米軍事専門家ら:中共に危機対応能力はない

2005年10月23日 19時33分
【大紀元日本10月23日】中国国内外の危機に対し、中国共産党(以下、中共)の対策制定過程、特に中共の支配下の人民解放軍がこれらの危機の中で果してきた役割について、既に米ヘリテージ財団が着目し、米ヘリテージ財団はこのほど、危機に直面している中共の反応と対策制定過程についてシンポジウムを開き、中国の軍事専門家や記者など200余の人が参加した。専門家らは、中国には深刻な危機が潜在しており、特に予見できない危機に対し、中共は対応能力がないと指摘した。

 今回のシンポジウムでは、駐中国の前米国大使ジェームス・リリー(James R.Lilley)氏、駐中国の前米国大使館の軍事専務・米中経済と安全評価委員会委員ラリー・ウォーツェル(Larry M.Wortzel)氏、駐中国の前米国大使館の軍事専務・前米国国務院アジア太平洋事務部政治軍事顧問スーザン・プスカ(Susan M.Puska)大佐、及びベンシルバニア州米国陸軍戦争学院戦略研究所アンドリュー・スコベル (Andrew Scobell)副教授が論文を発表し、それらの論文はすべて「圧力下の中国国家安全対策」の本にまとめられた。

 中共は危機を利用し生存を維持、予見できない危機に対応し難い

 アンドリュー・スコベル氏は、中共は危機に利用して存続を維持しているとの見解を述べた。

 同氏によると、中共は、中国が長期の危機に陥っていた時期に政権を奪い取り、次の何十年にわたっても、高度な危機状態の下で政権を操ってきた。危機の繰り返しの中で、国民を危機から救えるのが共産党しかいないということを国民に認識させ、これは民衆の支持を得るにはとても重要な手段となっている。周期的な危機を利用して人民の支持を勝ち取る必要があると、中共のリーダー達は確信しているようだ。

 中共は危機を利用して存続を維持すると同時に、これらの危機を確実に抑えなければならない。これは矛盾しているように見えるが、まさに中共が危機を処理する方法の鍵である。中共の危機を3つに大別できる。即ちフィクション危機、予見できる危機と予見できない危機である。中共はフィクション(虚構)危機に対する処理は迅速かつ断固、協調性がよい。予見できる危機に対し、中共内部に議論が存在し、緩慢、内部協調性も悪くなる。予見できない危機に対し、協調性を失うため対応し難いとスコベル氏が指摘した。

 脱党ブームが引き起こした危機

 大紀元の記者は、中国で起きている脱党ブームは中共に対し予見できない危機なのか、さらに、それが中共の統治、中国国民に対しどのような影響があるかについて質問し、参加者らの注目を集めた。専門家達は次のように答えた。

 中共は政権を失うことを恐れているので、あらゆる手段で政権を確保しようとしている。以前、中共は権力を維持するためSARSの情報を隠し、人民の健康を犠牲にしても惜しまない。国民の支持を勝ち取るため、中共はマルクス・毛沢東思想を放棄し、市場開放を実施した。また、台湾問題や日本、米国を利用して人民の愛国心を煽り立て、国民の支持を得ようとしている。

 また、中共は支持を得るためいろいろな改革を促進したが、腐敗現象を根絶することができず、返ってますます酷くなっている。各政府機関の間ではけん制しあう制度はなく、如何なる責任義務も設けてない。SARS事件の時、衛生部部長を免職し、中共職員を死刑に処するような措置も採択するが、いずれも見せかけのものであり、根本的な問題は解決してない。中共が国民の利益に責任を負ってほしいと求める中国国民の声がますます高くなり、中国の未来は注目されるでしょう。とスーザン・プスカ氏は語った。

 独裁統治の下での民主の実現は不可能

 危機のプレッシャーにより、中共が民主に転換させざるを得ないという見方もあったが、それに対し、専門家達は、中共が統治する間は、民主実施が不可能であると指摘した。

 スーザン・プスカ氏は、民主と共産主義は完全に対立しており、中共は危機のプレッシャーがかかった為、一部の改革を進めたが、それは民主と言えず、形容する明確な単語はないが、中共はそれを「中国特色の民主」と呼んでいると述べた。

 また、同氏は、中国憲法第1章第1条には、中国は人民民主専政の社会主義の国家であると記述しているが、人民民主と専政は矛盾していると指摘した。

 危機に対する対応能力がなく、世界の安全を脅かしている

 米国軍隊退役したスーザン・プスカ氏は2001年から2003年の間で中国の米国大使館軍事専務として北京にいたが、当時、SARSが中国で流行し世界の健康安全と経済安定に危害を及ぼした。SARSは2002年11月に現れ、最初中共は事実を隠し、2003年になってから正式の記録を始めた。それはまさにSARSが広東省から香港へ移り世界へ蔓延した原因である。その後、世界衛生組織に患者数を隠し、政権を維持するため情報をも封鎖し、人民の健康を犠牲しても惜しまない。

 ラリー・ウォーツェル氏は、中共がSARSのような突然危機に対し麻痺状態に陥るケースが多かったと指摘。

 1989年に駐中国の米国大使館の軍事専務として北京で六四天安門事件を目撃したラリー・ウォーツェル氏は、「当時、米国大使館は一部の米国人を移転するため中国国防部に電話し状況を説明しようとしたが、対応してくれる人がいなく、返答すらなかった。2001年、米軍電子偵察機と中国空軍戦闘機の衝突事件、及び米軍は中国大使館を誤爆した事件に対しても、中国からの米電話対応がなかった」と紹介し、中国の緊急対応の麻痺さはいつか世界に危険と不安定を及ぶすだろうと述べた。

 今回のシンポジウム論文収録冊―「圧力下の中国国家安全対策」の本に、スーザン・プスカ氏が発表した「SARS2002-2003:中国が危機を処理した案件の研究」の論文のほか、「中国と3回のイラク戦争」、「台湾1995-2004」、「天安門大殺戮を再評価する」、「ベオグラードの中国大使館を誤爆とEP-3軍機衝突事件」などの7編の論文が収録されている。

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