日中大学の比較

分析:中国の教育制度、日本より150年遅れ?

2016/07/21 01:59

 日中の教育制度や環境を比較して「150年遅れ」と指摘した文章が話題となっている。これは、留学あっせん業者「百利天下留学」が、言語学習情報サイト「搜狐教育」に投稿したもの。作者は、中国の若者は戸籍制度や大学数のアンバランスのため、受験時の負担が大きかったり、大卒で就職したとしても、出稼ぎ労働者の給与に及ばないなど、日本の条件と比較して、中国教育環境の問題を指摘した。下記はその抄訳。


 日本の教育者、福沢諭吉は著書『学問のすすめ』のなかで「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずという。(中略)人との違いは、生まれによるものではなく、学問に励んだか、そうでないかにある」と述べた。150年前の教育倫理に基づき、日本は世界で評価される学者を輩出してきた。

 中国はどうか。教育現場の質は向上してきたものの、隣国の日本から大きく後れを取っている。例えば、東京大学は10人ものノーベル賞受賞者を出した。

 一方、中国国籍の中国人受賞者数はわずか3人(注)。莫言氏(2012年に文学賞を受賞)と屠呦呦氏(マラリアの特効薬開発で2015年に医学生理学賞を受賞)は、いずれも「三無学者(博士号なし、海外留学経験なし、中国アカデミー会員「院士」ではない学者のこと)」で、中国国内では評価が極めて低い人物。のこりの1人は、中国当局が受賞を認めていない人権活動家の劉暁波氏。

 新卒者の初任給、出稼ぎ農民にもおよばない

 一部の優秀な学生を除き、中国の大学生を取り巻く就職状況は非常に厳しい。また、新卒者の初任給は、出稼ぎ農民工の収入にも及ばないという。日本の場合、2015年の大卒者就職率は96.7%で、初任給はフリーターの収入の約2倍。

 中国の教育界には、国の補助金が学校に均等に分配されていない。国から補助金を受ける「重点大学」は北京に26カ所あるが、大学受験者数が全国で最も多い河南省には1つしかない。地方の受験生は不平等な立場にある。

 日本には86校もの国立大学があり、全国の都道府県に点在している。東京には12校あるが、最も多いのは中部地方の16校。日本の最南端の県、沖縄本島にも琉球大学という国立大学が存在する。

 日本には中国のような「重点大学」はないので、優れた研究成果を挙げている大学にはそれに見合った研究費が与えられる。

 また日本には「偏差値」という独特の成績判断基準があり、この偏差値が大学や学部を選択する際の重要な指標となっている。例えば、日本の大学の最難関、東京大学理Ⅲの偏差値は80で、国立大学の中では比較的入学しやすいとされる鹿児島大学の偏差値は55と、大学のレベルが明確に数値化されている。そのため学生は自分自身の偏差値に基づいて受験する大学を選択することができる。

 差別的な「戸籍制度」

 日本では憲法第22条で居住移転の自由が認められているため、望めば誰でも東京に住むことができる。だが、中国では戸籍の移動が厳しく制限され、地方の中国人が北京の戸籍を取るために、どれほどの労苦を払うかは計り知れない。

 日本は学生の受験資格条件に中国のような数々の制限はなく、学生は自由に受験校を選べる。

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