模は大きいが、前年同期比で6%減少した。

中国側も慎重意見が出始めている。中国人民銀行の易綱・総裁は4月、中国の金融機関は、相手の返済能力を見極め、一帯一路で国をまたいだ融資計画を組むときは慎重になるようにと発言した。

6月中旬、上海の中国金融当局の会合で、関係者からも自重ぎみな意見が出ている。中国輸出入銀行の鬍暁煉・会長は、一帯一路に注いだ莫大な投資が、短期ではなく、より長期にわたりプロジェクトの成功が見えるかどうかを問題提起した。

輸出入銀行会長は「世界の貿易と投資環境が非常に厳しい中で」と強調し、同行は56の国と1400以上の地域の一帯一路関連プロジェクトに、総額7800億元(約13兆円)を投じていると明らかにした。

6月末、香港で開かれた一帯一路サミットで登壇した、香港貿易発展局の羅康瑞氏は、この巨大構想プロジェクトに関わる国には、中国国有企業が多く投資しているが、これらの企業は「(関係国への)寄付ではないことをはっきりと自覚するべきだ」と述べた。

一帯一路で関係悪化+++++++++++++

スリランカ政府はハンバントタ港の運営権を99年契約で中国に譲り渡した(LAKRUWAN WANNIARACHCHI/AFP/Getty Images) 
関連キーワード

関連特集

LINE NEWSに『中国の今を伝える 大紀元時報』を登録する方法
^