中央アジアに十数兆円投資 強まる中国の影響力

2022/01/24
更新: 2022/01/24
コメント

中国当局は近年、中央アジアの5カ国に数千億元(1元=約18円)を投資し、影響力の拡大に力を注いできた。米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

1991年のソ連崩壊により、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンが独立した。中国は翌92年1月に中央アジア5カ国と国交を結んだ。

米バージニア州ウィリアム・アンド・メアリー大学研究室のサマンサ・カスター主任は、同地域での中国の影響力は過去数十年で大幅に増大したとみている。

カスター氏は、5カ国には2つの共通点があると分析した。1つ目は中国に石油、天然ガス、水力発電などエネルギーを大量供給している。2つ目は中国当局の広域経済圏構想「一帯一路」の交通結節点になっている。

カスター氏は2021年12月発表の共作レポート「権力の回廊(Corridors of Power)」で、中国当局が中央・南アジア諸国と盟友関係を築くために巨額の資金援助を行ってきた実態を報告した。

ここ20年あまり、この2つの地域に総額1270億米ドル(約13兆2080億円)の資金援助を行ったという。教育、文化、コミュニケーション、メディアといったソフトパワーの分野でも、中央アジアへの影響力を深化させている。

同レポートは、中国は諸国と都市間外交を積極的に展開し、地方の政府・民間の有力者との関係づくりに取り組んできたと記した。

孔子学院や中国語試験センター、姉妹都市、メディア間提携など、中国当局は中央・南アジアの174都市で193の拠点を設けたという。

ジョージアのシンクタンク「Geocase」の中東問題専門家エミール・アバダリアーニ氏は、中国当局はこの地域で経済的影響力を拡大したほか、安全保障の分野でも大きな成果を得ていると指摘する。

同氏は、ロシアはこの地域の警察とみなされてきたが、いま中国も徐々に浸透していると指摘した。「タジキスタンでは軍事基地を運営しており、準軍事基地にも資金援助し、各国と合同軍事演習を増やしている」

「中国当局は5カ国が中国に頼ろうとしていることをわかっている。投資も必要だし、長期的には中国を、ロシアをけん制する切り札に仕立てようとしている」と同氏はVOAの取材で語った。

いっぽう、アバダリアーニ氏は、諸国のナショナリズムや、中国政府に対する政治エリート層の不信感も根強いと指摘した。

(翻訳編集・叶子静)