中国ベンチャー企業家 命をすり減らしながら競争続ける

2016/10/25 23:29

 10月5日、中国のモバイル医療プラットフォーム「春雨医生」の創業者、張鋭氏が、突発性心筋症により44歳の若さで亡くなった。熾烈さを増す競争や長時間労働で、死に至るほど体調を壊す中国のベンチャー企業家は少なくない。

更なる業務拡大を目前に 突然の死

 張鋭氏はモバイル医療プラットフォームの先駆者であるだけでなく、マスコミ業界人でもあった。

 新聞記者として活躍していた同氏は、北京の地方紙、京華時報のニュースセンター主任や、中国のインターネットポータルサイト「網易」の副編集長を歴任。2011年7月に起業して、医者と患者の交流プラットフォームを提供するオンライン医療相談会社「春雨医生」を創設した。会社は急速な発展を遂げ、運営するサイトの利用登録者は9200万人以上、41万人以上の登録医師を抱える一大医療プラットフォームに成長した。

 春雨医療は創業後数カ月の間に、朝9時から夜9時まで、週6日勤務するという「996業務システム」を実施したこともあったが、最近の張氏は、資金調達問題で夜も眠れず、不安で食べ物ものどを通らないと漏らしていた。

 今年6月、春雨医生は12億元(約184億円)の資金調達を終え、会社の評価価格は10億ドル(約1037億円)に達した。同時に、春雨医生はオンライン問診サービス部門を分割して、株式上場する計画も立てていた。

 皮肉なことに、健康相談サービスを提供することを目的とする企業のトップは、過労により世を去った。

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