CPJ報告書「全世界で記者199人拘束」

2015/12/17 14:32

 ジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部・ニューヨーク)が15日に発表した報告書によると、2015年にジャーナリストの拘束人数が最も多い上位3カ国は中国、エジプト、イランで、全世界で199人の記者が拘束され、約4分の1(49人)が中国で逮捕された中国人記者だという。

 報告書では、米政府系放送局、ラジオ・フリー・アジア(RFA)のウイグル人記者ショクレト・ウシュル氏(Shohret Hoshur)の事例を特筆した。同氏は拘束中の記者リストにカウントされていないものの、中国に残る家族が中国当局に身柄を拘束されているという。

 ウシュル記者は09年に、中国当局に強制収容され拷問を受けた末に死亡したウイグル人の実例を報道した後、中国国内にいる家族が当局からの嫌がらせを頻繁に受けるようになった。当局の命令でウシュル記者に電話をかけてきた兄弟は、弟にRFAを退職するよう求めたほか、現在、兄弟3人が実刑判決を受けて刑務所に収容されているという。

 2位のエジプトの拘束人数は23人、昨年に比べほぼ2倍に増加、12年にはゼロだった。3位のイランは19人、スパイ容疑で拘束された米紙ワシントン・ポストのテヘラン支局長、ジェイソン・レザリアン氏も含まれている。そのほか、トルコは昨年の2倍となる14人に達する。先月、同国では、報道の自由を求める数百人規模の抗議活動が起きたばかり。

 その他、エリトリアは17人、エチオピアは10人、アゼルバイジャン共和国は8人、シリアとサウジアラビアはそれぞれ7人、ベトナムは6人、そしてミャンマーとバングラデシュとバーレーンはそれぞれ5人が拘束されている。

 同報告書によると、これらの記者の55%が「反政府罪」に問われている。5年以下の実刑判決を受けた人は25%にのぼり、大多数は乱闘や銃の所持などといった架空の罪名が着せられている。

 報告書には、イスラミックステート(IS)などのテロ組織に捕らわれた記者は含まれていないが、中東や北アフリカで消息を絶ったジャーナリストは少なくとも40人としている。ほとんどがテロ組織や武装派勢力に拿捕されたとの見方が有力だ。

 ジャーナリスト保護委員会は、ジャーナリストの権利を守り世界各国の言論弾圧を監視することを目的とする非営利団体で、昨年は同委員会の働きかけにより、31人のジャーナリストが早期に解放された。

(翻訳編集・桜井信一、叶子)

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