【大紀元日本10月19日】オバマ大統領は先月29日、ミサイル・宇宙技術の中国への輸出を承認する権限を、ホワイトハウスから商務省に移していた。輸出規制を緩和し中国のミサイル開発を助ける可能性もあると、関係者は懸念する。
米紙「ワシントン・タイムズ」15日付けの報道によると、ミサイル・宇宙技術の中国への輸出を認める権限をゲリー・ロック商務長官に託す「大統領承認」(presidential determination)が、特に公に取りざたされることもなく、9月29日に発行されていた。
商務省の高官は、ミサイル・宇宙技術の中国への輸出緩和には繋がらないとしており、商務省産業安全保障局(BIS)のスポークスマンは、米政府の新たな政策のもとで、機密性の高い輸出項目は全て厳格に監視されると発表している。
しかし、今回の「大統領承認」が、中国へのミサイル・宇宙技術の輸出に関して、事前に国会に通知して当局の認定を受けることを規定した1999年の国家防衛権限法の主旨を変えることは否めない。
1990年代後半、米国企Space Systems/Loral 社とHughes Electronics Corpが中国に技術を不当に譲渡したことで、中国の長距離核ミサイルの向上に繋がったことが判明し、国務省がそれぞれの企業に2000万ドルと3200万ドルの罰金を課した一件を経て、同法は導入された。
1999年の国家防衛権限法の第1512項では、米国がミサイル設備や技術を中国に輸出する場合、米大統領が事前に国会に対して、同輸出が米国の衛星打ち上げ産業に損害を与えないこと、そして輸出・技術提供を通して中国のミサイルや衛星打ち上げ能力が大幅に向上しないことを証明する必要があると規定している。
今回の権限委譲に対して、関係者は懸念を隠せない。かつて米国防総省の核拡散専門家で、現在は核拡散防止政策教育センターの理事を務めるヘンリー・ソコルスキ氏は、機密項目の専門家を差し置いて商務省に権限を戻すことを「後退」とし、1990年代の中国への不適切な技術譲渡がもとで、米国は現在、中国の精巧で狂いのないミサイルに直面するはめになっていると指摘する。
当時の技術譲渡は「愚かなこと」だった。そして今また譲渡することは「これまで以上に危険」とソコルスキ氏は警告する。
輸出管理政策を監視するウィスコンシン核兵器抑制プロジェクトのゲリー・ミルホリン理事は、商務省に権限を戻したことに、「クリントン政権もブッシュ政権も執行しなかった動きだ」と驚きを隠せない。
「ミサイル技術に関する知識と責任のある国務長官や防衛長官より、貿易促進をはかる商務長官に権限が委譲されたことはショックだ。商務省が不当に中国へのミサイル技術輸出に関与したことを踏まえて、同じことが繰り返されないように施行されている1999年の国家防衛権限法が転倒してしまう」とミルホリン氏は語る。
ブッシュ政権下の米国防総省で技術機密保持の高官を務めたエドワード・ティンパーレイク氏は、オバマ首相の新しい政策が、軍民両用技術の輸出規制緩和につながる可能性に同意する。中共政権樹立60周年記念式典のパレードでは、最新の長距離ミサイルと巡航ミサイルが公開された。中国の大規模なミサイル事業の躍進に利用されることは充分考えられるという。
「1990年代の商務省慣行が繰り返されることが問題だ。当時、宇宙開発企業の規程のもとで機密性の高い技術情報が流れ、中国の大陸間弾道ミサイル部隊が補正され近代化された。新政策は、この領域で中国との協力にゴーサインを出すもので、米国の安全保障にマイナスとなる」と同氏は語気を強める。
(翻訳編集・鶴田)
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