G20大阪サミット前に日米通商閣僚協議を開催=茂木再生相

2019/06/14
更新: 2019/06/14

[ワシントン 13日 ロイター] – 日米通商交渉の閣僚級協議で訪米中の茂木敏充経済再生相は13日(米現地時間)、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との協議後に会見し、今月末に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の直前に同地で米国と再度協議を行うとの見通しを示した。「早期に成果を上げたい点では一致している」と述べ、参院選後に大筋合意を目指す意向も示した。

もっとも、日米双方の主張は「論点整理されてきた」と強調したものの、交渉の具体的内容についてはコメントを控えた。対日貿易赤字の削減を掲げる米国と隔たりが大きい状態が続いているとみられる。

<詰めるべき論点「だいぶ明確」>

茂木再生相とライトハイザー代表の協議は13日午後2時半過ぎ(日本時間14日午前3時半過ぎ)から3時間程度行なわれた。

これに先立ち今週は日米実務者協議が実施されており、茂木再生相は、今回の閣僚級協議でも「実務者協議を踏まえて率直な意見交換を行ない」、「閣僚レベルで議論を詰めるべき論点がだいぶ明確になった」と評価した。今後も「技術的論点について専門家同士で協議を前に進めることで一致した」という。

もっとも、交渉の具体的内容については一貫してコメントを控えた。今後は「実務者協議で詰めきれるものと閣僚判断が必要なものについて、判断する」としつつも、自動車や牛肉など重要品目は閣僚協議対象かとの質問に対しては「内容にかかわるのでコメントを控える」と答えた。

日本は日系自動車メーカーの米国現地生産拡大を促進するため、米国に対して自動車部品などの関税削減を求めているが、再生相は「要求はした」と述べるにとどめた。

<米交渉カードとしての関税、「そのような話出ていない」>

前回の閣僚級協議が行なわれた5月末以降、関税をてこに通商交渉を進めるトランプ米政権の手法が明確になっている。今回米国は関税を交渉カードに使ってきたか、との質問に対して茂木再生相は「全くそのような話は出ていない」と述べた。

G20大阪サミットで予定されている安倍晋三首相とトランプ米大統領による米首脳会談については「東アジア・国際情勢など、幅広い問題について胸襟を開いて議論する」とし、同時に「通商交渉の進展について確認する」との見通しを示した。

 

(竹本能文 David Lawder 編集:田中志保)

Reuters
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