大紀元時報
中国共産党員195万人分の党員情報

195万人分共産党員名簿が流出 日本企業も多数雇用 安保で懸念

2020年12月17日 00時03分
イメージ(AFP/Getty Images)
イメージ(AFP/Getty Images)

今年8月、上海の中国共産党員195万人のデータが海外に流出した。複数の海外メディアはこのほど、データ分析の結果、大量の中国共産党員が世界中の多数の公的機関や大企業に潜入し、国家安全保障上のリスクを引き起こす可能性があると報じている。

このデータファイルは、中国の反体制派が、機密性が高い無料通信アプリ「テレグラム(Telegram)」を使って、国際議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」に渡したもの。

2016年のものとみられるデータファイルは、上海市党委員会の所有物であり、機密(秘密レベル2)の党文書である。公開された情報には、上海地区の党員の氏名、生年月日、民族、場合によっては住所、電話番号などが含まれている。IPACは、セキュリティアナリストの協力を得て資料認証した後、英紙や豪紙など4つのメディアに公開した。

英大衆紙デイリー・メールなどは12月12日、英銀行HSBCホールディングス、スタンダードチャータード、航空機大手ボーイング、エアバス、ロールス・ロイス、製薬大手ファイザー(pfizer)、アストラゼネ(AstraZeneca)、さらには在上海英国総領事館など、多くの海外の大企業や公的機関が中国共産党員を雇用していると報じた。

名簿に載っている195万人以上の党員は、7万9000以上の党支部に所属している。一部の外資系企業には、党支部が設置されており、党体制強化に協力し、党員に対して教育・管理および監督を行っている。

例えば、2016年時点で、中共ウイルス(新型コロナ)ワクチンの開発に携わっているファイザーとアストラゼネカの中国支社は、123人の中国共産党員を雇っていた。

ボーイングの中国支社では、287人の党員社員が社内にある21の党支部に所属していた。フォルクスワーゲン(Volkswagen)の中国支社は、約5700人の党員社員が社内にある131の党支部に所属していた。また、ヒューレット・パッカード(HP)の中国支社は、390人の党員社員が社内にある14の党支部に所属。

英銀行HSBCとスタンダードチャータードの中国支局には2016年、600人以上の党員社員が社内の19の党支部に管理されていた。両社は今年夏、中国政府が香港の統制を強める国家安全維持法に支持を表明し、香港人の抗議活動を非難する声明を発表した。HSBCは最近、英国に亡命した許智峯(テッド・フイ)元民主派議員の銀行口座を凍結したことで、物議を醸した。

日本企業も大量の中国共産党員を雇用

中国にある日本企業も同様、共産党員を多く雇用している。

大紀元がデータファイルを検索したところ、日立電気、日立エレベータ、日立電線などの合弁会社を含む日立グループの中国での党員数は、21の党支部に分かれて560人以上に上ることがわかった。上海日立電器有限公司の362人の党員社員は、「電気部」や「マーケティング」「管理」など10の党支部に所属している。

松下電器産業(中国)の50人を含むパナソニック関連会社の16党支部に270人の党員がいる。三菱グループの中国支部には、35の党支部に所属する1008人の党員がいる。三井住友銀行の中国支店は、103人の党員と2つの党支部がある。

中国共産党の浸透工作に危機感

党員である中国の学者の中には、英国の大学を卒業し、航空宇宙工学や化学など機密性の高い分野の研究に携わっている者も多数いる。英国立セント・アンドリュース大学卒の中国共産党員は、英国を含む上海の複数の領事館で働いていたことが、デイリー・メール紙によって明らかになった。

報道によると、匿名の英政府高官は、この党員が公的身分を偽装する英秘密情報部(MI6)の目と鼻の先に居るため、その情報は安全保障上の懸念を提起したと確認した。

豪紙オーストラリアンによると、今年9月にオーストラリア政府にビザを取消された上海華東師範大学オーストラリア研究センターの陳宏(チェン・ホン)所長も、この党員リストに入っているという。同氏は豪治安情報局(ASIO)から国家安全保障上のリスクがあると評価された。

名簿に載っている人物がすべて中国政府のためにスパイ活動していたという証拠はないが、中国にある領事館や大企業がどのような保護措置を講じているか懸念を募らせている。

英政治家「共産党はマフィアと変わらない」

英ベテラン政治家、イアン・ダンカン・スミス(Iain Duncan Smith)元保守党党首は12日、デイリー・メール紙への寄稿で、「中国共産党がわれわれの生き方を壊している」と英国の企業と大学の認識の甘さを指摘した。

「中国共産党(以下、中共)に入党するということは、イギリスや他の民主主義国の政党に入るようなものではなく、ニューヨークのマフィアという犯罪組織に入ることに近い。中共党員は中共に絶対的な忠誠を誓わなければならず、『党の秘密を守る』『生涯共産主義のために戦う』『党のためにすべてを犠牲にすることを厭わない』と誓わなければならない」

同氏によると、入党は単なる形式的なものではなく、何千万人もの党員が秘密を守り、狡猾かつ冷酷な規律を遵守し、党の絶対的な権威を維持しなければならない。また、党員らは定期的に共産党の思想と原則について教育を受けなければならない。

スミス氏は、イギリスは共産党政権が経済を開放し、中国の投資がイギリスに歓迎すべき成長と繁栄をもたらすと誤解し、英中両国の「黄金時代」を空想していたと指摘している。

スミス氏は、調査の結果、中国共産党員が現在、世界の最も重要な多国籍企業や学術機関、外交公館などに潜入し、世界中に広がっていることが証明されたとし、英国政府に対し、中国共産党員を各国の領事館から追放するための措置を早急にとるよう求めた。

「私たちはオオカミと戯れている」

元英国外交官で中国の専門家であるマシュー・ヘンダーソン(Matthew Henderson)氏はデイリー・メール紙の取材に対し、「これは、中共がいかにイギリスの内部へ潜入してきたかをさらに証明している。中共は英米間に楔を打ち込み、民主主義を転覆させ、西側をコントロールすることを意図している。私たちは狂暴な狼と戯れている」と述べた。

英外交シンクタンク「ヘンリー・ジャクソン協会(Henry Jackson Society)」のサム・アームストロング(Sam Armstrong)研究員は「これは中国が世界中に浸透している憂慮すべき証であり、私たちは見て見ぬふりをせず、正面から向き合わなければならない」と言った。

中国共産党系メディアの環球時報のWeChat(微信)公式アカウントは14日の記事で、党員名簿の流出について、外紙の報道を批判し、中国当局に「国家の安全を脅かす」として漏洩者を厳しく処罰することを要求した。

米国務省は12月3日、中国共産党員とその家族に対して、米国入国のための査証(ビザ)の有効期限を、これまでの最大10年間から1カ月に短縮すると発表した。同省報道官は、措置の目的について「中国共産党の悪影響から国を守るためだ」と説明した。

(翻訳編集・王君宜)

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